まずは日本で先行発売 パッケージ版のリリースも予定
台北ゲームショウ2015の会期に合わせて、プレイステーション4版『Weapons of Mythology(ウェポンズオブミソロジー)』(以下、『WoM』)の発表会が行われた。そもそも『WoM』は、台湾のGamemag Interactive開発による基本プレイ料金無料のMMORPG。華麗なファンタジーの世界を舞台に、“レリックシステム”による多彩な戦闘や、豊富で奥深い防具システムなどが堪能できる意欲作。高スペックのプレイ環境を必要とせず、手持ちのノートPCなどで快適にプレイできるのが大きな特徴だ。日本では、ライオンズフィルムが運営を行っており、まずはPC版の正式サービスが、2014年12月にスタート。この初夏にも、プレイステーション4版のリリースを予定している。今回の発表会は、同作のプレイステーション4版を取材陣にいち早くお披露目することを目的に開催されたものだ。
発表会には、日本国内で『WoM』の運営を担当するライオンズフィルム 代表取締役社長 森健志氏も出席。「『WoM』を、当社の戦略とするクロスプラットフォームタイトルとして、Gamemag Interactiveさんといっしょにプレイステーション4で展開できることを光栄に思います」とあいさつした。森氏は、キューエンタテインメント在籍時に、PCとプレイステーション3向けに『AngelLoveOnline(エンジェルラブオンライン)』を展開して成功させた実績を持つ。ライオンズフィルムによる“クロスプラットフォーム戦略”は、そんな森氏のゲーム開発へのスタンスが凝縮された方針と言えるのだろう。
発表会では、Gamemag Interactiveのディレクター周榮(キャスパー・チョウ)氏が登壇。同社がプレイステーション4でMMORPGを展開することの利点として、“MMORPGの開発経験がある”、“家庭用ゲーム機向けソフトの開発技術を持っている”、“市場の可能性”の3つを挙げた。とくに強調したのが、“市場の可能性”つまり、プレイステーション4というハードの可能性。「プレイステーション4は、現時点でワールドワイドでの販売実績が1850万台以上と、膨大なユーザーを持ちながらも、MMORPGのタイトルは10本以下です。そういう意味では、MMORPGを求めるプレイステーション4ユーザーのニーズは、まだ満たされていないんです」と説明した。
続けて周氏は、『WoM』のプレイステーション4版の魅力として、「ひとつめが“簡単で直感的な操作”。皆さんご存じの通り、プレイステーション4とPCとでは、操作性がかなり異なっています。私たちは、MMORPGと家庭用ゲーム機での開発ノウハウを活かして、両者を融合させて、皆さんに手軽で楽しく操作できるタイトルをお届けしたいと思っていました。ふたつめがプレイステーション4のマシンスペックに合わせた、“ハイクオリティーのビジュアル”。そして3つめが“プレイステーション4とPCとのデータ連動”です」という3点を紹介した。
ここからは、Gamemag Interactiveのプロデューサー黄仁賢(サミュエル・ハン)氏にバトンタッチ。プレイステーション4版の実機によるデモプレイが披露された。デモでは、MMORPGならではの多岐に渡るユーザーインターフェース(UI)をひとつのツールバーに収めるなど、プレイステーション4版ならではの機能が紹介。とくに取材陣の注目を集めたのは、プレイステーション4コントローラーのタッチパッドへの対応。「タッチパッドにより、プレイヤーの皆さんになじみ深いスマートフォンのような操作で、MMORPGにおける大量の操作系の問題を解消してくれます」と黄氏。
デモでは、プレイステーション4とPCとのクロスプラットフォームプレイも実現。PvsPや「『WoM』の大きな特徴です」(黄氏)というボス戦などが披露された。
にしても驚くべきは、Gamemag Interactiveの高い技術力。今回紹介されたプレイステーション4版のプロトタイプの制作期間は、なんと4ヵ月(!)。「正直、ここまでできているとは驚いています。じつは、もうちょっとしょぼいと思っていたんですけどね(笑)」と、森氏も素直に感嘆していた。
デモプレイの後に行われた質疑応答では、『WoM』に関する興味深いやり取りが交わされた。以下、箇条書きなってしまうが、その内容をお届けしよう。
・プレイステーション4版のボイスチャット機能は実装できるようにがんばる。PCとプレイステーション4のボイスチャット機能も検討する。
・プレイステーション4のシェア機能への対応は検討中。
・プレイステーション4版のクライアントのサイズは、デモバージョンの段階で6ギガ。リリース時には4ギガにしたい。
・開発体制は、すでにプレイステーション4版を開発してからPC版へ移植するという体制に移行している。理由は、そのほうが開発がスムーズに進むから。
・プレイステーション4版は、キーボード&マウスでの操作に対応する。
・PC版も、プレイステーション4版のリリース以降、コントローラーでの操作に対応予定。
ちなみに、森氏によると、『WoM』はパッケージ版のリリースも検討しているらしい。しかも、「おもしろい取り組みをする予定でいます」(森氏)とのことだ。
以下、発表会に合わせて公開された、プレイステーション4版『WoM』の最新画面をどうぞ!