ゲームストリーミングも可能に

Windows 10とXbox Oneの連携のカギを握る“Xbox App”をひと足早く体験【GDC 2015】_05
▲リチャード・アービング氏。

 2015年3月2日~6日(現地時間)、サンフランシスコ・モスコーニセンターにて、ゲームクリエイターを対象とした世界最大規模のカンファレンス、GDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)2015が開催。会期中に、バックヤードにて行われたマイクロソフト主催によるプレゼンテーションに参加する機会があった。見せてもらったのは、この3月に実装されるXbox OneおよびXbox Liveのアップデートの初期プレビュー。プレゼンテーションは、プリンシパル・グループ・プログラム・マネージャのリチャード・アービング氏が担当してくれた。

 今回紹介されたのは、この1月に公開されたXbox Appに関する情報だ。Xbox Appとは、Windows 10とXbox Oneとの連携を主眼において開発された機能。先日のフィル・スペンサー氏の講演では、今後はWindows 10とXbox Oneとの連携が強化されていくことが明確にされていたが、両デバイスの橋渡しをするための、キーとなる機能と言える。

 プレゼンテーションでは、Windows 10で起動するXbox Appが紹介された。アービング氏によると、「Windows 10でXbox Appを使う際は、キーボードやマウスなど、PCの入力機器のよい点を活かして使えるようにしています。Windows 10用に最適化されているんですね。ユーザーインターフェースの密度も濃くなっていますよ」とのこと。

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 Windows 10用のXbox Appのインターフェースを見ると、左側はベーシック・ナビゲーションやゲーマー・プロフィール、右側にはフレンドリストがあるのが確認できる。フレンドリストはマウスでスクロールできるようになっている。フレンドの推薦機能は、リクエストがあった相手が表示されるシンプルなものから、ゲームをいっしょにプレイしたことで推薦されるリストなど、多岐に渡っているとのこと。また、Xbox Appでは、フレンドの活動も見えるので、“いいね”をつけたり、コメントを送ることもできる。いまの時流の流れとして、コミュニティー要素の強化は、重点課題と言えるのだろう。

 ちなみに、Xbox Liveでは、この2月に“VIP”というフィーチャーを導入したらしい。こちらは、Xbox Live コミュニティーでゲームに関するソーシャルな活動をしていた人たちを指すらしい。

 Xbox Appでは、もちろんゲームDVRも楽しめる。「ゲームDVRは非常に重要なフィーチャーで、これまで10億クリップが録音されました。これをPCで使えるんです」とアービング氏。ゲームDVRにおける、“Xbox App機能のよいところ”として強調されたのが、Xbox Oneで録画した動画を、PCにMP4ファイルとしてダウンロードできること。その動画を好きなビデオエディターを使って編集し、ソーシャルネットワークで共有することもできるという。

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 マイクロソフトでは、Windows 10をゲームファンにとってより充実したものとするために、Windows 10で提供されるすべてのゲームにゲームDVRを提供するとのこと。たとえば、Steamで配信されたタイトルなども、ゲームDVRで録画できるようだ。プレゼンでは、Steam版『Goat Simulator』をゲームDVRで録画するデモが披露された。ちなみに、Windows 10で録画した動画を、Xbox Oneで見られるようにするかどうかに関しては、ただいまポリシー(規約)を設定している最中とのこと。やはり版権などの課題もあるようだ。

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 Xbox Appの機能の目玉のひとつとして挙げられていたのが、SmartGlassとの連携。とくにゲームストリーミングだ。Xbox Appでは、ホームネットワークにつながっていれば、Xbox OneからWindows 10へのゲームストリーミングが可能になる。たとえば、タブレットなどを駆使して、違う部屋にいながらも、リビングのXbox Oneをストリーミングで遊べるのだ。プレゼンテーションでは、実際に『Sunset Overdrive』を使用してのデモが披露されたが、タブレットで再生された映像のクオリティーも本家とさほど遜色なく、レイテンシーもあまり実感することがなかった。ビジュアルの再現度やレイテンシーは、マイクロソフトも非常に重要視しており、ストリーミング用の専用ツールを作った模様。披露してもらったバージョンは、まだまだ初期のビルドで、理想のレイテンシーではないとのことで、さらなる改善が施されるとのことだ。ちなみに、このゲームストリーミングは、3月のアップデートでは実装されないらしい。

 と、ここまで書いてきて慌てて補足すると、皆さんご存じの通り、Windows 10はまだリリースされていない(提供時期の正式アナウンスは2015年)。つまり“3月にアップデートされる”といっても、その機能を実際に確認できるのは、Windows 10リリース後となるのだ。今回は、“Windows 10とXbox Oneが連携することで、こんな機能も使えるようになる”ということで、ご参考にいただければと思う。大切なのは、Windows 10とXbox One&Xbox Liveのアップデート周期が同時になったらしいということで、すでにバックヤードでは連携が着々と進んでいるようだ。

 ちなみに、いま“Windows Insider Program”に登録すれば、Windows 10のテクニカルプレビューが体験できる。まずはXbox Appを確かめたいという方は、この“Windows Insider Program”に登録するといいかも。