自治体とゲーム会社における包括連携は全国初!

 2015年3月26日、山梨県の甲府市役所にて、甲府市とカプコンが開府500年に向け、観光振興を中心とした地域活性化を図る目的で包括連携協定を結ぶ記者会見を行った。
 記者会見の中では、甲府市と甲府市観光協会及びNTT東日本山梨支店において覚書を締結し、無料公衆無線LAN(無料Wi-Fi)を整備促進することも発表された。

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『戦国BASARA』甲府市とカプコンが包括連携協定を結ぶ_02

甲府市×カプコンの包括連携で、今後何が行われるのか?

 記者会見で発表された内容は、以下の通り。

<概要>

1. 開府500年事業の推進に関すること

 開府500年を迎えるにあたり、甲府市の歴史・伝統などを活用し、人を惹きつける事業を実施します。また、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、外国人観光客の受入に対応します。

★甲府市×甲府市観光協会×NTT東日本山梨支店による“こうふSAMURAI Wi-Fi プロジェクト”の推進とイベントの実施
【PRイベント第1弾】武田家関連や駅周辺施設を中心に『戦国BASARA』シリーズの信玄キャラクターを活用したスタンプラリーを実施します。
★(検討中)開府500年『戦国BASARA』リアル宝探しで連携
★(検討中)開府500年に関するPR事業
……などの関連イベントを検討。

2. 国内外に対する観光振興に関すること

 トップセールスなどで、国内外から人気のある武将キャラクターに注目。カプコンのキャラクターをポスターなどで活用し、相互のブランドイメージの向上を目指します。『戦国BASARA』シリーズに登場するキャラクターを縁にゆかりの地と都市間の交流に取り組んでいきます。

3. 観光情報などの発信に関すること

 連携した取り組みやイベント情報を発信することで、相互の魅力向上を図ります。

4. その他市政の推進及び地域活性化に関すること

 信玄公祭りや甲府大好きまつりなど、甲府市が関係するイベントとの連携、その他、地域活性化に関わる事業との連携をしていきます。

各代表者のコメント

甲府市長 樋口雄一氏
 今回、CSR(企業の社会的責任)に力を入れていらっしゃるカプコン様との連携により、本市の重要な観光資源である武田信玄公と、『戦国BASARA』シリーズに登場する魅力的な武田信玄のキャラクターとのコラボレーションが実現いたしました。今後、開府500年に向け、相互に協力をしていくなかで、さまざまな企画を展開し、国内観光客はもとより、外国人や若年層に対しても魅力的かつ効果的に甲府市のPRを行い、交流人口の増加による地域の活性化に取り組んでいきたいです。また、『戦国BASARA』シリーズは、7月で10周年を迎えるとうかがっており、甲府市の開府500年とともに、相互の魅力を高め、お互いのブランド力の向上を期待しております。まずは、“こうふSAMURAI Wi-Fi プロジェクト”において、信玄公のキャラクターを活用していきますが、今後観光面以外の分野においても、連携していきたいと考えています。今後、これらの連携を十分に活かして、観光振興による地域活性化の取り組みと同時に、市民の気運の情勢を図っていきたいと思います。

カプコン・『戦国BASARA』シリーズプロデューサー 小林裕幸氏
 この度、甲府市とカプコンが開府500年に向けた事業に取り組むことが決まりまして、たいへんうれしく思っています。『戦国BASARA』シリーズは、2015年7月で10周年を迎えます。甲府市の500年に比べるとまだまだ若いタイトルですが、ゲーム業界で10周年続くタイトルというのは、そう多くはありませんので、弊社としてはかなり力を入れているプロジェクトのひとつと言えます。7月からシリーズ10周年に向けてさまざまな取り組みを予定していますが、そのひとつとして甲府市と新しい試みができるのではないかと思っています。また、2015年夏にプレイステーション4とプレイステーション3でシリーズ最新作『戦国BASARA4 皇』を発売予定です。『皇』の発売に向けてのプロモーション展開を、開府500年を迎える甲府市とともにスタートできることで、より盛り上がるのではないかと思っています。私は数年前に武田信玄ゆかりの地を勉強も兼ねて回ったときに、何度も行きたくなる自然溢れる地域だと感じました。これまでも、『戦国BASARA』ファンの皆様が甲府を訪れていますが、さらに多くの方に来ていただけるように、今回のプロジェクトを成功させていきたいです。いまから4年という長いプロジェクトですが、弊社としてもいろいろなアイデアを出して、さまざまな取組ができたらうれしいと思いますので、皆様ご協力のほどよろしくお願い致します。

