神戸や新潟など、他都市のアニメイベントとの連携強化も
京都国際マンガ・アニメフェア実行委員会および京都市は、マンガ・アニメの総合見本市“京都国際マンガ・アニメフェア2015”を、京都府・みやこめっせで2015年9月19日、20日の2日間にわたり開催することを発表した。ここでは、本日4月14日に行われた記者会見の模様をお届けする。
“京都国際マンガ・アニメフェア(以下、京まふ)”とは、今年で開催4年目を迎え、2014年は4万人を超える来場者が訪れた西日本最大規模のマンガ・アニメフェア。記者会見には、京都市長の門川大作氏のほか、以下の京都国際マンガ・アニメフェア実行委員の方々が登壇。なお、M・A・O名義で声優としても活躍する女優の市道真央さんが司会を務めた。
・松谷孝征氏 NPO 法人映像産業振興機構理事長、(株)手塚プロダクション代表取締役社長
・上田修三氏 京都国際マンガミュージアム事務局長
・角川歴彦氏 (株)KADOKAWA 取締役会長
・長谷川亘氏 京都情報大学院大学・京都コンピュータ学院統括理事長
・吉田力雄氏 一般社団法人日本動画協会副理事長、(株)トムス・エンタテインメント上席執行役員
初めに、門川大作氏は、京都が“鳥獣戯画”などが生まれたマンガの発祥地と言える場所であり、2016年に“ロームシアター京都”がオープンするなどさらに発展してきていることを踏まえ、精神文化の拠点として京まふを充実していきたいと語った。
なお、門川氏によると“京まふ2015”には以下の3つの充実ポイントがあるとのこと。
【京まふ2015の充実ポイント】
(1)海外への情報発信の強化
・フランスで開催される日本文化イベント“ジャパンエキスポ”への出展の拡大(京まふをきっかけに開発されたマンガ・アニメのコラボ商品の販売など)。
・アジア地域への情報発信の強化(台湾などでのマンガ・アニメイベントへの出展など)。
・京都在住の“留学生アンバサダー(※)”による長期的な情報発信も実施する。
※日本コンテンツのファンで、その魅力を海外へ広報する活動を行っていただける留学生
(2)伝統産業と連携した商品開発の強化
・京都の伝統産業とアニメのコラボ商品の開発を強化する。
(3)他都市のアニメイベントとの連携強化
・神戸や新潟など、自道に努力をされている各地域のマンガやアニメと連携を図り、相互にPRをしていく。
松谷孝征氏は、過去のジャパンエキスポへの京まふの出展において、マンガと言えばコミックでもカートゥーンでもなく日本のマンガのこと、アニメと言えば日本のアニメというほどに日本のコンテンツが評価されていることを踏まえ、その評価に甘えずにものづくりをどんどん進めていくべきであると語った。
開催概要が発表された後、実行委員の方々は京まふ2015の開催に向けて、メッセージを贈った。
角川歴彦氏 KADOKAWAは京まふの開催1回目からコンテンツの展開をしてきており、昨年は『艦隊これくしょん -艦これ-』で大きな反響をいただきました。今年は入場料金が1000円から1200円に値上げしましたので、出展者はユーザーに満足してもらえるように、そのぶんの努力が必要だと考えています。
吉田力雄氏 京まふは、京都の文化、芸術、工芸にキャラクターを“足す”ということ、先人たちが作っていただいたものを今後に残すということで、非常に大事なコラボであると感じています。東京から多くの出版社の方に来ていただける“マンガ出張編集部”も京まふならではのことですし、海外の来場者も増えているということですので、期待をしています。
長谷川亘氏 私はアニメやマンガをコンピュータで描くという観点から教育を行ってきました。近年は海外から来られた方にも教える機会があるのですが、やはり日本の方が作るアニメには日本独特のものがあるというのを感じています。仮説ではありますが、それは京都の伝統的な文化が関係しているのではないでしょうか。その場所で開かれる京まふに期待しております。
上田修三氏 京都国際マンガミュージアムは2006年に開館してから現在9年目を迎え、昨年から本ミュージアムを京まふの第2会場と位置付けました。今年の京まふでは、琳派(芸術上の流派)400年記念ということで、琳派とマンガ・アニメと交えたコンテンツを展開予定です。夏ごろには具体的なコンテンツが発表できると思いますので、ぜひ楽しみにしてください。
松谷孝征氏 京まふにマンガ出張編集部があることを素晴らしく思っております。東京ではマンガを持ち込める場所がたくさんありますが、地方にはありません。東京に行くお金も時間もない方への手助けのため、東京の45社の編集部が足を運んでくれるのです。ものづくりをしない限り発展はありません。ものづくりのもととなる若者を育てるために、京都という魅力ある場所で京まふが開催されることがうれしいです。
なお、京まふ2015の公式サイトは明日2015年4月15日より公開、7月をメドに詳細な情報が開示されるとのこと。続報に期待しよう。