ある種、同窓会的なノリで楽しめる関係者コメントの数々!

 プレイステーション Vitaとプレイステーション3で2015年3月12日にリリースされる『ひぐらしのなく頃に粋』。同作の発売を記念して竜騎士07氏を始めとする関係者からのコメントを掲載。原作者から主題歌アーティストまで、シリーズに関わったおなじみのメンバーのコメントを用意したので、ファンは同窓会的なノリで、ぜひチェックしてほしい。

『ひぐらしのなく頃に粋』発売を記念して竜騎士07氏を始めとする関係者からのコメントを掲載!_02

■原作 竜騎士07氏
 再び家庭用ゲーム機版として『ひぐらし』を発表できますことをうれしく思います。また、いまもなお『ひぐらし』を応援してくださる方々がいらっしゃることに、何よりも深く感謝したいです! レナや圭一たちにまた会えることを、自分もとても楽しみにしています。僕の中では、『ひぐらし』は決して終わった過去の作品ではなく、いまもなお続いている作品です。ですから、「おかえり『ひぐらし』!」という気持ちより「ただいま『ひぐらし』!」という気持ちです! 振り返ると、『ひぐらし』を作っていた当時は、いま以上に無知で、すっごい怖い物知らずだったなぁと思います。無茶な予定を平気で立てて、無茶を重ねて無理やり遂行する、という感じで。いまなら、予定の時点で無理とわかりますね(苦笑)。オッサン染みていると思われることを覚悟して言うと、無茶は若さの特権だなぁと(笑)。いい意味で、体力と気力と無茶、無謀に溢れていた当時の自分の集大成だったなと思わされます。
 苦労話などは、悲惨なだけであまりおもしろみがないので、おもしろかった逸話を思い返すと……。当時のスタッフのあいだでは、『神羅万象チョコ』が流行っていまして。素敵なカードのオマケにウェハースチョコが付いてるという(逆かな?)アレです。その中に、皇帝テラスというかわいい女の子のカードがありました当時の07thスタッフは、それを引き当てないと正規スタッフではないなんて、ふざけた話がありました。相棒のBTさんが、運試しと称して箱買いした『神羅万象チョコ』をバリバリと開けていたのが懐かしいですね! ちなみに、僕が初めて引いたカードは、ラードという豚の怪物でした(笑)。それを見てBTさんが「引き当てるカードは、己の内面を示している!」と言い出したので、以後、BTさんが怪物のカードを引く度にそのネタで逆襲していました。おっと、『ひぐらし』の話じゃないですね!

■サウンド dai氏
 ついにプレイステーション Vita&プレイステーション3で『ひぐらし』が! と思うと感慨深いものがあります。しかも、今回は原作曲が使われています。そればかりか、新曲も書かせていただいたり……! 家庭用ゲーム機の作品でエンディング曲を書きたい! というのは、長年の夢でもありましたが、それを叶えてくださった『ひぐらしのなく頃に粋』とそのスタッフの皆様には、足を向けて寝ることができません。今回書かせていただいたエンディング曲は、ラック眼力さんとの合作です。もしよろしければ、聴いてやってもらえると恐悦至極に存じます! 当時(『ひぐらし』同人時代)、『ひぐらし』の作曲をするのはカナリしんどいものでした。『ひぐらし』は惨劇シーンが多いので、それなりに悲劇的な曲も需要があったのですが、……僕は、その曲を書くためには“死ぬ直前のキャラの心”と“自分の心”を同調させる必要があると考えていました。『ひぐらし』キャラの感情をそのまま曲にアウトプットしたかったんです。“死ぬ”ということをイメージするのは苦しいものでした。曲を書きながら泣きました。いい大人が。パソコンの前で。マウスをカチカチと鳴らしながら。何時間も。その光景は『ひぐらし』とは違った意味でホラーです。……ホラーと言えば、当時はお化け屋敷のような4畳半風呂なしの賃貸住宅に住んでいました。住宅の壁が薄いので、曲を書いているときに隣の部屋の音が聞こえてくることもよくありました。毎朝7時くらいに“チンチン”と聞こえてきたのはお茶碗にお箸があたる音だったのでしょうか。妙にリズム感があったので、そこから曲のイメージが膨らみました。ありがとう、お隣さん。ありがとう、『ひぐらしのなく頃に』!

