ふたりが考えるレトロゲームの魅力とは?
2014年12月22日、東京・つくばスタジオでネット番組“8bitBROTHERS”の収録が行われた。ここでは、現場での潜入リポートと、出演者の羽多野渉さんと佐藤拓也さんへのインタビューをお届けしよう。
8bitBROTHERSは、ゲームが大好きな八尾藤(はちびとう)兄弟こと、声優の羽多野渉さん、佐藤拓也さんが懐かしの名作ゲームを熱くプレイするという番組だ。2014年5月のスタート以降好評を博してきた本番組だが、前回配信分からリニューアル。そのリニューアルにあたって、取材にうかがったというわけだ。
今回挑戦するゲームは、セガのメガドライブ用ソフト『タントアール』。 本作は“ミニゲーム集”という新たなジャンルを確立したソフトのひとつだそうで、当時のアーケードゲームではひとつのゲームを集中 してプレイするのが当たり前だったのだが、本作では短いゲームをテンポよくプレイするという当時の常識を逆手に取った考えかたを取り入れ、誰もが楽しめる ゲームとして人気を博していたとのことだ。ちなみに、続編では『イチダントアール』、『2度あることはサンドア~ル』という、ユニークなタイトルがつけられているのが記者としてはツボだった。
ご覧になった方もいると思うが、改めて放送内容を紹介していこう。 ふたりはミニゲームがランダムでチョイスされるアーケードモードを選択し、高速で表示される4つの数字の組み合わせを6つの数字から選ぶというミニゲーム “かずのこどこどこ”などに挑戦。渉さんはこのゲームがずいぶん得意なようで、八尾藤兄弟の弟・拓也さんに解答するスキを与えずつぎつぎと正解していった。
アーケードモードの中で、ふたりがとくに苦しんだミニゲームは、“わくわくロボット工場”。多数のパーツの中から、設計図に描かれたものを探すという内容なのだが、とにかく集中力を要するようで、このゲームが選ばれるたびに拓也さんはしかめっつらをすることに……。“わくわくロボット工場”が3回も選ばれたときには、視聴者から「サンドア~ルだな」とタイトルを皮肉ったコメントが寄せられた。
ここで、番組オリジナルグッズが公開。オリジナル缶バッジ、オリジナルクリアファイル、拓也さんのほくろも再現されているラバーストラップ、ゲームソフトも入る大きさのオリジナルポーチなどの番組オリジナルグッズが、東京ビッグサイトで開催されていたコミックマーケットで販売されていたそうだ。
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ここでふたりは視聴者からのお便りを紹介。「実家に帰るとセガサターンとファミコンをひっぱり出して、『キン肉マン マッスルタッグマッチ』などをプレイします」というお便りが読まれた後、拓也さんは「実家に帰ると、父親の頭から白いものが増えていたりするんだよなあ」と、しんみりコメント。また、渉さんが視聴者の要望に応え、不思議なくねくねダンスを踊る一幕もあった。
この後は、ふたたび『タントアール』をプレイ。ふたりはフリーモードを選択し、視聴者からリクエストを受けたゲームや、まだプレイしていないゲームにチャレンジ。渉さんは相変わらず“かずのこどこどこ”が得 意な様子。なかでも渉さんがとくに気に入ったのは画面上の鳥の数を変える“必殺!ハートウォッチャブル”だったそうだ。プレイが終わった後、渉さんは「地 味なゲームが好きだったなあ」と振り返った。
一方、拓也さんはヒントから一致するパネルを選ぶ“スリーヒントパネルを探せ”や、動物が鳴いた順番を覚える“アニマルサウンドシャワー”などのゲームが苦手なようで、「アホな子だということがバレた~」と嘆くシーンも。渉さんから「顔が五木ひろしみたいになっているよ」とツッコまれてしまうほど、苦しんでいたようだ。拓也さんは、あみだくじをたどっていくゲーム“アミダーバード発進せよ!”をプレイしていて、舞台が宇宙であることから「『YAT安心!宇宙旅行』みたいだね」と懐かしのアニメを口することもあった。
ふたりが共通してお気に入りだったのは、素早く動く被写体をカメラに収める“フォトショック”。反射神経が求められるシンプルなゲームだけにふたりは夢中になれたようで、放送終了後も何度もチャレンジをしていた。
ここからは、羽多野渉さんと佐藤拓也さんへのインタビューをお届けしよう。
——おふたりが考えるレトロゲームの魅力をお教え下さい。
羽多野渉(以下、渉) この番組でレトロゲームに触れると、改めて“童心に返る”ということを感じます。それは、操作性や理不尽な難易度であったり、「ああ、近所のお兄さんが やっていたなあ」という思い出があるからでしょう。何より、ゲームの開発者さんからの「クリアーできるものならやってみろ」っていう、“挑戦状”を叩き付 けられたように難しさを感じられるのは、レトロゲームならではの魅力です。
