ピカチュウ姿の原田氏を直撃!

 2015年2月13日~14日、千葉県の幕張メッセにて、アーケードゲームの展示会である“ジャパン アミューズメント エキスポ 2015”(以下、JAEPO)が開催。バンダイナムコゲームスブースには、2015年2月18日より先行稼動予定の3D対戦格闘ゲーム『鉄拳7』と、2015年夏に稼動予定の3Dバトルアクションゲーム『ポッ拳 POKKEN TOURNAMENT』(以下、『ポッ拳』)が出展されている。この2タイトルの開発のキーマンである原田勝弘氏(バンダイナムコゲームス)に会場で直撃したぞ。

『鉄拳7』&『ポッ拳 POKKEN TOURNAMENT』についてバンダイナムコゲームスの原田勝弘氏に直撃!【JAEPO 2015】_01
『ポッ拳』のステージイベントを終えたばかりなので、ピカチュウ姿の原田氏。

――まずは先行稼動直前の『鉄拳7』ですが、JAEPOではラッキークロエとシャヒーンというふたりの新キャラクターが初プレイアブルとなっています。それぞれの特徴を教えていただけますか?

原田勝弘氏(以下、原田) ラッキークロエは、発表したときに世界中から「『鉄拳』ぽくない」という驚きの声が多かったんです。開発としては、見た目的にも操作感覚的にも、これまでの『鉄拳』にはいなかったキャラクターを目指したので、そのあたりは狙い通りでした。

――確かに、見た目的にはこれまでの『鉄拳』シリーズにいなかったキャラクターですね。操作感覚も斬新なものになっているのですか?

原田 はい。ストリートダンスや少しカポエラっぽい動きも加わっている、オリジナルの格闘スタイルで戦います。ダンスらしくトリッキーな動きをしますよ。たとえば、キックボタンをテンポよく押すことによって、ステップを踏みながら下段攻撃をくり出したり、そこから背を向けての連携攻撃を仕掛けて相手を翻弄することができます。また、“レイジアーツ”(超威力の必殺技)も特徴的です。レイジアーツを決めると、ド派手な演出とともに攻撃をくり出すのですが、攻撃に合わせて「タンタンタン」とタイミングよくボタンを押すと、フィニッシュの演出が変わって大ダメージを与えられるんです。タイミングよく押せたかどうかによって、演出と威力が3段階に変化します。

――“ダンスのリズムの要素”が取り入れられているんですね。

原田 そうですね。ラッキークロエは扱いやすいけど、そういった奥深い遊びもできるようになっています。『鉄拳7』から始めるという人にオススメです。

――では、シャヒーンはいかがでしょうか?

原田 近年、若い人を中心に中東での人気が上がってきたので出したサウジアラビア出身のキャラクターです。一部に、「過去に『鉄拳』を大量発注しようとした石油王がいるから出したんじゃないか?」と噂する人もいますが、まったくそんなことはありません。利権はいっさいないです(笑)。

――そんな石油王がいたんですか!?

原田 オファーは実際にあったんですが、とてもじゃないけど僕らの生産能力が追い付かないので、「家庭用が出るのでそちらで遊んでください」と(笑)。本当に中東で『鉄拳』が人気だからということと、いままでの『鉄拳』シリーズにいないタイプのキャラクターを出そうということで入れました。

――確かに中東系のキャラクターはいませんでしたね。

原田 じつは6年くらい前、『6』が終わったあとくらいですね。そのころから中東系のキャラクターを出す予定はあったんですけど、なかなかうまく表現できなかったんです。そこで今回は、サウジアラビアからの留学生に手伝ってもらってようやく実現できました。

――なるほど。ではバトルスタイルのほうはどういった特徴があるのでしょうか?

原田 ファイティングスタイルは独特ですよ。レバーを右下に2回入力すると、特殊なステップを出すことができます。そこから下段や中段、タックルによる投げを仕掛けられるので、かなり強力です。守る側は積極的に技を出してステップを潰していく必要があるため、ガードばかりではきびしいと思います。

――攻めが強いキャラクターなのでしょうか?

原田 そうですね。スライディングもありますし、油断していると何が来るかわからないのでシャヒーンの攻めは怖いと思いますよ。空中コンボも、単純に相手を浮かせて追撃を入れるものだけではなく、“スライディングから相手を拾い直す”だとか、これまでにない形のコンボができます。使い初めはピンとこないかもしれませんが、使い込んでくるとおもしろさがわかってくるので、初心者だけではなく玄人も楽しめるキャラクターですね。

――ではつぎに『ポッ拳』ですが、稼動時期が2015年夏に決定いたしました。

原田 日本人の言う夏がどこからどこまでなのかという問題もあるのですが、「これが夏かよ!」というようなことにはしません。みなさんが想像しているような夏にバッチリ出せるようにします。

――『ポケモン』ファンは若い学生も多いと思うので、夏休みにプレイできるとうれしいと思うのですが……。

原田 それがベストですからね。しっかりと考慮しています。

――夏に向けて登場ポケモンも増えていくのでしょうか?

原田 もちろんです。いま発表されているポケモンよりももっと増えます。また、『鉄拳7』が店舗間通信対戦が可能ということで話題になりましたが、何気に『ポッ拳』も店舗間通信対戦に対応しています。実際に先日行ったロケテストでは、東京と大阪で通信対戦を行いました。そのとき、「隣の人と対戦しているのかと思いました」という声がプレイヤーからあがるくらい自然に対戦できる仕上がりになっています。また、ゲームの操作がレバーとボタンではなく、パッドを使っているので、ゲームセンターに来たことがないという人でも安心して遊べると思います。それにパッドはお店の人がメンテナンスしやすいように耐久度があって、さらに抗菌タイプの素材を使っています(笑)。

――ゲームセンターに慣れていないプレイヤーからしても、お店の人からしてもうれしい仕様ですね。では最後にファンへのメッセージをいただけますか?

原田 『鉄拳7』はシリーズをプレイされているコアな人も含めて、これからデビューするという人にもできるだけわかりやすく、そして見ている人も盛り上げれるような仕組みをいっぱい入れてあります。一方の『ポッ拳』は、もう格闘ゲームではありません。やってもらえばわかるのですが、“上段”、“中段”、“下段”などといった格闘ゲーム的なシビアな要素はありません。「これなら僕でもできる」と誰もが思ってもらえるようなバトルアクションゲームになっています。操作は難しくないので、誰もが対戦の駆け引きを楽しめると思います。ぜひ1度プレイしてみてください。