■キャラクターデザイン・原画 rato氏
 今回、初めて『ひぐらし』をプレイする方はぜひ楽しんでください。思い返すにつけてやはり、『ひぐらし』はおもしろい話だなあ、ということをと感じます。どきどきわくわくさせるエンターテインメントに溢れていると。『ひぐらしのなく頃に粋』楽しんでください。

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■楽曲提供 志倉千代丸氏
 ありのまま叙述されたように思える物語も、語り手が変更された瞬間に、それまでの認識が誤っていたことに驚愕し、キャラクターの深層心理を邪推すれば、それもまた清々しく裏切られるような、まるで表と裏が混合状態で存在するかのような振る舞いであるが、お互いが干渉し合うこの状態は、量子力学的に言えば“重ね合わせ”の状態であり、あらゆるシーンが信じるに値せず、同時にこれがもっとも美しいミステリーの形であることに気づかされる。つまり、これらを楽曲で表現するとき、「誰の視点であるか?」についてとくに留意する必要があり、もっと言えば“楽曲提供”というシーンにおいては、作品の“キーワード”を集めるのではなく、作品の“伏線ワード”を集めることの重要性を改めて教示してくれた、とても思い入れの深い物語なのである。文字数多くてサーセン(○´・д・)ノ

■主題歌アーティスト いとうかなこさん
 完全版発売おめでとうございます! このような大作で再び主題歌を歌うことができて光栄です。膨大な物語の中に、新曲だけでなく歴代の主題歌・挿入歌もすべて収録されると聞いて、感動しました。あとは今回『ひぐらしのなく頃に粋』のために書き下ろされた主題歌2曲が、皆さんの心に刺さって、物語の一部になれることを祈っています。
 私はプレイステーション2版からの参加でしたが、約8年も経つというのに、『ひぐらしのなく頃に』の人気にはいつも驚かされます。日本だけではなく、海外からも「『ひぐらし』の歌を歌ってほしい」というリクエストが、後を絶たないのです。そして、今回の新しい主題歌は、爆発的なパワーを込めて作りました。“完全版『ひぐらし』パワー”と相まって、世界中で歌って歩けるようにがんばります!

■主題歌アーティスト 彩音さん
 『ひぐらしのなく頃に粋』発売おめでとうございます! 私も『ひぐらし』のファンのひとりとして、発売を楽しみにしていましたが、この瞬間を楽しみにされていた作品ファンの皆さんも多いのではないでしょうか? 完結編であり、歴代のゲーム主題歌や挿入歌なども収録されるとのことで、私の歌わせていただいたあの楽曲もゲーム内に収録されています。それだけではなく、今回は新曲のお話もいただき、いとうかなこさんとのデュエット曲である『アセンション』も歌わせていただきました。人生で初めてのデュエットは、とても光栄でうれしかったです。
 プレイステーション2版(最初の移植版)発売から約8年という月日はとても大きく、歴史になりつつあります。作品を通してたくさんの楽曲を歌わせてもらいましたが、どの楽曲も、私には欠かせない楽曲です。これからも作品といっしょに大切に歌って生きたいですし、何より「『ひぐらし』で彩音さんを知りました!」と日本だけではなく、海外からも声をいただけていることに、うれしさと感謝の気持ちでいっぱいです。

