3人のキーマンが『リベレーションズ2』を語りまくる!

 2015年2月12日発売の週刊ファミ通では、エピソディック配信版の配信開始日が2015年2月25日、ディスク版の発売日が2015年3月19日に予定されている『バイオハザード リベレーションズ2』(以下、『リベレーションズ2』)の情報を掲載した。エピソディック配信やふたつの視点で進む物語など、新たな見せかたにも挑戦している本作。ここでは、カットシーンディレクターの山口雄大氏、シナリオの佐藤大氏、そしてプロデューサー・岡部眞輝氏が3人それぞれの視点で本作の魅力を語る!

山口雄大氏 (文中では山口
 映画監督として『地獄甲子園』、『魁!!クロマティ高校』など、多数の映画やテレビドラマを制作。ゲーム作品では『KILLER IS DEAD』や『ロリポップチェーンソー』などでカットシーンの演出を手掛ける。

佐藤大氏 (文中では佐藤
 前作『リベレーションズ』からシナリオを担当。『カウボーイビバップ』、『攻殻機動隊 STANDALONE COMPLEX』、『東のエデン』、『スペース☆ダンディ』など、多数の作品を手掛けた。

岡部眞輝氏 (文中では岡部
 『バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ』より、同シリーズに携わる。『リベレーションズ2』では、プロデューサーとして活躍。

『バイオハザード リベレーションズ2』開発陣スペシャル鼎談完全版_01
▲カットシーンディレクター・山口雄大氏(左)、シナリオ・佐藤大氏(中央)、そしてプロデューサー・岡部眞輝氏(右)。

『バイオハザード』シリーズは3人にとってどんな存在?

岡部 初代『バイオハザード』が発売された当時は、いちユーザーとして夢中になって遊んでいました。『リベレーションズ2』には、安保(安保康弘氏。『リベレーションズ2』のディレクター)を始め、第1作から関わっているスタッフが参加しているので、あらゆる面から『バイオハザード』らしさが滲み出ている作品に仕上がっていると思います。
佐藤 僕も『バイオハザード』シリーズの大ファンで、とくに1作目は衝撃的でしたね。もともとゾンビ映画が大好きだったんですけど、ゾンビファンにとっての1990年代は冬の時代といいますか、ゾンビを扱った映画が少なくて……。そんな中で突然、サバイバルホラーというジャンルのゲーム『バイオハザード』が登場したので、僕にとってはまさに“最後の砦”のような存在でした。
岡部 いまはゾンビものの海外ドラマも流行っていますが、1990年代は少なかったですね。
佐藤 いまほどのブームではないころは、ゾンビ映画は日陰者が楽しむ趣味のひとつでしたね。ゾンビと名がついていれば、全部買うし全部観る。内容がダメでもいいんですよ。
山口 1970年代の映画は『スター・ウォーズ』を選ぶか、『ゾンビ』を選ぶかで、その後の人生が変わるターニングポイントでした。1980年代なら、『E.T.』か『遊星からの物体X』ですね。僕は『ゾンビ』と『物体X』を選んじゃった。
岡部 見事に一般受けするほうと逆に行っていますね(笑)。
山口 そして1990年代、初代『バイオハザード』発売当時はプレイステーションを持っていなかったのですが、どうしても『バイオハザード』を遊びたかったので、毎日友だちの家に行ってプレイしていました(笑)。佐藤さんも“冬の時代”と言われましたが、映画やテレビの後押しもない中でいきなり出てきて、あれだけブームを巻き起こしたのには驚きましたね。さらには、映画界にまで再びゾンビブームを到来させた、本シリーズの功績はものすごいですよ。そんな『バイオハザード』シリーズで、しかも“原点回帰”がテーマの『リベレーションズ2』に関わることができて、本当にうれしく思っています。
岡部 他作品のCGカットシーンで白組さんと仕事をしていたときに、『リベレーションズ2』の監督として山口さんを紹介していただきました。山口さんはこれまでもゲームのカットシーンを演出されているという話も聞いていましたので、今回「ぜひ!」という流れになったんですよね。
山口 僕がこれまで監督した映画のラインアップから、「なんでこの人が『バイオハザード』を?」と思われる方もいるかもしれませんが、僕にはコメディー路線ではない、別のベクトルもあるんですよ(笑)。もともと、北村 龍平監督にいっしょに映画作りをしていた時期もあり、映画のストーリーボードを書いていたこともあったので、ハリウッド映画風のアクションやホラーを思考するベクトルですね。『ロリポップチェーンソー』や『KILLER IS DEAD(キラー イズ デッド)』のカットシーンで仕事をしていたとき、僕のこのベクトルを白組さんに理解していただけたのが、推薦してもらえたきっかけなんです。
岡部 『バイオハザード』は映像的にハリウッド映画寄りですからね。
山口 日本で(実写の)映画を作っていると、ハリウッド映画のような発想をしてもできないんですよ。ふだん、そんな映画ばかり観ているので。誰が恋した、愛した、といった作品は観たくない(笑)。でも、フルCGのゲームなら、ハリウッド映画的な演出ができるので、作っていて楽しくてしょうがない。
佐藤 僕は前作『リベレーションズ』からシナリオを担当しましたが、『リベレーションズ2』は、『ディジェネレーション』(『バイオハザード ディジェネレーション』。2008年に公開されたフルCG映画)がナンバリング作とつながりのある作品なので、その設定を活かしました。クレアが主人公としてゲームに登場するのは15年ぶりということもあり、話の取っかかりとして、CG映画内で描かれた要素をどう盛り込むか考えたり。
岡部 今回はクレア以外に、バリーやモイラも登場しますからね。
佐藤 お話をいただいた時点で、大まかな登場キャラクターはすでに決まっていました。舞台は孤島、クレアがプレイヤーキャラクターということで、『バイオハザード コード:ベロニカ』の雰囲気をイメージしながら、『リレーションズ2』のコンセプトにストーリーを落とし込んでいった感じです。モイラに関しては、以前から同シリーズにおけるキャラクターの平均年齢が高くなってきたことが気になっていたので(笑)、新たに20代のヒロインを描くという狙いもありました。

『バイオハザード リベレーションズ2』開発陣スペシャル鼎談完全版_02