『ガンダムブレイカー2』開発者インタビュー

 ガンダムのプラモデル”ガンプラ”で戦う人気アクションゲーム『ガンダムブレイカー』。2014年12月18日に、いよいよ『ガンダムブレイカー2』が発売となる。ここでは、開発を手掛けたおふたりのインタビューを掲載!

『ガンダムブレイカー2』発売直前開発者インタビュー!_01
【左】
バンダイナムコゲームス
薄井宏太郎
前作『ガンダムブレイカー』から引き続きプロデューサーを担当。

【右】
クラフト&マイスター
福川大輔
同じく、前作に引き続き本作のディレクターを担当している。

――本作の魅力を、改めて教えてください。

福川大輔(以下、 福川) 前作『ガンダムブレイカー』をプレイしてくださったユーザーの声を、 大いに参考にさせていただきました。『ガンダム』、『ガンプラ』をモチーフにしたカスタマイズゲームとして重要なことは、やはり“数”と“ボリューム”です。そこに注力しました。

――前作と比べて、倍ではすまないほどのボリュームですよね。

薄井宏太郎(以下、薄井) ただ数を増やすだけではダメで、 それぞれ性能を変えないと意味がない。前作のPS Vita版を発売した際にも機体数の増加は行いましたが、今回増やした量は比べものにならないくらい多いですからね。 本作では、各パーツに付いているオプション装備、たとえば頭部のバルカンや胸部のメガ粒子砲など、各パーツの充実を図りました。

福川 パーツそのものの組み合わせはもちろん、各パーツに付いているオプションを含めた組み合わせのパターンは大きく広がっています。もちろん、コンボのパターンもかなり増えています。

薄井 ちなみに、パーツの数は前作の約3倍ですね。『ガンダム』のアクションゲームとして、短期間でこれほどの進化を遂げた作品は、なかなかないと思います。

――前作は、新規の『ガンダム』ゲームとして新しいことに挑戦した、実験的な作品でしたよね。

福川 当初は、ガンダムのボディーにザクの頭をくっつけるというコンセプトが、賛否両論ありました。“カスタマイズするという楽しみ”をいかにして伝えられるかに苦労しましたね。

――第1作の評判を受けての第2作ということで、相当なプレッシャーがあったのでは?

薄井 そんなプレッシャーを感じる間もなく作っていきました(笑)。「やるしかない」と。前作で「ガンダムとザク、 組み合わせてよかったんだ」というのがわかりましたから。「じゃあ、水陸両用モビルスーツだっていけちゃうんじゃないの?」というノリで、 どんどんボリュームを増やしていったんです。

福川 コンセプトが受け入れられたところでさらなるボリュームアップ、そしてストーリー性の大幅強化ですね。オリジナルキャラクターも10人以上登場しますので。

薄井 前作は、お客様の半数くらいが、おひとりで遊んでいたというデータがありまして。 また、最近『ガンダム』ゲームを遊んでいないという方にも買っていただいたようですが、『ガンダム』ゲームのファンで『ガンダムブレイカー』を遊んでいない方はまだまだいるなと。そこで、『ガンダム』感を増したいと思い、ストーリー性を重視することになりました。

『ガンダムブレイカー2』発売直前開発者インタビュー!_04

――“機体数を増やしてほしい”という要望が多かったとのことですが、そのほかにはどんな意見があったのでしょうか?

薄井 細かいところでいえば、ジャンプしながらEX攻撃やオプション攻撃を使いたいという意見がありましたね。

福川 前作に比べると、 ブースト中の操作や、 そこからつながるアクションも、 格段に自由度が増しています。 ほかにも、 ミッション中にポーズができるようになったりと、 かゆいところに手が届くような調整は多数行っています。 けっきょく、 機体数の増加にともない、アクションやモーションも、ほぼイチから作り直しているんです。

薄井 そのほかの大きな変更点といえば、パーツのドロップと強化のシステムですね。前作では、パーツをドロップして研磨する際にパーツごとにレアリティが決定され、レアリティによって強さが決まっていました。パーツによって強さがある程度決まっていたので、強い機体を作ろうと思うと特定のパーツに人気が集まって、最終的に似たような機体に仕上がってしまうというご指摘もありました。本作では、“自分だけのガンプラを強くできる”という点が、 進化したところです。

福川 本作では、ドロップしたパーツを、素材を使って強化できるようなシステムにしました。これによって、 弱い機体のパーツも、とことん強化することで強くできるんです。開発のお気に入りの機体がそれぞれ違っていて、思い思いのガンプラで戦っています。

―─武器の種類も増えましたし、前作にあった武器でも仕様が変わったものがありますね。

薄井 バズーカ、ロングライフル、ガトリングガンは、ロックオンした敵に向かって撃つのではなく、シューティングモードで撃つように変更されました。とくにバズーカは、着弾時の広範囲の爆発というのが効果的に使えるようになりました。そういった武器の特性が、いろいろと出せたと思います。

福川 カスタマイズで多様性がさらに増しますから、いろいろな武器を試していただいて、自分に合ったものを探してもらえればと。

―─前作では、キュベレイの肩とダブルオーライザーのバックパックは、形状の関係から組み合わせられないといった要素もありましたが、本作ではどのように?

