ライバルどうしの激しいバトルなどで大きな盛り上がりに

 2015年3月28日、フランスのパリにて、カプコンの格闘ゲーム『ウルトラストリートファイターIV』のトーナメント大会“Red Bull Kumite”が開催された。

 本大会には、世界各国から招待された14名の選手と、予選を勝ち抜いた2名が出場し、日本からはウメハラ、ボンちゃんなど6名の選手が出場。

 決勝戦は、ときど(MCZ)とボンちゃんの日本人対決となり、激しい戦いをしかけるときどに対し、固いガードと着実な攻めで相手の体力を着実に奪っていったボンちゃんが3-1で勝利し、Red Bull Kumite初代王者となった。

 以下、リリースより。


『ウルトラストリートファイターIV』 の招待制世界大会“Red Bull Kumite”初代王者はボンちゃん_02

 『ウルトラストリートファイターIV』の招待制の世界大会Red Bull Kumiteがフランス・パリで初開催された。日本の梅原大吾(ウメハラ)、韓国のSeonwoo “Infiltration” Lee、英国のRyan “Prodigal Son” Hart、Darryl “Snake Eyez” Lewis、シンガポールのFinal Round王者Kun “RZR|Xian” Hoなど世界各地のトッププレイヤーの中から選ばれた14人が出場した。

『ウルトラストリートファイターIV』 の招待制世界大会“Red Bull Kumite”初代王者はボンちゃん_03

 『ウルトラストリートファイタIV』の大会で優勝を重ねているトッププレイヤー同士の戦いは数多くのサプライズを生みだした。米国のプレイヤーたちが不調に終わる中、ヨーロッパのプレイヤーたちが活躍し、ダークホースと言われていたプレイヤーたちも会場を沸かせる活躍を見せた。しかし、一番の盛り上がりを見せたのはグランドファイナルで、ここ数ヶ月で最もエキサイティングとなったその戦いはライバル関係に新たな1ページを生み出した。

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オープントーナメントからのベスト8
 フランス出身のGAGAPAがオープントーナメントのルーザーズから勝ち上がりベスト8に残った。本戦ではウィナーズのベスト16ですぐにSnake Eyezに2-0で破れルーザーズに回ったが、接戦となったRyan Hart戦で勝利し、ルーザーズ2回戦へと駒を進めた。

 この日のGAGAPAのハイライトとなったのがそのルーザーズ2回戦だった。昨年のEVO王者Luffyと対戦となったが、ベガを使うGAGAPAがローズを使うLuffyに勝利。GAGAPAは安定した戦いとは言えなかったものの、1Pのアドバンテージを上手く使いながらプレッシャーをかけ続けて2-0で試合終了。Luffyはここで姿を消した。

 Luffyを倒し勢いに乗ってルーザーズ3回戦に進んだGAGAPAだったが、ロレントを使うネモに惜しくも敗戦。ここまでとなった。最終的に同着7位で大会を終えたGAGAPAだが圧倒的なプレイで大きなインパクトを残した。

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ダークホースの躍進
 この日、パワフルな活躍を見せたダークホースがネモで、他のプレイヤーたちが彼との対戦を楽しみにしていたのも納得の内容を見せ、世界最高のロレント使いと呼んでも差し支えのないエネルギッシュでパワフルなプレイに終始した。ネモはまずフェイロンを使うふ~どを2-0で下すと、その後はウメハラには敗れたものの、ブラジル出身のEric “ChuChu” Silvaの春麗に勝利。続くGAGAPA戦は延長にもつれ込んでの勝利だったが、Xianには2-0で勝利した。そのネモが力強く駒を進める中、ルーザーズで好調だったのが Infiltrationで、マゴ、Snake Eyez、そしてフランスのトッププレイヤーValmaster、ウメハラに勝利して順調に駒を進めていた。

 そしてルーザーズセミファイナルで両者が対戦。両プレイヤーの戦いはさながら『アルティメット マーヴル VS. カプコン3』のような試合となったが、ネモが優位に試合を進め3-1で勝利した。ネモは続いてボンちゃんと対戦したが、ネモはこの日初めて苦しむことになり、ボンちゃんが3-0でネモを下した。しかし、会場のクライマックスはまだあとに待っていた。

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ライバル関係
 今大会では、ときどがいつもの静かなプレイとは一転した激しいプレイを見せていくようになっていた。そして大会中のインタビューではボンちゃんがリュウを選択してウメハラに勝利したことを引き合いに出した。

 ときどは「ボンちゃんさんがリュウを使うなら叩きのめしますよ」と強気の姿勢を見せ、その後「サガットでも同じです!」と豪語。この2人の遺恨がいつ始まったのかは分からないが、このライバル関係は当日大きな注目を集めた。

 結局2人はウィナーズファイナルで対決、ときどが豪鬼、ボンちゃんがサガットを使ったが、ときどの望んでいたような結果にはならなかった。お互いに2勝を取り合い、どちらが勝利してもおかしくない状態で最終戦を迎えたが、ときどがボンちゃんを苦しめて勝利。ときどはシートから飛び上がりボンちゃんを指差して叫び声を挙げ、この勝利を喜んだ。そしてグランドファイナルでの熱き再戦を予想させるかのごとく、両者は握手することもなくケージを後にした。

『ウルトラストリートファイターIV』 の招待制世界大会“Red Bull Kumite”初代王者はボンちゃん_01

熱きグランドファイナル
 「どの大会でも彼は2位です。王者になりたいのは分かっていますが、残念ながら彼の相手はこのときどですよ」とこの日のときどはヒールを演じ続けた。しかし、グランドファイナルのボンちゃんはタイガーショットと優れたガードを更にレベルアップさせており、ときどのミスを逃さず大ダメージのコンボと厳しいプレッシャーでときどを追い詰め、また追い詰められた時もEXタイガーショットとタイガーニーで窮地を脱する戦いを見せ3-1の勝利。リセットに持ち込んだ。

 そしてリセット後の最終戦もほぼ同じ展開となり、ときどが激しい戦いをしかけたが、ボンちゃんの激しさを上回ることはできなかった。ボンちゃんは固いガードと着実な攻めでときどの体力を奪っていった。ボンちゃんが2勝目を挙げた段階でガッツポーズを見せるなど、熱い気持ちが前面に出る戦いが続いたが、2-0で優位に立ったボンちゃんが焦るときどを相手に試合を終始コントロールし、ときども一矢を報いたものの、結局3-1でボンちゃんが勝利した。Red Bull Kumite初代王者は日本のボンちゃん。待望のタイトル獲得した彼の今後の活躍が期待される。