『戦国BASARA』シリーズのキーマンに聞く! “皇”に込められた思い

 2015年1月22日発売の週刊ファミ通では、『戦国BASARA4 皇(スメラギ)』(以下、『皇』)の情報を掲載した。同記事内では、『戦国BASARA』シリーズのキーマンである、小林裕幸氏と山本真氏にインタビューを実施。タイトルの“皇”に込めた思いや、新武将や新システムを実装した経緯、他作品とのコラボの誕生秘話などをうかがった。貴重な情報が満載なので、最後までチェックせよ!

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▲『戦国BASARA』シリーズディレクター・山本真氏(写真左・文中では山本)と、シリーズプロデューサー・小林裕幸氏(写真右・文中では小林)。

足利義輝は圧倒的な強さ!?

――タイトルの“皇”には、どういった意味が込められているのでしょうか?

山本 物語のメインとなるのが足利義輝ですし、壮大さを出したかったので、タイトルには“皇(おう)”を和風っぽく読んだ、“皇(すめらぎ)”を選びました。
小林 ただ、今回は久しぶりに難航しまして(苦笑)。いまではしっくり感じているのですが、ほかにも候補がありまして、ロゴが完成した後もアレコレ悩んでいましたが、最終的に納得のいくタイトルになりました。
山本 メインのキャラクター武将が足利義輝なので、“皇”の字にカッコいい読みをあててみたんです。

――足利義輝は、前作での敵武将からプレイヤー武将になりましたね。

小林 満を持してになりますが、義輝はシリーズ最強の敵武将だったので、操作したかったファンの方は多いと思います。
山本 義輝はプレイヤー武将として見ると、少し強すぎる気もしましたが、圧倒的な力を体験してもらうのもおもしろいかなと思い、プレイヤー武将にしました。
小林 義輝は『戦国BASARA4』(以下、『4』)のときからディーラーのイメージが強いので、ルーレット技が特徴のキャラクターとなりました。
山本 ちなみに義輝の属性は“震”です。文字通り地面を割ったり、パワーのあるキャラクターです。

――公開されているワンシーンでも、伊達政宗たちを引き連れているように見える場面がすごいインパクトですね。

山本 「これってどういうこと?」と、皆さんが驚くシーンは多いです。

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新武将は日本を代表する茶人!?

――新武将が千利休とは驚きました。

小林 まだシリーズに出ていない実在の武将を差し置いて、武将ではない利休が登場ですからね(笑)。
山本 もちろん、武将でも考えたのですが、戦国に影響を与えた人物は誰だろうと考えたときに、千利休はおもしろいのではないかと思いまして。千利休なら知名度が高く、秀吉と絡んだ物語も描けますから。

――千利休の二重人格や、サイキッカーといった設定は、どのようにして生まれたのですか?

山本 “侘び寂び”という言葉から、二重人格にしたらおもしろいのではないかと思いました。戦闘スタイルを変えるのは島左近ですでに実装していますが、千利休はくり出す技で人格が入れ換わります。温和なワビ助は敵を突き放す技、好戦的なサビ助は敵を引き寄せる技が多いのですが、その駆け引きを不思議な力に結びつけて、サイキッカーにしました。また、史実では“金”に関するエピソードが多いため、金髪にしています。
小林 浮かせた敵を団子状にくっつけて、地面に叩きつけるといったアクションが気持ちいいですよ。使いこなすほどおもしろくなってくる武将だと思いますよ。
山本 ちなみに、利休の属性は“感”と呼ばれる新しい属性です。

――なるほど。『4』の敵武将だった京極マリアは、プレイヤー武将への昇格になりますね。

小林 マリアは敵武将のときと同じく、布を使って戦うのですが、敵を使って遊んでいるような、既存の武将とはひと味違ったアクションが楽しめると思います。
山本 敵をコマやポールにして遊んだり、乗り物にしてしまいますから。敵を存分に弄んでください(笑)。
小林 マリアは通常の移動モーションがスキップなんですよ。とても戦をしているようには見えない(笑)。
山本 マリア本人にとっては、戦も遊びのひとつなんですよね。

――かなりシュールな光景ですね(笑)。ちなみに本作でのプレイヤー武将は何人くらいいるのでしょう?