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■家庭用ゲーム機版プロデューサー 叶 希一氏
 プレイステーション2版『ひぐらしのなく頃に祭』を制作しているときからずっと考えていたのは、“竜宮レナ”が“礼奈”であったころの物語を描けないか、ということでした。部活メンバーの中でもとりわけ大きな、そして異質な傷痕と悔恨を抱えて、しかもそのことを誰にも打ち明けられずに苦しんでいる彼女が救われる話があれば、と。ただ、そのエピソードを組み込むと規模が大きくなりすぎる(プレイステーション2だと収まりきらない)ため、やむを得ず当時は見送り、その後竜騎士07さんのご協力のもとニンテンドーDS版『ひぐらしのなく頃に絆』で一応実現させることができました。しかしながら、そこでも容量の壁が立ちふさがって、“音声なし”に踏み切らざるを得なかったことが、ずっと心残りになっていたのです。ですから今回、全シナリオを収録したフルボイス版『ひぐらしのなく頃に粋』をリリースすることができて、本当にうれしく思っています。もちろんプレイしてくださる皆さんにも楽しんでもらえたら、そしてファンの方々に少しでも喜んでいただくことが叶いましたら、これ以上の幸せはありません。どうか、よろしくお願いいたします。
 『ひぐらし』プロジェクトを振り返って真っ先に思い出されるのは、週に一度竜騎士07さんとratoさん、3人で夜通し延々と語り明かしたときの光景です。振り返ると、もう10年も前のこと。時が過ぎるのは早いものだと、改めて感じさせられます。家庭用ゲーム機版『ひぐらしのなく頃に』の制作に携わるのは、プレイステーション2版『ひぐらしのなく頃に祭』、ニンテンドーDS版『ひぐらしのなく頃に絆』と続けて、今回のプレイステーション Vita&プレイステーション3版『ひぐらしのなく頃に粋』で3回目になりますが、とにかく四苦八苦、七転八倒の連続でした。壮大なスケールと展開が織り込まれたシナリオの整理、イメージと迫力を損なわないようギリギリのラインまで踏み込んだ倫理修正と演出調整、そして原作の派生として恥ずかしくない水準を目指して作成した、外伝と新規のエピソード……。毎日がひたすら無我夢中で、物語を組み上げる楽しさは、制作が完全に終わるまで感じる暇すらありませんでした。これは、単純に自分の力不足、知識不足が原因で、反省の連続です。竜騎士07さんの助言や監修があったからこそ最後までやり切ることができましたが、思い返すたび誇らしさよりも、申しわけなさが先立ちます。いまの自分がそこまで優れているとはとても思えませんが、もしもあのころ反省をする前に気づいて、ようやく少しは身につけられた現在の経験と知識を活かすことができていれば、と考えると、すごく口惜しいです。ただ、このプロジェクトはたくさんの方々に支えられてきました。原作の竜騎士07さん、キャラデザのratoさんはもちろんのこと、音楽面では志倉千代丸さんを始めとした5pb.さん(現MAGES.さん)、ZIZZ STUDIOさん、daiさん。そして彩音さん、いとうかなこさんを筆頭に多くのアーティストさんから素晴らしい楽曲をご提供いただきました。作品にご出演の声優さんからは数多くの感動的な熱演をいただき、アルケミスト(現加賀クリエイト)のスタッフもきびしいスケジュールの中、素晴らしい絵素材とシステムを作り上げてくれました。ほかにも、アニメを手がけられたフロンティアワークスさんからは心強いアドバイスを、広報面では全力エージェンシーさんから多大な支援をいただきました。さらに、yo-yu/よゆさんからは毎回、魅力的なオープニングムービーを……。それに何より、『ひぐらし』ファンの方々からの叱咤激励、そして反響があったおかげで、今回の『ひぐらしのなく頃に粋』を実現させることができたと考えております。『ひぐらし』プロジェクトに対し自分が思うことは反省と、それ以上に関わってくださった方々への、心からの感謝の念です。本当に、ありがとうございました。

『ひぐらしのなく頃に粋』発売を記念して竜騎士07氏を始めとする関係者からのコメントを掲載!_10

ひぐらしのなく頃に粋
メーカー 加賀クリエイト
対応機種 PS3プレイステーション3 / PSVPlayStation Vita
発売日 2015年3月12日発売
価格 プレイステーション Vita版は6980円[税抜](7538円[税込])、ダウンロード版は6000円[税抜](6480円[税込])、プレイステーション3版は7980円[税抜](8618円[税込])、ダウンロード版は7000円[税抜](7560円[税込])
ジャンル アドベンチャー