歌い手の想いと作品のメッセージが見事にリンクした『Faith』

 2015年2月19日に発売された、バンダイナムコゲームスが贈るマルチプレイアクション『GOD EATER 2 RAGE BURST(ゴッドイータ−2 レイジバースト)』。本作のエンディングテーマを歌うMay J.と、同作のプロデューサーである富澤祐介氏の対談が実現。その模様をお届けする。(週刊ファミ通2月26日増刊号掲載分)

『ゴッドイーター2 レイジバースト』のエンディング曲を歌うMay J.と富澤祐介プロデューサーのスペシャル対談_03

――まずは、May J.さんが『レイジバースト』のエンディングテーマを担当することになった経緯についてお聞かせください。

富澤 私のほうから直接「ぜひ、May J.さんにお願いできないか」とご相談させていただきました。

――なぜMay J.さんだったのでしょうか?

富澤 May J.さんは『Believe』という曲をカバーされているのですが、僕はその曲が大好きだったんです。『Believe』は合唱曲で、高校生のときにみんなで歌いましたし、あと、一時期合唱のゲームを作りたいと思っていたことがあって、合唱の曲をたくさん聴いたのですが、その中でも『Believe』はお気に入りで。そんな『Believe』を、たまたま街で耳にしたんです。「おお、『Believe』じゃん! うまいなあ」と思って、誰が歌っているのか調べてみたら、May J.さんだったと。僕のごく個人的なところから、May J.さんの歌に興味を持ったわけです。

――それでオファーしてみようと。

富澤 今回の『レイジバースト』の世界観を、エンディングで誰にどう表現してもらうのがいいんだろうということを改めて考えたとき、『Believe』のような雰囲気であったり、想いを強く表現できるMay J.さんに歌っていただけたら、それはすばらしいだろうなと思い、ダメもとでお願いさせていただきました。

May J. そんな出会いから、こうやってお話をいただけたというのは、とてもうれしいですね。『Believe』は、私も小学生のときに歌った思い出の曲なので。

富澤 非常にポピュラーな曲なので、知っている方も多いと思います。我々のように少し世代が違うどうしでも共通項や出会いのきっかけになる。これも歌の力ですよね。

――May J.さんは、オファーが来たときは、どんなお気持ちでしたか?

May J. うれしかったですね。じつは、今回のエンディングテーマ『Faith』という曲をレコーディングしたとき、エンジニアさんが『ゴッドイーター』ファンだったんです。『ゴッドイーター』のファンって世界中にいて、そんな人気のゲームのエンディングテーマを歌わせていただける。しかも、クリアーして最後のいちばん高まったところで自分の歌声が流れるわけですから。

――その『Faith』ですが、歌唱だけではなく、英語の作詞もMay J.さんが手掛けられているんですよね?

May J. 最初、歌詞は日本語なのかなって勝手なイメージがあったんです。後で英語詞ということがわかり、「やった!」って思いましたね。ぜひ歌詞も書きたいと提案させていただきました。

富澤 今回、エンディングの盛り上がりにふさわしい曲が先に完成していて、さて歌詞をどうしようということになったわけですが、まさかMay J.さんに書いていただけるなんて、想定もしていなかったんです。『レイジバースト』は、オープニングも英語詞だったり、クールな雰囲気を意識しています。また、日本だけではなく、アジアなどいろいろな地域で『ゴッドイーター』を好きでいてくださる方がいるので、エンディングも英語詞でいくことは決まっていました。

May J. もう、すぐに書きましたね。

富澤 「え? もう上がってきたんですか!?」というくらいで(笑)。

May J. 今回の歌詞は、私もすごく共感できるテーマだったんです。いろいろな困難がある中でも、諦めずにもう一度立ち上がって前に進んでいこうという、私自身がつねにそういう気持ちで歌を歌わせていただいているので。私がMay J.として伝えたいメッセージと、『ゴッドイーター』のメッセージがすごくリンクしている気がして、スラスラ書けました。

富澤 主人公たちは前作で辛い経験をして、「今度こそ!」という強い想いを持って挑む物語の最後のところなので、そういう感情を歌にできたらなと相談させていただいていたんです。まさに、ぴったりな歌詞が上がってきたなという感じです。歌詞にある「雨の中も長い夜でも乗り越えられる(日本語訳)」というのは、ゲームのキーワードにも合致して、そういうモチーフレベルでもしっかりとハマった感じです。

May J. ゲームの世界観をイメージしながら、いま自分はすごく遠いところにひとりでいて、目標は先にあるんだけど、帰ることもできない、進むこともできないみたいな状況からスタートしています。

――歌うときは、どのような気持ちを込めたのでしょうか?

May J. どん底の心境から、徐々に自分の気持ちを奮い立てて、前へ突き進んでいくという変化を出せるように、最初は暗い気持ちで歌いましたね(笑)。そして、曲の終盤の盛り上がりきったところで、また最初の切なさを少し残しているんです。もう一度聴きたい、また遊びたいって思っていただけるように。

――レコーディングは順調でしたか?

May J. 自分で作詞したこともあって、すごくスムーズでした。エンジニアさんもゲーマーだったので、「『ゴッドイーター』っぽい?」って聞いたりしながら(笑)。

――完成した曲を聴いて、富澤さんはどんな印象でしたか?

富澤 だんだんと盛り上がっていくという展開は、エンディングというゲーム内の立ち位置にもすごくハマっていました。当初は、曲の全パートを使うべきかどうかはご相談かなと思っていたのですが、完成したものを聴いたら、これは全部使わせてくださいと。クリアー後のほどよい脱力感から始まり、これまでの道のりを振り返って主人公とリンクした感情を抱いてもらうには、この展開ごとお届けするのがベストだと思いました。そのため、ゲーム内ではフル尺で収録しています。

――それは楽しみです。最後にMay J.さんから、プレイヤーに向けてメッセージをお願いします!

May J. 皆さんが困難にぶち当たったとき、自分の歩んできた道、助けてくれた人たちのことを思い浮かべて、目標に向かって背中を押してくれる曲になってくれるといいなと思っています。ぜひ、ゲームをクリアーして聞いていただければと思います。

『ゴッドイーター2 レイジバースト』のエンディング曲を歌うMay J.と富澤祐介プロデューサーのスペシャル対談_02
▲May J.。日本、イラン、トルコ、ロシア、スペイン、イギリスのバックグラウンドを持ち、多彩な言語を操るマルチリンガルアーティスト。2014年公開のディズニー映画『アナと雪の女王』の日本版主題歌を担当し、その人気を不動のものとした。

『ゴッドイーター2 レイジバースト』のエンディング曲を歌うMay J.と富澤祐介プロデューサーのスペシャル対談_01

7th Single
ReBirthGOD EATER 2 RAGE BURST Edition
2月25日発売予定 価格:1000円[税抜](1080円[税込])
1. Faith 『GOD EATER 2 RAGE BURST』エンディングテーマ曲
2. ふたりのまほう 『ガンダム Gのレコンギスタ』新オープニング曲