日本版の最新プレイアブルデモでゲームモードや新モンスター&ハンターを確認

 先日、都内の2K日本オフィスにて、同社の新作アクションシューター『EVOLVE(エボルブ)』(日本版は2015年3月5日にプレステーション4/Xbox One/PCで発売予定)の最新プレイアブルデモを使ったメディア向け体験会が開催された。

 これまでの体験会では、マルチプレイでモンスターとハンターに分かれて対戦したが、今回はAIがモンスターやハンターを操作するシングルプレイにチャレンジ。本作『EVOLVE(エボルブ)』のキャンペーンモードにあたる“脱出”モード(マルチプレイヤーでもプレイ可能)を体験した。また、新たに公開されたモンスターやハンターの操作感もチェックすることができた。

 今回プレイしたバージョンは一部英語のままだったが、製品版ではセリフもテキストもすべて日本語化されるとのことだ。シングルでハンター側をプレイしていると、仲間のハンターが状況に応じて話し、ときには危険な野生生物やモンスターの存在を知らせてくれることも。ハンターたちのセリフによって臨場感が感じられるのはもちろんだが、まわりの状況をある程度、把握できるというゲームプレイ上のメリットも感じられた。

『EVOLVE(エボルブ)』最新プレイアブルデモで判明した新事実をリポート 歯応え満点の“脱出”モードや3体目のモンスター“WRITH(レイス)”を体験_19
『EVOLVE(エボルブ)』最新プレイアブルデモで判明した新事実をリポート 歯応え満点の“脱出”モードや3体目のモンスター“WRITH(レイス)”を体験_18

4つのゲームモードで戦い抜く“脱出”モード

 『EVOLVE(エボルブ)』のキャンペーンモードにあたる“脱出”モードでは、4種類のゲームモード(“狩猟”、“防衛”、“巣窟”、“救出”)からひとつを選びながら、合計5回のマッチを戦い抜く。もちろん、モンスターになって破壊の限りを尽くすのも、ハンターになってモンスターを狩るのもプレイヤーの自由だ。“脱出”モードで選べる各種ゲームモードは、以下の通り。これまでにオープンベータテストやメディア向け体験会で公開されたのは“狩猟”モードのみで、そのほかの“防衛”、“巣窟”、“救出”モードは、日本国内では初披露となる。

【ゲームモードの種類】
狩猟……ハンターがモンスターの駆除にあたるモード。ハンター側の目標は、モンスターを探して倒すこと。モンスター側はハンターを全滅させるか、第3形態まで進化して送電施設を破壊する。

防衛……ハンターが輸送船を守りぬくモード。ハンター側は、離陸準備している輸送船の動力源を守りぬくか、モンスターを倒すと勝利。モンスター側は、制限時間内に輸送船の動力源を破壊する。

巣窟……モンスターの卵をめぐって対戦するモード。ハンター側はフィールド上の各所にあるすべての卵を破壊すると勝利。モンスター側は卵が破壊される前に、ハンターをせん滅する。モンスターは、卵を孵化させて手下のモンスターを誕生させることができるが、孵化させた分、守るべき卵の数は減ってしまう。

救出……フィールド上に取り残された5人の生存者を脱出させるモード。ハンター側は生存者を見つけて蘇生し、脱出地点まで誘導して救出しなくてはならない。モンスターは、生存者たちが脱出するまえにハンターのせん滅する。

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『EVOLVE(エボルブ)』最新プレイアブルデモで判明した新事実をリポート 歯応え満点の“脱出”モードや3体目のモンスター“WRITH(レイス)”を体験_04

シングルプレイで対戦するAIは思った以上に手ごわい!?

 シングルプレイで対戦するAIは「思った以上に賢くて手ごわい!」というのが、まず率直に抱いた感想。AIが担当するモンスターは、マルチプレイでのセオリーと同じように、進化してパワーアップするまで隠密行動に徹する。その隠れかたが巧妙で、ハンター側が追跡に専念しても、簡単には見つからないのだ。ならばと目標を切り替えて、たとえば“巣窟”モードで卵の破壊にいそしんでいると、いきなり背後から襲ってくることも……。押せば引き、引けば押してくるバランスが絶妙で、緊張感のあるシングルプレイが楽しめた。

 一方、AIが操作するハンターも、クラス(職業)の役割をしっかりこなすので、同じハンター側でプレイしているときは安心して背中を預けられる。ただし、メディック(回復役)が倒れると、チーム全体が総崩れになるパターンが多いのはマルチプレイの場合と同じ。AIが操作するメディックが追いつめられていたら、プレイヤーが積極的に支援したほうがいい。シングルでハンター側をプレイしているときは、いつでも操作キャラクターを切り替えられるので、状況に応じてメディックをプレイヤー自身が担当して、回復に専念する方法もある。反対にモンスター側でプレイしているときは、AIハンターの連携に苦戦を強いられることもしばしばだが、メディックやサポートから倒して相手の回復・防御手段を断てば形勢を逆転しやすい。

