“LJL 2015”SEASON1優勝&国際大会の出場権をかけた決勝戦が開催
2015年3月29日、PC用オンラインゲーム『League of Legends(以下、LoL)』の国内リーグ戦“LEAGUE OF LEGENDS JAPAN LEAGUE 2015(以下、“LJL 2015”)”のSeason1決勝戦が開催された。
観戦する来場者の中には外国人の姿も多く見受けられた。海外チームの視察か、はたまたメディアの取材なのか。いずれにせよ、国内だけでなく、国外からも注目を浴びている大会だということがわかる。
“LJL 2015”は6チームが参加する国内プロリーグ。全チームで総当たり戦を行い、勝ち点の多い3チームがプレイオフに進出。上位2位、3位のチームがBO3(※)で対決し、勝利したチームと上位1位チームがBO5(※)の決勝戦を行うというのがレギュレーションだ。
(※BO3、BO5:それぞれ先に2勝、3勝したほうの勝ちとなるルール)
今回のSeason1 Finalの優勝チームには、4月24日から26日にかけてトルコで開催される国際大会“International Wild Card Invitational(IWCI)”の出場権が与えられる。IWCIは『LoL』公式の国際大会のひとつで、優勝チームは5月7日から北アメリカで開催される上位の大会“Mid-Season Invitational(MSI)”に進出できる。Season1 Finalは、日本から初めて公式大会への道が開けた歴史的な大会なのだ。
Season1 Finalにコマを進めたのは、2014年のリーグを制した“DetonatioN Focus Me(以下、Focus Me)”と、2015年シーズンから“LJL”の本リーグに参戦して大躍進を遂げた“DetonatioN Rabbit Five(以下、Rabbit Five)”。決勝戦はマルチゲーミングチーム“DetonatioN”傘下の兄弟チーム対決となった。
前年度王者か!? 弟分の下剋上か!? 試合展開をリポート
BO5形式の決勝戦は、1試合ごとに陣営の位置を変えて行われた。『LoL』はBlueとRedの2陣営に分かれて戦うのだが、これは陣営による勝率の差(国際大会ではわずかながらBlue側の勝率が高い)を踏まえた、公式の国際大会でも採用されているレギュレーションだ。
1試合目が始まると、待ってましたと言わんばかりの大歓声が会場を包み込んだ。1試合の平均終了時間が40~50分、最長で5試合行われる長丁場の決勝戦だったが、開始直後から観客のボルテージはマックスだ。
1試合目は片方が優勢になればもう一方がすぐに状況を覆すシーソーゲーム的な展開に。倒すとチーム全体にバフが付与されるドラゴンはFocus Meが順調に撃破していったが、Rabbit Fiveは集団戦で強さを発揮して有利な状況を作っていった。
終盤に起こった集団戦もRabbit Fiveが有利に進めたかに見えたが、Focus Meのエースプレイヤー・Yutapongo選手が1対4という圧倒的な不利な場面で見事にこれを捌ききった。これによって大きく態勢を崩されたRabbit Fiveの隙を突き、Focus Meがミニオンを大きく強化できるバロンを倒し、そのまま敵陣に攻め入って勝負を決めた。
2試合目のドラゴンを巡る戦いにおいては、ことごとくFocus Meが優位にあったのが印象的だった。ドラゴンは一度倒すと6分後に再び姿を現すのだが、出現時間に合わせてマップ中にWard(周囲を見渡せるようになるアイテム)を設置し、有利な状況を作り出す。強力なバフを得たFocus Meの進撃は止まらない!
2戦目も中盤以降にもぎ取った有利をジリジリと広げていったFocus Meが勝利し、優勝へと王手をかけた。
3試合目では、Focus MeのAstarore選手がNunuを選択。このチャンピオンは対象の敵ミニオン、または中立モンスターを食べて大ダメージを与え、自身のHPを回復するスキルを持つ。この特性を活かし、序盤から相手のジャングルを荒らし、Rabbit FiveのAwaker選手を無力化。
Awaker選手の圧力を減らし、各レーンを有利に進めていくFocus Me。戦線を押し上げ、敵地のモンスターを狩り、経験値とゴールドの差をどんどん広げていく。試合は完全にFocus Meペースに。時間経過とともに装備の差が広がり、そのままFocus Meが押し切って優勝を栄冠を手に入れた。
決勝戦はFocus Meが圧巻の3連勝で優勝の名誉と国際大会への挑戦権を獲得。前年度王者の強さを見せつける結果になった。Focus Meの強さを体感したRabbit FiveのリーダーAwaker選手とチームマネージャーのGkun氏は以下のようにコメント。
■Awaker選手
すごく悔しいですけど、逆にFocus Meの強さが目立ってスッキリしました。つぎまでには勝てるようにします!
■Gkun氏
今シーズンに参加できたことは非常にチームとしてうれしいことで、ここに立っているのも奇跡みたいです。昨年度の努力がムダになりませんでした。1勝もできなかったのは、本当に、本当に悔しいですけど、この決勝の舞台に立てて本当によかったと思っています。来年はFocus Meに苦い思いをさせるので、待っていてほしいですね。
優勝のFocus Meには優勝賞金20万円と優勝トロフィー、IWCI挑戦権、オリジナルデザインのVプリカ(15万円ぶん)、モンスターエナジー240本が贈られた。また、関係者からの投票によって、Focus MeのYutapongo選手がMVPに選出された。
続けて行われたインタビューでは、各メンバーが国際大会への意気込みを述べた。以下はそれをまとめたものだ。
■KazuXD選手
最高にうれしいですね。IWCIも、1勝ではなく優勝を目指します。応援よろしくお願いします。
■Yutapongo選手
やりきった感がありますね。疲れました(笑)。つぎは世界なので、そこで勝つためにはまずは練習をしなければいけないなと思います。これからは世界で戦い、勝っていけるようにがんばりたいますので、応援よろしくお願いします。
■Ceros選手
倒したり倒されたりで楽しいレーニングでした。これから世界に羽ばたくFocus Meをよろしくお願いします。
■Astarole選手
3試合目は本当に楽しかったですね。やりたいことを全部できたので(笑)。これからもよろしくお願いします。
■Bonzin選手
今日も耐えて耐えて耐えて、耐えまくるゲームでした(笑)。兄貴分の面目を保ててよかったと思います。Focus Meはこれから世界で戦っていきますので、引き続き応援よろしくお願いします。
■チームマネージャー LGraN氏(DetonatioN代表 梅崎伸幸氏)
ゲーミングハウスができてプロゲーマーとしての活動を初めて、私自身も、選手たち自身にも相当なプレッシャーがありました。シーズン途中には負ける試合もあり、その中でどうやったら勝てるのかと悩み続けていました。でも、今日は3-0という素晴らしい結果を出せて、本当によかったと思っています。
Rabbit Fiveはシーズンが開始されたときには、正直なところ、最下位を争うチームになるかなと思っていて、決勝の舞台にまで上がってくるとは思っていませんでいた。Gkunを含め、選手のみんなには感謝してもしきれません。
Focus Meは海外のプロチーム戦を中心に練習しています。IWCIでは必ず優勝して、MSIに出場したいと思っていますので、応援よろしくお願いします。
最後に、4月4日に行われるSURVIVAL MATCHと5月23日から開催されるSeason2の告知が行われ、“LJL 2015”のSeason1は幕を下ろした。
まだ日本で正式にサービスがされていないにも関わらず、大きな盛り上がりを見せた『LoL』の国内リーグ決勝戦。Focus Meのつぎなる戦いの舞台は、各国の強豪が集う国際大会。彼らの活躍に注目したいところだ。