マイクロソフトが1月22日未明、新OSであるWindows10のメディアブリーフィングを開催した。その特徴を端的にまとめると、PC、スマートフォン/タブレット、そして家庭用ゲーム機であるXbox Oneの垣根を越えた体験を提供すること。本稿ではゲーム関連の情報を中心に、発表会で出てきた内容をまとめてお伝えしよう。

クロスプラットフォームな“サービスとしてのWindows”を目指す

■Win7/8.1から無料アップグレード。プレビュー版は来週配信

 Windows7/8.1、およびWindows Phone 8.1のWindows10動作可能機種に対して、ローンチ後1年間、Windows10への無料アップグレードを提供する。その後のアップデートについても追加料金なく配信予定。また、開発者向けのWindows10のテックプレビュー版は来週配信される。

Windows10で広がるゲームの可能性――Win7/8.1からの無料アップグレード、Xbox Oneとの連動、ホログラフィックMinecraftなどゲーム関連情報まとめ_05

■XB1でも動く“ユニバーサルWindowsアプリ”

 この「バージョン違いをなくしていく」というテーマはユーザーだけでなく開発者側のものでもある。PC、スマートフォン/タブレット、さらにXbox OneやIoT(物のインターネット)デバイスまで共通して動作する“Universal Windows app”を開発できるようになる。

■UnityのDX12サポート対応

 またDirectX 12についても、より高速で高品質な表現が可能(と同時に電力消費も効率的)と紹介。商用ゲームエンジンのUnreal Engine 4に加え、UnityもDirectX 12をサポートすることが明かされた。

■Windows10使用者を助けるコルタナとスパルタン

 Windows10にはコンパニオン機能“Cortana”が組み込まれる。これはiOSのSiriとAndroidのGoogle Nowを組み合わせたようなアシスタント機能で、天気や予定を表示したり、使用者の検索行動や質問に反応して、求めている情報を提供してくれるというもの。

 コルタナと言えば『Halo』シリーズに登場するヒロイン、ではなくAIだが、Haloからの引用はそれだけではない。コードネーム“Project Spartan”という新Webブラウザーが搭載予定だ。
 Project Spartanは情報のシェア機能にも長けており、閲覧中のページにキーボードやタッチペンで書き込みをして友達に共有するといったことが可能。さらに“Project Spartanはコルタナのサポートが受けられ”(もちろんスパルタンは『Halo』の兵士)、前述したようにコルタナが検索行動に反応して、欲しい情報により素早くアクセスできるようにしてくれる。

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Xbox One/Liveとの融合

■キャプチャー機能Game DVRの標準実装

 Windows10でのPCゲーミングは、Xbox Oneとより近くなる。まずはXbox Oneでゲームプレイをキャプチャーする機能であるGame DVRをWindows10に標準実装。“Windowsキー+G”を押すだけで直前のゲームプレイ映像を最大30秒切り出し、カット編集してシェアすることができる。これはSteamなどのPCゲームプラットフォームでプレイするゲームも対応する。

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■The Xbox AppでXbox Liveプレイヤーと繋がる

 単にプレイ動画のシェアだけでなく、コミュニティの連動も行う。Xbox AppではPCとXboxでプレイしたゲーム情報のフィードやフレンドリスト、メッセージ(テキストチャットとボイスチャットを含む)、実績、そしてGame DVRからシェアした動画などを統合した形で表示可能だ。

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■クロスプラットフォーム&ストリーミングプレイ

 Xbox Liveとのクロスプラットフォームプレイを可能にし、Xbox Oneプレイヤーとの協力プレイや対戦が可能になる。またそのために、Xbox LiveのAPIを開発者に公開し、フルアクセス可能にする。これに合わせて、クロスプラットフォームプレイに対応した『Fable Legends』のWindows10版が発表。本作以降もMicrosoft Studiosのゲームが続々とWindows10に対応予定とのこと。

 それだけでなく、Xbox Oneのゲームを家庭内の同じネットワークにあるWindows10デバイスにストリーミングしてプレイすることができる(対応ゲームのみ。またストリーム先は一台限定)。Xbox Oneの周辺機器のWindows対応も進めていくという。

ホログラフィックゲーミングの可能性も

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 そしてサプライズ発表された、ARヘッドセット“HoloLens”のイメージ映像では、ホログラフィックな『Minecraft』をプレイする様子が。
 HoloLensはCPUやGPUを内蔵した前面シースルーのバイザー型ヘッドセットで、現実空間に3Dモデルやユーザーインターフェースをオーバーレイ表示することができるという機器。発表では企業用途をメインにしていたが、一般家庭でのゲームで使う可能性も模索されているようだ。Windows10のゲーム体験そのものというよりもHoloLensによって可能になるゲームの話だが、こちらも興味深い動きだ。

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