e-sportsの未来に関わる深い話に発展
2015年1月31日、闘会議2015のゲーム実況ストリート・e-sportsブースでは、オンラインFPS『バトルフィールド4』のエキシビションマッチが開催。実力派チームのDetonatioN BYCMとMBFが白熱のバトルをくり広げた。
試合の合間には、e-sportsに関するトークセッションを実施。今回のエキシビションマッチ出場チームのキーマン3人が、ゲーミングチームのあり方について熱く語り合った。
※エキシビションマッチの模様はこちらの記事を参照
これが最強チームの実力だ! 『バトルフィールド4』の強豪チームがエキシビションマッチで激突!【闘会議2015】
【トークセッション登壇者】
トークセッションに参加したのは、LGraN氏(DetonatioN CEO)、DustelBox氏(DetonatioN BYCM)、montar氏(MBF代表)の3人。“DetonatioN”は複数の企業からサポートを受けるゲーミングチームで、“DetonatioN BYCM”はその中の『バトルフィールド4』部門にあたる。“MBF”は国内外の試合に積極的に参加する『バトルフィールド』クランだ。
トークの内容はe-sportsに対する認識や海外の大会事情など広範囲に及んだが、なかでも興味深かったのは組織作りについてだ。
チームを運営するLGraN氏やmontar氏にとって、選手のモチベーションを維持するのはとても大切なこと。『バトルフィールド4』はヨーロッパ圏で大規模な大会が開催されており、大会出場などの遠征が実現すれば士気向上につながるだろう。LGraN氏はDetonatioN BYCMとして2015年中のヨーロッパ遠征を検討中だと語った。
とはいえ、資金繰りがたいへんだ。仮に1週間滞在するとなると、ひとりあたり数十万円はかかってしまう。DetonatioNが企業からサポートを受けるチームだとはいえ、そんなにすぐに出資してもらえるとは思えない。それでもLGraN氏は遠征は可能であると確信しているようだった。
トッププレイヤーならゲームで食べていくことも可能?
LGraN氏はトッププレイヤーならゲームで生活できるとも考えているようだ。DetonatioN BYCMは『バトルフィールド4』でアジアNo.1の座に輝いたことがある。このまま実力を伸ばして世界一になれば、企業からより大きな支援を受けられるだろう。そこからはLGraN氏の手腕の見せどころである。
加えて、LGraN氏はスポーツ業界を悩ませるセカンドキャリア問題についても切り込んでいるらしい。スポーツ選手の多くは引退後に一般的な仕事に就くが、年齢やキャリア的に再就職が難しいこともある。そこで、LGraN氏はいくつかの企業と引退後の就業支援について相談を重ね、すでに2社から内諾を得ているとのこと。
LGraN氏の行動はもとより、そこまで手厚くフォローする企業があることにも驚かされる。ビジネス的な観点からしても、トッププレイヤーには広告塔として十分な価値があるということだろうか。
プレイ環境をサポートしてもらい、就職口まで面倒を見てもらうからには、ゲームがうまいだけではだめだ。ゲーミングチームのマネージャーの役割は、多数のスポンサーを引き入れてチームを大きくすることだけではない。きちんとした人間に成長できるように、大人としてプレイヤーたちを導くことも大切である。DetonatioNの今後の動向に注目したい。