日本代表チームVeliaSが感じた世界の実力とは?
PC用FPS『カウンターストライクオンライン』(以下、CSO)の世界大会“CSOWC 2014(Counter-Strike ONLINE World Championship 2014)”が2014年12月4日から12月6日まで韓国のソウルにて開催された。
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『カウンターストライクオンライン』の世界大会“CSOWC 2014”が開催! 中国の強豪チームがライバルを撃破して世界一に!
日本代表チームのVeliaSは、12月6日に開かれた予選リーグのグループBに出場し、1勝2敗の成績を残した。日本チームの勝利は同作の国際大会で初となる。そんな活躍を見せたVeliaSのもとを大会期間中に訪れ、世界レベルの試合を体験した感想や今後の課題などをじっくりと尋ねたぞ。
相手チームのウィークポイントを偶然に知ることができたが・・・
――まずは予選リーグのそれぞれの試合の感想をお聞かせください。
Woqty 1試合目のLD(中国)との試合は、勢いで持っていかれたかも。
weazy 相手チームの強気の攻めを、こちらが受け止めきれなかった感じです。独特の雰囲気に緊張しているメンバーも多くて、僕とtatuoooくんがTK(チームキル:仲間を倒してしまう行為)してしまい、人数差で上回っていた場面を潰してしまったり・・・。
tatuooo それのおかげでリラックスができたかなあ、と(笑)。まあ、ミスですが。
neth いやいや、ミスだよ(笑)。
tatuooo そのときに(ウェブ中継用の)カメラが近づいてきて、ガッツリと顔を撮られました。
Woqty 映りたかったから、やったの?
weazy FB(Flashbang:閃光を発する手榴弾)を食らっていたので、条件反射で撃っちゃった。
Noddy 報告で忙しかったし、仕方がないね。
――試合中はどのような会話のやり取りをしているのですか?
weazy 相手がいる場所の報告がメインですね。自分が倒されてしまった地点の場所から方角を予想して。
tatuooo 作戦と言うと大げさかもしれませんが、ラウンドの最初には各人が何をするかを伝え合っています。そのラウンドでのおおまかな動きとか、武器の購入とかですね。
――誰かが指示を出すわけではないのですか?
neth ほかのチームにはコマンダー(指揮官)がいると思いますが、僕たちにその役目の人はいません。それぞれが状況を見て、実行することを申告します。
weazy 判断が遅くなるかもしれませんが、このほうがやりやすいですね。僕がこのチームに入る前から、そんな感じでしたし。
tatuooo あとは、軽い冗談とか。本気でイラッとしたときも冗談で流します。ネガティブなことを言わない雰囲気作りは、全員が意識していると思います。
weazy 集中して静かになることもありますが、負の連鎖を起こさないように声を出しています。
――続いて、2試合目を終えた感想も聞かせてください。
neth ProjectKR(韓国)は、本当に強かったです。全体を通して、日本では感じたことのないレベルでした。
Woqty スナイパーライフルの精度が相当高かったですね。「見つかったら確実に倒される」と感じたほどなので、ふだんの試合でなら移動できる距離が移動できなかったりと、かなり苦戦しました。
weazy じつはホテルに設置されてたPCで練習をしているときに、予選リーグの前日に違うグループで出場していた韓国チームと対戦できたのですが、その際にProjectKRの弱点を教えてもらっていたのですよ。たどたどしい英語でやりとりしたのですが、「コイツを攻めろ」と言っていることはわかりました。ただ、実際に試合が始まるとチーム全体の動きがすごすぎて、何もできませんでした(笑)。
――見事に勝利した3試合目の感想も教えてください。
tatuooo CEA.seven(台湾)とは、ようやくまともな試合ができました。かなり強かったとは思いますが、それまでの2チームがズバ抜けていたので、もうこのころには感覚がおかしくなっていましたね。
weazy いい勝負でした。中国と韓国以外の国は同じくらいの強さなのかなのかもしれません。
日本の試合とは異なるスピード感に翻弄される
――それでは、決勝トーナメントを見た感想も教えてください。
Noddy どのチームも、とにかくスピーディーですね。そして、とにかくキルを取りにいく動きをしていました。
――国内では、もっと待つチームが多いということですか?
