トップノミネートは『シャドウ・オブ・モルドール』

 開発者が選出するゲーム賞“GDCアワード”。毎年3月にサンフランシスコで行われるゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス(GDC)に合わせて発表される本賞の今年のノミネート作が発表された。受賞式は現地時間3月4日に行われる。

 もっとも多くノミネートされたのは、Monolith Productionsが開発したオープンワールドステルスアクションゲーム『シャドウ・オブ・モルドール』。ゲーム・オブ・ザ・イヤー(最優秀ゲーム賞)など5部門にノミネートされている。
 また日本のスタジオのゲームでは、『ベヨネッタ2』(プラチナゲームズ)、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS』(ソラ/バンダイナムコゲームス/バンダイナムコスタジオ)、『進め! キノピオ隊長』(1-UPスタジオ/任天堂)と、いずれも任天堂がパブリッシングしたタイトルがノミネートされている。

■Game of the Year(最優秀ゲーム賞)
ベヨネッタ2 (Platinum Games/Nintendo)
天使と戦うセクシーな魔女ベヨネッタを主人公とするアクションゲーム『ベヨネッタ』の続編。ド派手な演出とともに縦横無尽に繰り広げられる戦闘はまさにゴージャス。

シャドウ・オブ・モルドール (Monolith Productions/Warner Bros. Interactive Entertainment)
映画「ホビット」や「指輪物語」などと同じ、トールキンによる中つ国を舞台にしたオープンワールドステルスアクションゲーム。プレイヤーを倒したオークが軍団内で昇格していったりする“ネメシス システム”など、充実したプレイ要素も注目。

Destiny (Bungie/Activision)
Halo』シリーズを手掛けたBungieによるオンラインマルチプレイFPS。キャンペーン、Co-op、対戦と、あらゆる要素がシームレスに統合されている。

Hearthstone: Heroes of Warcraft (Blizzard)
Warcraft』ユニバースを題材にした基本プレイ無料のオンラインカードゲーム。シンプルに整理されたシステムのおかげでプレイしやすく、かつ奥深く中毒性も高い。PCだけでなく、iOS/Androidでもプレイ可能。

Alien: Isolation (Creative Assembly/Sega)
映画「エイリアン」初期作をリスペクトし、エイリアンと「戦う」のではなく、「ダクトなどをフル活用して逃げまわる」というステルスアクションゲームへと昇華させた作品。

■Innovation Award(革新賞)
Bounden (Game Oven)
スマートフォンをふたりで持ち、ジャイロに合わせて動く画面上の球体を動かしていくと、ふたりの動きが自然と優美な踊りとなるインタラクティブゲーム。“振り付け”はオランダ国立バレエ団によるもの。

This War of Mine (11 bit studios)
戦時下の市民の過酷な生活を描いた2Dサバイバルアクションゲーム。生きるために奪ったり、自らの手を血に染めなければいけないことも。

The Vanishing of Ethan Carter (The Astronauts)
死者の最期を幻視する能力を持った探偵ポール・プロスペローを主人公とする一人称視点のアドベンチャーゲーム。彼に調査を依頼する手紙を出すともに失踪した少年イーサン・カーターを追う過程で、意外な真相が浮かび上がってくる。

モニュメントバレー (Ustwo)
だまし絵のギミックを取り込んだ、印象的なグラフィックが特徴のパズルアドベンチャーゲーム。

シャドウ・オブ・モルドール (Monolith Productions/Warner Bros. Interactive Entertainment)

■Best Debut (スタジオ新人賞)
Yacht Club Games (Shovel Knight)
カリフォルニア州バレンシアの小規模スタジオ。レトロテイストなアクションゲーム『Shovel Knight』をKickStarterでのクラウドファンディングを経て成功させる。

Respawn Entertainment (Titanfall)
Vince Zampella氏らが『コール オブ デューティ』シリーズを開発してきたInfinity Wardから離脱して立ち上げたスタジオ。ファーストタイトルとして『タイタンフォール』をリリースした。

The Astronauts (The Vanishing of Ethan Carter)
ペインキラー』、『バレットストーム』などを手掛けたPeople Can Fly(現Epic Games Poland)の中心人物たちが独立して立ち上げたスタジオ。それまでのイメージを一新した処女作『The Vanishing of Ethan Carter』で高い評価を受ける。

Stoic Studio (The Banner Saga)
3人の元BioWareのベテラン開発者が独立し、テキサス州オースティンに設立したスタジオ。美しいアニメーションが印象的なタクティカルRPG『The Banner Saga』で知られる。