甲府市観光協会・会長 大木 政氏
 私ども甲府市観光協会としましては、観光客の利便性の向上を目的に、観光協会の会員等を対象に甲府市およびNTT東日本山梨支店様と連携し、“こうふSAMURAI Wi-Fi プロジェクト”の推進を図ってまいります。現在、スマートフォンやタブレットなどWi-Fi接続機器にて、外国人観光客を中心に無料Wi-Fiを利用する方が増加傾向にあるため、今後市内の歴史資源等の情報提供が効果の高いツールであると考えております。それを受け、今回の連携により、来たる開府500年、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、市内の観光関連施設や観光資源である神社仏閣へのWi-Fi設置の推進を行い、甲府市の歴史や文化、観光施設の情報発信を充実させていきたいと思っています。

NTT東日本山梨支店・支店長 安藤耕治氏
 開府500年最初のプロジェクトに、“こうふSAMURAI Wi-Fi プロジェクト”で参加させていただいたこと、まことに感謝しています。このプロジェクトが、全国に対するモデルケースになることを目指していきたいと考えております。我々NTT山梨グループは、日頃から地域のお客様に愛される民主化の総合IT企業になろうということで、このWi-Fi事業も含めて積極的に推進させていただいています。このプロジェクトにおいて外国人観光客、国内の観光客、そして甲府市民の皆様に、Wi-Fiを設置するだけではなく、いかに使っていただくかということをきっちりやっていきたいと思います。通信事業社としてのノウハウを活かして、ハード面での整備をしっかり行うことはもちろん、甲府市、観光協会さん、カプコンさんと連携しまして、枠にとらわれることなく、地域の皆様と一体となり、エリアWi-Fiを通じて甲府市の歴史、文化、伝統のすばらしさを知っていただき、甲府の地に足を運んでいただけるようなプロジェクトにしていきたいと考えております。

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▲左から大木氏、樋口氏、小林氏、安藤氏。

『戦国BASARA』シリーズプロデューサー・小林裕幸氏への一問一答

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――包括連携協定のきっかけは?

小林裕幸氏(以下、小林) 最初に甲府市さんからお話をいただきました。甲府市と言えば武田信玄ですので、「『戦国BASARA』キャラクターの武田信玄を使っていきましょうか」というところで合意できました。『戦国BASARA』シリーズはこれまでも全国各地でイベント等を行ってきましたが、市との包括連携という形は、今回が初めてになります。

――こういった形以外では、地域との取り組みはどんなものが?

小林 いろいろありますが、『戦国BASARA2 英雄外伝(HEROES)』が片倉小十郎を主役だったのを見た宮城県白石市の方から、ソニーさん経由で連絡をいただいて、2008年くらいから城に『戦国BASARA』の小十郎をボードで飾っていただいたり、グッズを作っていただいたりしています。

――『戦国BASARA』シリーズの魅力をお聞かせください。

小林 戦国時代の武将たちは、魅力的な人物ばかりで、現代の人たちにとっての憧れでもあります。『戦国BASARA』シリーズは、(史実通りではない部分もありますが)戦国武将たちの生き様がおもしろおかしく描かれることが、人気の要因ではないかと私は思っています。あと、今回のような地域との試みができることも、多くの戦国武将が登場ゲームならではですね。

――包括連携協定によって、今後はどのようなプロジェクトが行われるのでしょうか?

小林 プロジェクトスタートしたばかりで、4年という長いプロジェクトなので、まだこれからいうところです。今年も4月3日~5日に信玄公祭りがあり、『戦国BASARA』ファンの皆様もたくさん訪れると思いますし、今後いろいろと協力して甲府市を盛り上げていきたいですね。信玄公祭りは僕も行きたいのですが、ちょうど『戦国BASARA』関連のイベント(BASARA CLUB ファンミーティング2015春 in 東京)があるため残念ながら……。来年こそは行こうと、先ほども市の方とお話していました(笑)。

――最新作『戦国BASARA4 皇』では、武田信玄はプレイヤー武将として使えるのでしょうか?

小林 『戦国BASARA4』のときは敵武将でしたが、『皇』では信玄がプレイヤー武将として登場します! ちなみに『戦国BASARA』シリーズ1作目のとき、初めて実機で動かせるようになった武将が武田信玄なんですよ。当時はプレイステーション2でしたが、信玄の髪の処理がたいへんだったのを覚えています。ボリュームがありすぎて(笑)。

――さりげなく信玄公が使えるという新情報が出ましたね。『戦国BASARA4 皇』の開発状況もお聞かせください。

小林 現状、ほぼ完成に近づいてきています。『皇』は合戦ルーレットや天貨メダルなどが新たに加わり、お祭り的な楽しさがあるゲームになっています。また、新プレイヤー武将・新武将の足利義輝、千利休、京極マリアはこれまでにないタイプの武将です。かつてのラスボスを使って豪快に敵を倒しまくる気持ちよさもあります。昔からいる武将たちも、10年という歴史を経て、さまざまなパワーアップを遂げていますので、ぜひ楽しみにしてください。