水着美女とゾンビの共演で話題沸騰! スペシャル座談会

 2015年3月12日発売の週刊ファミ通では、エピソディック配信版の配信開始日が2015年2月25日、ディスク版が2015年3月19日に発売されたサバイバルホラー『バイオハザード リベレーションズ2』(以下、『リベレーションズ2』)の情報を掲載した。2015年3月6日に1巻が発売されたばかりの『バイオハザード~ヘヴンリーアイランド~』の漫画家・芹沢直樹を交えたトークの完全版をお届け。なお、芹沢先生は気合の入ったゾンビの特殊メイクで登場!

座談会参加者

岡部眞輝氏(『リベレーションズ2』プロデューサー)(文中では岡部)
『リベレーションズ2』のプロデューサーとして、エピソディック配信など、新しい試みを展開中。

芹沢直樹氏(『ヘヴンリーアイランド』漫画)(文中では芹沢)
漫画家。『猿ロック』や『バイオハザード~マルハワデザイア~』など、さまざまな作品を手掛けている。

川田将央氏(『バイオハザード』シリーズプロデューサー)(文中では川田)
『バイオハザード リベレーションズ2』を始め、『バイオハザード』シリーズ全般でプロデューサーを務める。

瀬戸康洋氏(『バイオハザード』シリーズディレクター)(文中では瀬戸)
多数の『バイオハザード』シリーズでディレクターを務める。『ヘヴンリーアイランド』ではシナリオを担当。

『バイオハザード~ヘヴンリーアイランド~』×『バイオハザード リベレーションズ2』スペシャル座談会完全版_01
▲左から岡部眞輝氏、芹沢直樹先生、川田将央氏、瀬戸康洋氏。

芹沢氏のゾンビメイク担当:自由廊・沼崎氏
インタビュー実施日:2015年2月9日

『バイオハザード』シリーズの空気感を意識した描き込み

――『バイオハザード~ヘヴンリーアイランド~』コミックス第1巻の発売、おめでとうございます。

芹沢 ありがとうございます。『バイオハザード~マルハワデザイア~』に続いて、再び『バイオハザード』シリーズのコミカライズ作品を手掛けることができ、うれしく思っています。前作での経験を活かしつつ、よりマンガ的な怖さの表現を意識して描いていますので、楽しんでいただけたら幸いです。

岡部 まずは芹沢先生のゾンビメイクからツッコミを入れたほうがいいでしょうかね?(笑)

芹沢 こういう機会じゃないとなかなかできないので。メディアに顔を出すなら、ネタがあったほうがいいかなと思い、挑戦してみました(笑)。

『バイオハザード~ヘヴンリーアイランド~』×『バイオハザード リベレーションズ2』スペシャル座談会完全版_02

――メイクには時間がかかったのでは?

芹沢 だいたい1時間くらいです。もともとホラー映画は好きだったのですが、自分自身がゾンビになるというのは不思議な感覚ですね。

――それではさっそく本題に入りますが、『ヘヴンリーアイランド』の見どころをお聞かせください。

芹沢 前作と違って女性のゾンビが多く、女の子の露出も多いところが大きな特徴ですね。エログロい描写を意識的に盛り込んでいます。

川田 こちらから「ゲーム以上にエログロくしてください」とお願いしたんです。どちらも
ホラーには欠かせないエッセンスなのですが、家庭用のゲーム作品ではなかなか難しい表現レベルに挑戦することが、本作における狙いでもあったので。いざ原稿を拝見したところ、初っ端から過激なシーンをバリバリ描いてくださって。我々が想像していた以上の作品に仕上げていただきました。編集の方もいろいろご苦労されたかと思うのですが、敢えての挑戦に対する、表現の自由の幅の広さには頭が下がる思いでした。掲載誌が無敵の“チャンピオン”だったからかもしれませんが(笑)。

――ビキニ姿の美女が怪物に襲われるシーンは強烈でしたね。

川田 あれは完全に瀬戸の趣味です(笑)。

芹沢 もっと胸を大きくしてくれとか、この角度から描いてくれという指示が多かったですかね? 水着のデザインに関しても細かく指摘が……。

瀬戸 キャラクターを際立たせるための演出ですよ(笑)。水着の柄やデザインで、個性を表現しているんです。コミックス第1巻の表紙もいい感じになりました。

――まさに、エログロさを前面に押し出したビジュアルでしたね。続いて、ストーリー部分でのこだわりポイントを教えてください。

川田 少年誌の作品として見た場合、かわいい女の子がたくさん登場して、主人公が危機的状況を乗り越えていくという王道の展開なんですけど、それをいかにして『バイオハザード』らしく見せるか……というのが、シナリオ面での最重要課題でした。いまだからこそ言えますが、シナリオ会議は毎回かなりもめて、瀬戸とはしょっちゅう口論になっていたんです。思考錯誤をくり返しても答えが見つからず、シナリオを丸々没にすることもあったのですが、そういった意見も汲み取って、芹沢先生が絵として具体化してくださって。その絵を見て、「我々が表現したかったのはこれだ!」と気づかされることも多く、先生の技術力と絵に込められた説得力には、随分助けていただきました。

――演出に関して、かなり攻めの姿勢ですね。

川田 『マルハワデザイア』のときは、掲載媒体を意識するあまり、抑えめの演出になっていたので、今回は思いきって限界に挑戦してみました。残酷な描写が増えてしまい、芹沢先生には申し訳ないなと思っているんですけど……。

芹沢 前作に比べて、そういった描写が一気に増えましたよね。とはいえ僕自身、恐怖の表現を追求したいと思っていて、いろいろと勉強になっています。

――『ヘヴンリーアイランド』は、『リベレーションズ2』につながる仕掛けもあったりするのでしょうか?

瀬戸 (ネタバレになるので)言えないことも多いですが、期待していただいて大丈夫です。シナリオにもいろいろと盛り込んでいますので、細部までじっくり読んでください。

川田 『ヘヴンリーアイランド』にはクレアも登場しますが、『リベレーションズ2』とはちょっと雰囲気が異なるので、その違いを見比べてみるのもおもしろいかも。マンガとゲームの両方を楽しむことで、彼女の新たな一面が垣間見れるはずです。

岡部 これまでの『バイオハザード』シリーズでは、女性キャラクターは“屈強な戦士”として描かれる事が多かったのですが、本作では“かわいらしいキュートな存在”として描かれているのが印象的でした。『バイオハザード』でも、こういった表現はありなんだと気づかされたといいますか。ストーリーも、『リベレーションズ2』に深く関わってくる要素が散りばめられていて、ものすごく読み応えがありますね。

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