 「シングルプレイはおまけ程度」というシューターも少なくないなか、『EVOLVE(エボルブ)』はマルチプレイのみならずシングルプレイの難易度も、かなり綿密にバランス調整されている様子。AIが思ったように動かなくてストレスを感じるようなことはなく、マルチプレイとほとんど同じような感覚で遊べた。ただしAIが手ごわいといっても、連敗が続くと自動的に難易度が調整され、つぎのマッチで負けている側が勝ちやすくなるので、シューター初心者でも十分に楽しめるはずだ。

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ステルス型の新モンスター“Wraith(レイス)”

 今回のプレイアブルデモには、格闘型の“Goliath(ゴライアス)”、飛行型の“Kraken(クラーケン)”に続く、第3のモンスター“Wraith(レイス)が登場した。レイスは、ハンターを攪乱する能力に長けたステルス型モンスター。“神隠し”でハンターを隔離したり、“囮(おとり)”でみずからの分身をつくり出してハンターを惑わしたりすることができる。

【レイスのアビリティ】
Warp Blast(衝撃波)……狙った場所へ瞬時に移動し、衝撃波を放って付近のターゲットにダメージを与える。アビリティのレベルを上げると連続攻撃が可能になる。

abduction(神隠し)……単体のターゲットのそばに瞬間移動し、離れた場所へ連れ去る。

Decoy(囮)……モンスターの分身を出現させてハンターと戦わせる。そのあいだ、レイス本体は透明化する。

Supernova(亜空間)……ハンターを一定の範囲内に閉じ込め、高速で鎌を振るって大ダメージを与える。

 神隠しはハンターを分断して、連携を崩す手段として効果的。メディックやサポートを連れ去って倒すことができれば、ハンターチームは回復・防御の要を失ってしまうため、モンスターにとってはその後の展開がかなり有利になる。囮はみずからの分身でハンターを惑わすだけでなく、レイス本体の姿を一時的に消せるところがポイント。ハンターが囮に気を取られている隙に接近して奇襲を仕掛けたり、その場から離れて姿をくらましたりと、攻守両面で活用できる。

 限られたプレイ時間ではトリッキーな技をなかなか思いどおりに使えなかったが、技がきれいに決まったときの効果は絶大。ハンターを翻弄しながら追いつめていくという、ほかのモンスターにはない快感が味わえた。レイスを使いこなすには、ゴライアスやクラーケンよりも操作に慣れが必要な印象だが、技を使いこなしてハンターを手玉に取れるようになれば、ハンター側のプレイヤーをヒートアップさせること間違いなしだ。

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4名の個性的なハンターが新たに参戦!

 新モンスターのレイスに加えて、ハンター側も4名の新キャラクターが公開された。アサルトやメディックなど、キャラクターごとにクラスが決まっているのはこれまでに公開されたハンターと同様だが、それぞれ個性的な武器を装備しており、同じクラスでもひと味違うプレイスタイルで楽しめる。

『EVOLVE(エボルブ)』最新プレイアブルデモで判明した新事実をリポート 歯応え満点の“脱出”モードや3体目のモンスター“WRITH(レイス)”を体験_13
▲左からエイブ、カイラ、パーネル、キャボット。

■Parnell(パーネル) [アサルト(攻撃役)]
Combat Shotgun(コンバット・ショットガン)……至近距離で威力を発揮するショットガン。
Multifire Rocket Launcher(マルチファイヤ・ロケット・ランチャー)……中距離から爆破ダメージを与るロケットランチャー。
Super Soldier(スーパー・ソルジャー)……体力と引き換えに攻撃力と移動スピードを一時的にアップする。
Personal Shield(パーソナル・シールド)……一時的に無敵状態になる。

 もっともユニークな装備は、一時的にパワーアップするスーパー・ソルジャー。スーパー・ソルジャーを発動させたうえで武器を撃ちまくると、ターゲットの体力をおもしろいように削れる。ただし、スキル発動時にみずからの体力が減ってしまうため、モンスターの強烈な一撃を食らうと、いきなり瀕死に陥ってしまうリスクもある。スーパー・ソルジャーは、一時的に無敵化するパーソナル・シールドとの併用が基本だ。コンバット・ショットガンとマルチファイヤ・ロケット・ランチャーは、連射性と威力に優れた武器が、装弾数が少なく弾切れになるのが早い点がネック。パーク(特殊能力)選択時にリロード速度や装弾数がアップする能力を選ぶと、火力の高さを生かしやすい。

■Abe(エイブ) [トラッパー(追跡・捕獲役)]
Custom Shotgun(カスタム・ショットガン)……連射性に優れたショットガン。
Stasis Grenades(ステイシス・グレネード)……敵の動きをスローダウンさせる手投げ弾。
Tracking Dart(トラッキング・ダート)……モンスターの身体に撃ち込んで居場所を特定する投げ矢。拳銃型の武器で発射する。
Mobile Arena(モバイル・アリーナ)……一定範囲内にモンスターを閉じ込めるトラップ。