小林 シリーズ最多の40人です。第1報で紹介した3人以外の詳細は、続報をお待ちください。

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戦闘を進化させる合戦ルーレット

――新システムの合戦ルーレットを実装した経緯について教えていただけますでしょうか。

山本 『皇』には、新プレイヤー武将や新しいシナリオなどを加えていますが、それらとは別にゲーム全体を通して体感したり、楽しめるようなものを作りたいと思い、合戦ルーレットを考えました。今回は爆弾兵と暁丸を紹介していますが、変身できる姿はこれらのほかにも用意していますし、同じ色の目でも多彩な変化が起きるようにしています。
小林 合戦ルーレットを実装したことにより、『4』とは違うものになりました。敵を倒す楽しみのほかに、天貨メダルを集める楽しさが新たに加わっている点もポイントです。

――開発中のバージョンを試遊した際、運よく大当たりが出たのですが、画面いっぱいに天貨メダルが出現する演出は気持ちいいですね!

山本 天貨メダルを集める気持ちよさは、ぜひ本作をプレイして味わってもらいたいです。天貨メダルと交換できる景品も、167種類用意しています。商品のコンプリートを目指す楽しみもありますので、天貨メダルをたくさん集めてすべての景品をコレクションしてください。

――167種類もあるんですか!? ちなみにルーレットの出目はどれを狙えばいいのでしょうか?

小林 ざっくり言いますと、黒の出目は変身する効果、赤の出目は天貨メダルが出現する効果になっています。どちらがいいかは、その場の状況によりますね。

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多彩なコラボ企画が進行中!

――『戦国BASARA』と『テイルズ オブ ゼスティリア』のコラボは、双方のファンにうれしいですね。どんな経緯で実現したのでしょうか?

小林 僕は馬場さん(馬場英雄氏。『テイルズ オブ』シリーズのプロデューサー)と親交がありまして。以前から「いつかふたつの作品でコラボしたいね」と言っていたんです。『4』のときはタイミングが合いませんでしたが、今回改めてお願いしたら馬場さんが「やろう」と言ってくれて。(編集部註:2015年1月29日発売の週刊ファミ通では、小林氏と馬場氏による対談を掲載。こちらも要チェック!)
山本 バンダイナムコゲームスさんがキャラクターを提案してくれたので、僕のほうでマッチングする武将たちを選びました。動き自体は変わっていませんが、コスチュームを再現するために通常よりも関節を増やしているんですよ。

――苦労の甲斐があって、どの武将も『テイルズ オブ ゼスティリア』のキャラクターにそっくりですよね。とくに井伊直虎は、いままでとは別人みたい(笑)。

小林 パッと見では、直虎だとわかりませんから(笑)。『テイルズ オブ』シリーズのキャラクターはデフォルメの頭身なので、リアル頭身になった姿をバンダイナムコゲームスの方たちに喜んでもらえたのはうれしかったですね。

――コラボはほかにも行うそうですが……?

山本 今回紹介した『テイルズ オブ ゼスティリア』とのコラボが第1弾として、今後第6弾まで公開予定です。意外なものとのコラボも用意していますよ。
小林 まだまだビックリする情報もたくさんあるので、お楽しみに。

――楽しみにしています! 最後に、第1報を公開したばかりのいまのお気持ちをお聞かせください。

山本 開発チームは、フル稼働で制作を続けています。『4』をプレイした方も、未プレイの方も、どちらも楽しめるものを意識しておりますので、ぜひ期待してください。
小林 ようやく発表できてうれしいです。初報を読んだ方にはお伝えできたと思いますが、“はっちゃけ感”がスゴイんです。歴史を知らない方も、アクションゲームとして楽しめるものを目指しています。アクションが得意な方にとっても、奥深さを感じていただけると思います。引き続き、さまざまな情報を出していきますので、話題にしていただけるとうれしいですね。

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戦国BASARA4 皇
メーカー カプコン
対応機種 PS4プレイステーション4 / PS3プレイステーション3
発売日 2015年夏発売予定
価格 価格未定
ジャンル アクション / 歴史
備考 シリーズプロデューサー:小林裕幸、シリーズディレクター:山本 真