Upper One Games (Never Alone)
アラスカの部族イヌピアットを題材としたゲームを作るために設立された、初の先住民によるゲームスタジオ。

■Best Design(ゲームデザイン賞)
ドラゴンエイジ:インクイジション (BioWare/Electronic Arts)
ファンタジーRPG『ドラゴンエイジ』シリーズ最新作。オープンワールド性や、ゲームを一時停止して指示を出し、ストラテジーゲームのように戦うことができるタクティカルカメラなどを導入。充実の内容で高い評価を受けた。

進め! キノピオ隊長 (Nintendo EAD Tokyo and 1-Up Studio/Nintendo)
キノピオ隊長を主人公にした3Dアクションゲーム。箱庭のようなステージをぐるっと回しながら、新たな道を見つけ出したり、ギミックを使ってゴールを目指す。丁寧なレベルデザインと幅広い年齢層が楽しめることが海外でも評価されている。

シャドウ・オブ・モルドール (Monolith Productions/Warner Bros. Interactive Entertainment)
Shovel Knight (Yacht Club Games)
Hearthstone: Heroes of Warcraft (Blizzard)

■Best Handheld/Mobile Game (最優秀携帯ゲーム/モバイルゲーム)
Threes! (Sirvo)
数字の書かれたパネルを動かして数字を合体させていくパズルゲーム。中毒性の高さで数々のフォロワーが生まれた。

大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS (Sora Ltd. and BANDAI NAMCO/Nintendo)
対戦アクションゲーム“スマブラ”シリーズの新作。携帯ゲーム機版ながら秒間60フレームやオンライン対戦なども実現。昨年12月に『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』も発売。本作との連動要素も用意されている。

80 Days (Inkle Studios)
スチームパンクに進化した架空の1872年を舞台に、80日間世界一周を目指すマルチプレイゲーム。スマートフォンゲームであることを活かし、ゲームはリアルタイムに進行していく。

Hearthstone (Blizzard)
モニュメントバレー (Ustwo)

■Best Visual Art (美術賞)
ホホクム (Honeyslug and Sony Santa Monica/Sony)
ニョロニョロと飛ぶキャラクターを操作し、どこか奇妙でかわいいカラフルな2D世界を冒険するアクションアドベンチャーゲーム。

チャイルド オブ ライト (Ubisoft Montreal/Ubisoft)
闇と光をテーマにしたアクションRPGゲーム。『ファイナルファンタジー』など日本のRPGからの影響を受けつつ、小規模なアーティスト中心のチームで開発された。

モニュメントバレー (Ustwo)
ベヨネッタ2 (Platinum Games/Nintendo)
Alien: Isolation (Creative Assembly/Sega)

■Best Narrative (物語賞)
Kentucky Route Zero Episode 3 (Cardboard Computer)
ケンタッキー州のとある場所にある洞窟をめぐって不思議な物語が展開する、ポイント・アンド・クリック型の2Dアドベンチャーゲームの第3章。

80 Days (Inkle Studios)
This War of Mine (11 bit studios)
シャドウ・オブ・モルドール (Monolith Productions/Warner Bros. Interactive Entertainment)
The Vanishing of Ethan Carter (The Astronauts)

■Best Audio (音響賞)
Transistor (Supergiant Games)
組織につけ狙われる歌姫Redと、大剣Transistorの冒険をジャジーな音楽とともに描いたアクションアドベンチャーゲーム。

Alien: Isolation (Creative Assembly/Sega)
ホホクム (Honeyslug/Sony)
Destiny (Bungie/Activision)
The Vanishing of Ethan Carter (The Astronauts)

■Best Technology (技術賞)
ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー (MachineGames/Bethesda)
FPSの始祖『ウルフェンシュタイン3D』を最新技術で生まれ変わらせたリブート作。第二次世界大戦を勝利しナチスが世界を征服した世界を舞台に、主人公BJの復讐を描く。

Elite: Dangerous (Frontier Developments)
往年の宇宙探索ゲーム『Elite』のリブート作。戦闘・交易・探索など、さまざまな要素が複合しており、ステーションから離陸し、ハイパージャンプで別の星系に飛び、目的のステーションにドッキングする……といった流れもシームレスに実現している。

ファークライ4 (Ubisoft Montreal/Ubisoft)
ヒマラヤの小国キラットを舞台にしたオープンワールドFPS。象などの動物をけしかけて敵を倒すなどさまざまな攻略が可能で、いつでも参加・離脱可能なオンラインCo-opが実装されているなど、自由なプレイを楽しめる。

Destiny (Bungie/Activision)
シャドウ・オブ・モルドール (Monolith Productions/Warner Bros. Interactive Entertainment)