佐藤拓也(以下、拓也) ファミコン世代としては、“制限された中での想像力”ということを感じます。いまのゲームとは違って表現方法が限られているぶん、想像力が刺激されるのが楽しいんです。また、難しいこともやはり魅力ですね。操作はかなりの熟練を要しますし、ある意味“メーカーとプレイヤーの戦い”です。それが、“また何回ゲームオーバーになってもやりたくなる”というスパイスになっているのでしょう。
——おふたりが初めて遊んだゲームは何でしたか。
渉 3才のときにプレイしたゲームウォッチの『ドンキーコング』でした。親戚の家にいるときしかプレイしていないのですが、マリオが敵だったことを覚えています。その後には、ファミコンの『ゴルフ』をやっていましたね。
拓也 『闘人魔境伝 ヘラクレスの栄光』です。RPGですが、『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』と違って、武器や服が使えば使うほどボロボロになり、使用回数の制限があるという、難易度がキツいゲームでした。ぜんぜん思うように進めなかったので、6才にして人生のきびしさを学びました(笑)。
——では、印象に残っているゲームを教えてください。
渉 『忍者ハットリくん 〜忍者は修行でござるの巻〜』と『トランスフォーマー コンボイの謎』です。どちらもめちゃくちゃ難しいんですよ。『トランスフォーマー コンボイの謎』なんて、敵が撃ってくる弾が小さすぎて、背景の星と変わらないから見えないんですもん(笑)。
拓也 『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』です。親戚のおじさんからもらったんですけど、まあこれが難しくて(笑)。捜査の過程で聞き込みに行くんですが、そこで初めてキャバレーという言葉の意味を10才未満にして知りました(笑)。クリアーできなかったので、もう一度挑戦したいゲームですね。
——いままでの放送の中で、おふたりがとくにお気に入りのゲームは何ですか?
渉 『超人ウルトラベースボール』 はすごくおもしろかったです。僕は野球ゲームに対する苦手意識みたいなのがあったのですけど、誰もが楽しめるゲームになっていたので、純粋な気持ちで楽しめました。秘技を使うことで、大量得点のチャンスがある……そんなふうに、ピンチになっても大逆転ができるのですから、ロマンがありますね。
拓也 理不尽な難易度というところで言えば、『魂斗羅』かな。いまだから言えるけど、本当に何度かさじを投げようかなと思ったくらいにきびしかったです(笑)。
渉 あれはもう、生放送の配信ということを忘れていましたね(笑)。
拓也 そうそう、いま放送なんだっていうことをぜんぜん考えられないくらいの難しさでした。もう一度リベンジしたいですね。
——今後、放送でプレイしたいゲームはありますか?
渉 遊んでないジャンルはプレイしたいですね。RPGだと時間がかかるので……レースゲームがいいんじゃないでしょうか。
拓也 アドベンチャーゲームもやってみたいなあ。『たけしの挑戦状』とか(笑)。『ポートピア連続殺人事件』みたいな謎解き系のやつのもいいですよね。
渉 ダンジョン系のホラーアドベンチャーゲームもいいですよね。ぎゃーぎゃー叫びながらやってみると、盛り上がるんじゃないかな。
拓也 じゃあ『スウィートホーム』かな。楽しく叫べると思います(笑)。
——おふたりのファン、これから放送を観ようと思っているレトロゲームファンに向けてメッセージをお願いいたします。
渉 “いい大人ふたりが、レトロゲームで子どもになる”という瞬間をぜひ観ていただきたいです。観ていてくれる方が僕たちといっしょに楽んでいただける番組ですので、「あー!」などと言いながら、プレイしている気持ちになってくれればうれしいですね。ゲームに興味を持っていただけたら、文明の利器(バーチャルコンソール)で、そのタイトルをダウンロードしてすぐに楽しむこともできますよ。
拓也 僕らふたりはゲームがうまいわけではないので、観ていてやきもきすることもあるでしょう(笑)。そのぶん肩の力を抜いて、近所のお兄ちゃんの家に来たようなつもりで観ていただきたいです。
声優さんたちがゲームを楽しく実況し、視聴者一体型で楽しめる番組“8bitBROTHERS”は2015年も月イチで放送される。2015年第1回のタイトルは“最弱プレイ!?スペランカーに挑戦! ”。放送日は明日1月22日(木)となる。
※番組視聴ページはコチラ
なお、“8bitBROTHERS”を制作しているテンフィートでは、スカパープレミアムチャンネル“スカパー!プレミアムサービス Pigoo”で、“ゲーム×声優”のコンテンツのひとつ“つれゲー”も展開中だ。こちらもぜひチェックしてみよう。