バンダイナムコエンターテインメント『機動戦士ガンダム』シリーズインタビュー

 1979年にアニメ放映がスタートし、今年で36年目になる『機動戦士ガンダム』シリーズ。長い歴史を誇る本シリーズは、ゲームもファミコン時代から発売されており、その数はもはや数えきれないほど。つねに新作がリリースされ続ける『ガンダム』ゲームの今後に迫る。

”ゲームス”から”エンターテインメント”へ…バンダイナムコエンターテインメントインタビュー3【機動戦士ガンダムシリーズ】_01
”ゲームス”から”エンターテインメント”へ…バンダイナムコエンターテインメントインタビュー3【機動戦士ガンダムシリーズ】_05
(左)
株式会社バンダイナムコエンターテインメント
プロデューサー
桑原 顕(くわはら けん)氏
(文中は桑原)
『ガンダムロワイヤル』、『機動戦士ガンダム バトルオペレーション』など、多数の作品を手掛けた人物。

(右)
株式会社バンダイナムコエンターテインメント
プロデューサー
薄井宏太郎(うすい こうたろう)氏
(文中は薄井)
新進気鋭のタイトル、『ガンダムブレイカー』シリーズを手掛けているプロデューサー。

プレイステーション4の新作に動きが!?

――『機動戦士ガンダム』は、 今回取り上げているIPの中でもとくに歴史が長い作品ですよね。時代の流れにともない、『ガンダム』ゲームを取り巻く環境も変わってきているのでは?
桑原 いちばん印象的なのは、 プラットフォームが変わって来ていることですね。 とくに家庭用ゲームでは、プレイステーション Vitaやプレイステーション4に向けたサービスが、今後本格的になっていくと思います。 また、モバイルは、 引き続きスマホの普及や性能の向上が著しいと感じています。
――『ガンダム』ゲームは、数多くのハードで発売されていますが、ハードごとにゲームの内容や作りかたは意識して変えているのですか?
桑原 変えなくてはいけないと考えています。薄井とも話していたのですが、 たとえばプレイステーション4になってくると、ネットワーク要素を使った遊びかたを考えていく必要があると思います。 そして、 モバイルのほうでもフィーチャーフォンからスマホになって、触り心地やインターフェース、 描画性能も変わっているため、 ゲーム内容も、 それに合わせたものにしなくてはならないと。
―― プレイステーション4のお話が出ましたが、『ガンダム』ゲームはプレイステーション4で発売予定となっていますよね。 こちらに何かしらの動きはあるのでしょうか?
薄井 カンファレンスでイメージ映像のみ出しておりましたが、 ようやく企画がまとまってきているところです。 もう少しで、 何かしらの発表ができると思います。

―― それは楽しみです! 一方、 スマホタイトルでは、『SDガンダム ストライカーズ』が2015年春配信予定となっていますが、 こちらの状況はいかがでしょう?
桑原 こちらも、 遠くないタイミングで、 皆さんに触っていただけるようになると思います。もう少々お待ちください。

―― 新たな発表を期待しています。『機動戦士ガンダム』シリーズのすごいところは、つねに新しい作品が提供され続けることだと思っています。 時代ごとにさまざまな作品があり、それぞれにファンがついているので、 ゲームの年齢層も幅広いのでしょうね。
桑原 そうですね。たとえば、プレイステーション3のフリー・トゥー・プレイタイトル『機動戦士ガンダム バトルオペレーション』では、40代の方にも遊んでいただいています。一方で、スマホの『SDガンダム ジージェネレーション フロンティア』は、10代の若い方も多いんです。

―― 薄井さんが担当された『ガンダムブレイカー』シリーズはいかがでしたか?
薄井 プレイステーション3版に関しては、上の世代の方に遊んでいただきました。 一方、プレイステーション Vita版は、ハードの特性上、 学生さんが多かったです。 そういう意味ではまんべんなくプレイしていただけています。

―― "ガンプラ世代"から最近のファンまで、幅広いファンを獲得できたわけですね。『ガンダムブレイカー』シリーズでは、アニメの『ガンダムビルドファイターズ』シリーズとの連動企画を行っていました。今後も、メディアをまたいだマルチ展開は考えているのですか?
薄井 ぜひ、 やっていきたいですし、 するべきだと思ってはいます。
桑原 昨年で言うと、『機動戦士ガンダム サイドストーリーズ』のときに新しい話を作ったのですが、 ゲームだけで終わらせてしまうのはもったいないなと。せっかく『機動戦士ガンダム』という魅力的な題材を使った物語を作ったんだから、 やはり広くいろいろな方に知っていただきたい。 ですから、 ゲームとコミックやアニメとの連動企画は、 今後も積極的に取り組みたいと考えています。

――『ガンダム』ゲームは軸となる人気のシリーズがいくつかありますよね。 それら、 人気シリーズの今後の展開はどのように?
桑原 『ジージェネレーション』シリーズは、スマホで展開しているほか、 詳しくはお伝えできないのですが、 つぎの展開の仕込みは進めているところです。

”ゲームス”から”エンターテインメント”へ…バンダイナムコエンターテインメントインタビュー3【機動戦士ガンダムシリーズ】_04

『ガンダムブレイカー』も新たな主軸へ

――『ガンダムブレイカー』も新しい軸として成功したという実感はありますか?
薄井 新たな定番シリーズというのは最近出ていなかったので、『ガンダムブレイカー』で『2』を出せたのは本当にありがたかったです。おかげさまで『2』は好評でしたが、これからどう進化させていくのかは悩みどころですね。

―― 人気シリーズの今後の展開も楽しみです。つぎに、 海外での広がりについておうかがいできればと思います。 今後、 海外ではどのように展開していくのでしょう?
桑原 スマホのタイトルでは、『SDガンダム ストライカーズ』が弊社で初となる、日本、台湾、 香港、 東南アジア同時配信を予定しています。 事前登録もそれらの地域を含めて行っていて、なるべく日本と同じタイミングで同じクオリティーのものを遊んでいただきたいと思っています。また、本作を皮切りに、今後も同様の展開をしていきたいと考えています。

―― 海外の展開では、 おもにアジア圏が中心となるのでしょうか?
桑原 そうですね。『機動戦士ガンダム』というIPは、 圧倒的にアジア圏での需要が高いんです。 バンダイナムコ上海が今期から設立されたこともあるので、"上海とうまく連動して中国をいかに攻略するか"をひとつのテーマとして考えています。

―― アジア圏では家庭用ゲームの展開も?
薄井 昨年の『機動戦士ガンダム サイドストーリーズ』から、ローカライズをして同時発売しているんです。
桑原 『機動戦士ガンダム』シリーズは、 歴史が長く専門用語も多いため、 ローカライズにはかなり苦労しました(笑)。 用語集の作成がようやくひと段落したので、 今後はだいぶやりやすくなっていくと思います。

―― 最後に、 今後の家庭用ゲーム、 アプリでの展開について、総括をお願いいします。
桑原 つぎのステージへ進むべく、 今後のキーワードは"NEXT"、"進化"です。 詳細はお伝えできませんが、 今後はプラットフォームに関わらず"NEXT"というキーワードに紐づいた、 新たな遊びや価値をリリースしていきたいと考えています。
薄井 さきほどもチラっとお話ししましたが、カンファレンスで映像を出しているプレイステーション4の『ガンダム』ゲームがいよいよ登場いたします。 正式タイトル含めて近々発表できると思いますので、期待していただければと!

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