 モンスターと交戦したときの支援能力がとくに優れているトラッパー。ステイシス・グレネードは、ターゲットの動きを鈍らせる効果がある。グレネードは若干ゆっくりと弧を描いて飛ぶため、素早く動き回る敵には当てにくいが、障害物ごしでも標的を狙える。トラッキング・ダートは、拳銃型の武器で発射する投げ矢。敵に命中すると、一定のあいだ居場所がアイコンで表示される。障害物の多い場所でもモンスターの位置が把握しやすくなるほか、逃走しようとするモンスターに撃ち込めばその後の追跡が容易になる。

■Caira(カイラ) [メディック(回復役)]
Napalm Grenades(ナパーム・グレネード)……命中した標的を炎上させるグレネード・ランチャー。
Healing Grenades(ヒーリング・グレネード)……体力回復効果のあるグレネードを放つ回復用ランチャー。
Adrenaline Field(アドレナリン・フィールド)……自分や周囲の味方の移動スピードを一時的にアップさせる。
Healing Burst(ヒーリング・バースト)……自分を含む一定範囲内の味方を一斉に回復する。

 攻撃用と回復用、2種類のグレネード・ランチャーを装備している。攻撃用のナパーム・グレネードは着弾すると爆発炎上し、範囲内の敵にダメージを与えたうえで、炎上による継続ダメージも追加できる。もうひとつのヒーリング・グレネードは、名前が示すとおり、仲間を癒やすための装備。仲間の近くにグレネードを着弾させて、体力を回復する。アドレナリン・フィールドは、カイラ自身だけでなく周囲の味方のスピードも劇的にアップさせる効果があるので、味方が密集しているところで発動すれば、チームメンバー全体の動きを一斉に速められる。

■Cabot(キャボット) [サポート(補助役)]
Rail Cannon(レイル・キャノン)……障害物越しにダメージを与えられる長射程の射撃武器。
Damage Amplifier(ダメージAMP)……敵の防御力を一時的に半減させる。
Dust Tagging(ダスト・タギング)……広範囲に放射性物質の塵を降らせ、範囲内にいるモンスターや野生動物の居場所が見えるようにする。
Cloaking Field(クローキング・フィールド)……自分を含む一定範囲内の味方の姿を一時的に透明化する。

 レイル・キャノンは、障害物越しにターゲットを狙撃できるというユニークな武器。モンスターと交戦するとき、障害物に身を隠しながら一方的に攻撃できる。また、モンスターが遠く離れた場所にいる状況でも、ダスト・タギングを使って位置を特定できれば、モンスターの見えないところから遠距離射撃で狙い撃てる。ダメージAMPは、味方の攻撃をサポートするための装備。ターゲットの防御力を半減させ、味方による攻撃のダメージが通常の2倍にアップする。

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シングルプレイのやり込み要素にも期待

 これまでに実施された『EVOLVE(エボルブ)』のオープンベータテストやメディア向け体験会では、正直なところマルチプレイ寄りのゲームであるような印象を受けていた。だが、実際にシングルプレイを体験してみると、ひとりでもとことん遊べる懐の深いゲームだと感じた。AIが操作するモンスターやハンターは、プレイヤーがそこそこうまくなったつもりでも簡単には勝たせてくれないので、マルチプレイの練習モードとしてもシングルプレイはうってつけだ。また、マルチプレイと同じく、シングルプレイでも対戦を終えるとポイントを獲得し、使用したモンスターやハンターに関する能力やキャラクター、スキンなどをアンロックできる。シングルプレイでアンロックした能力やキャラクターは、そのままマルチプレイでも共用可能だ。

 だったら「シングルでキャラクターを鍛えまくれば、マルチプレイがめちゃくちゃ有利になるのでは?」と思われた読者もいるはず。そこで体験会の解説役を務める開発スタッフに確認してみたところ、「同じような腕前のプレイヤーどうしがマッチングするように調整していますので、キャラクターを成長させただけでは簡単に勝てないでしょう」との答えだった。つまり、シングルプレイでさまざまな要素をアンロックしまくっても、テクニックが初心者レベルだと、同じような腕前でアンロックしまくっている似たものどうしが対戦するようになっているということ。「キャラクターを強化していたら、マルチプレイでやたら強い上級者とマッチングするようになった‥‥」という心配がないのはうれしい。シューター初心者から上級者まで、どのようなユーザーでも快適に遊べるよう、バランス調整にはかなりこだわっているそうなので、開発スタッフとしては「くり返しプレイして、自分自身が成長する楽しみを感じてほしい」とのことだった。長く付き合えるゲームとしても、大いに期待できそうだ。