Woqty もう試合の展開が全然違います。
weazy 1ラウンドが1分45秒なのですが、日本の試合は残り30秒まで戦闘が起こらないこともあります。で、そんなジリジリした展開に待てずに僕が突っ込んで、よく怒られています(笑)。
tatuooo 攻める局面なら問題のない行動ですが、守る局面では待ってもらわないとね(笑)。様子見ができないので。日本人の性格が出ているだけなのかもしれませんが、その環境に慣れていることもあって、今大会で対戦したチームが余計に強く感じましたね。
――撃ち合いが起こる場所は違っていましたか?
Woqty 場所自体は同じですが、やはり発生するタイミングが段違いに早かったです。ひとりひとりは荒い動きをしても必ず仲間の誰かがフォローするような、チームの動きができているからスピードが出てくるのかもしれません。
Noddy 自分たちが圧倒されたチームどうしが接戦をくり広げている様子を見て、あらためて力の差を感じました。同時に、うらやましいとも思いました。
大会を終えたVeliaSの今後
――そんなハイレベルな試合を体験し、観戦したことを、今後どのように活かしたいですか?
tatuooo まずは練習相手のチームを増やしたいですね。日本にも強いチームはいるのですが、お互いのメンバーの都合上、毎日は対戦できないので。
Woqty 加えて、日本の大会はそのとき限りの混成チームが多いんですね。すごくいい動きのプレイヤーは見られても、いいチームの動きが見られないのです。今回の大会に出場しているチームは、本当に連携が取れていて勉強になりました。
neth ほかには、以前からもチーム内で話していたのですが、スナイパーライフルが使えるメンバーを増やしたいとあらためて思いました。
tatuooo いまはnethくんしか使っていなくて、ほかのメンバーはアサルトライフルをメインで使っています。今回、遠距離攻撃が有効なマップで相手チームはスナイパーライフルを3人が使っていて、かなり苦しめられました。
――マップによって効果が変わる武器なのですね。
weazy 遠距離からカバーがない状況で撃ち合えて、一発当てれば倒せるので、相手がふたりいても問題なし。戦闘のキーになっている武器です。予選の試合でも、スナイパーライフルを使っていないプレイヤーは倒せたのですが、つぎの射撃のために止まっているところを横から撃たれました。
Woqty 外さずにしっかりと当ててくる個人技術もすごかったですね。
weazy 違うマップでは使う武器を変えていたので、メイン武器ではないものをいつも使っているかのように上手く使っていたような気がします。そういや、ひところtatuoooくんは使ってよね。
tatuooo 試していた時期はあったけど、いきなり試合で使えるまでのラインじゃないからね。ラウンドを取られ続けてお金もなかったし、その勇気はなかったよ(笑)。そもそもスナイパーライフルは値段が高いので、今回は購入できる人がnethくんに渡すことで精一杯になっていました。
――スナイパーライフルのほかに、何か活かしたいことはありますか?
neth FBを始めとした“投げもの”も練習しないとね。相手チームはうまく使っていましたから。
Noddy 本作の特性で、FBは全部をかわさないと画面が真っ白になるんですが、その効果時間がほかのFPSタイトルよりも長いので、かなり効果が高いんです。
weazy これも前から話には出てたけど、いざ本番となると投げられなかったね。
――来年もCSOWCが開催されるようですよ。
weazy 僕たちの大半が学生なので、これから就職活動も本腰を入れなければいけないのですが……。来年もこの時期なら、もう有給休暇がもらえるころになってるかなあ(笑)。同じくらいの年齢の人が集まっている部活みたいなチームなので、新しい目標ができればまた一丸になれると思います。
tatuooo いまは終わったばかりでまだ熱が冷めておらず、ここに来るまでが大変だったことを考えると具体的な話はまだできませんが、今回CSOWCを体験して、少しでも日本の『CSO』の盛り上がりに貢献したいとは考えるようになりました。オリジナルモードが盛り上がれば日本での大会も増えるので、そんな状況が起こって『CSO』全体が活気付けばいいな、と思います。