福川 形状をちょっと変更したり、組み合わせが成立するように微調整して、 できるだけ不可能な組み合わせがない状態にはしています。パーツの数が多いので、 組み合わせもハンパなかったですが(苦笑)。

薄井 本作は、参戦機体数100体で100億通りの組み合わせをうたっていますが、 実際にはもっとあるんです。 最初は『ガンダムブレイカー2』じゃなくて『ガンダムブレイカー那由他(なゆた)』という名前にしようかと思っていました(笑)。

─水陸両用モビルスーツはデザインも独特ですが、彼らが活躍するシーンはあるのでしょうか?

福川 今回は水中ステージもありますので、水陸両用モビルスーツが光るはずです!

『ガンダムブレイカー2』発売直前開発者インタビュー!_02

――前作はPS3が先行で、 のちにPS Vita版が発売されました。今回は同時発売ですね。

福川  前作は、PS3版もPS Vita版も両方持っていて、セーブデータを共有しながら両方遊んでいるという方がけっこういらっしゃいました。ですので、今回は同時に発売しようと思ったんです。PS3版とPS Vita版が両方楽しめる同梱パックもありますしね。なお、クロスセーブには対応していますが、今回はモーションなどの処理の都合上、クロスプレイには対応していません。

――本作の注目ポイントのひとつである、巨大ボス敵の登場のきっかけを教えてください。

福川  もっとダイナミックに戦場を使えたりだとか、その機体ならではの攻撃ができるものとか、戦ったときにおもしろいシチュエーションを楽しんでもらうためです。なるべく、ほかの『ガンダム』ゲームに登場していないような機体を選んでいます。─メガライダーやスキウレといった乗り物系も、おもしろいアイテムですよね。

薄井  『機動武闘伝Gガンダム』のマンモスガンダムまで出てきますからね。その雄姿は、現在公開中の第2弾PVでぜひご確認ください(笑)。今回はステージが広くなっており、移動の補助の意味もあって、これらの兵器を実装しました。砲台などは敵に取られると不利になるので、「俺が乗っ取っておくから、キミはその間に敵を食い止めておいて」といった駆け引きも楽しめるかと。

福川  乗り物の攻撃は強力ですが、味方が乗っている乗り物に轢かれると、自分も弾き飛ばされますので注意してください。

薄井  また、今回は崖や宇宙空間などで“奈落に落ちる”要素もあります。宇宙に落ちるという概念があるのかと思われるかもしれませんが、「地球の重力に魂を引かれた」と思ってください(笑)。 そんなときにも、ベースジャバーなどの乗り物に乗っていると比較的楽に移動できます。

――続いて新機能についてお聞かせください。自分のガンプラを撮影してジオラマに飾るという機能も、前作のユーザーからの要望が多かったのでしょうか?

薄井  ポージングや背景を多数ご用意しましたので、自由に楽しんでいただければと。

福川  設計図の保存スロット数が増えました。前作でもスロット数が20個ありましたが、「もっと欲しい」という声も多かったんです。そこで本作では、50個まで保存できるようにしました。機体数と同様、前作の倍以上ですね。パーツも増えた分、いろいろなガンプラを作りたくなると思いますので、たくさん保存していただければと思います。

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――そのほかの変更点は?

福川  ショップ店員が変わりました。前作の彼は彼で味があったのですが、ちょっと太めのお兄さんより、かわいらしい女の子のほうがいいかなと(笑)。

薄井  ガンプラに関して言うと、ユニコーンガンダムも、今回はユニコーンモードとデストロイモードで分けずに、ひとつで変形するようになっています。覚醒時かオプション装備使用時に、デストロイモードに変形するようになっています。

――ユニコーンガンダムは、チュートリアル終了後の最初のミッションで出てきますよね。

福川  倒せばパーツが手に入りますが、組み込むのに必要とされる“ビルドブレイカーランク”が高いため、序盤はなかなか組み込めないと思います。ちなみに、ユニコーンガンダム登場時のBGM、 お聴きになりましたか?

――とくに意識していなかったのですが、何か?

福川  あれはちゃんと『機動戦士ガンダムUC』のBGMになっているんですよ。ほかにも、ボス登場時に、その機体が登場していた原作のBGMが流れるものがあります。

薄井  そこで原作のBGMが流れてくれば、ほかの『ガンダム』ゲームなら感動するところなんですが、本作ではその演出のおかげでちょっと笑ってしまう(笑)。

――システム関連で、まだお教えいただいていないものは?

薄井  ゲーム中盤あたりで、覚醒状態時にもう1回、LボタンとRボタンを同時押しすると、大技の“バーストアクション”を放って覚醒を終了するということが可能になります。覚醒の効果時間の終了間際を狙って出すといいでしょうね。さらに、EXゲージを2段階溜めて使えるようになります。

福川  パーツ成長システムも、素材を合成して強化するという要素以外に、自分でポイントを割り振るということができます。 また、 前作では得意の武器はパーツ固有のものでしたが、ゲーム後半で手に入る“マスタリコンバーター”という素材で、 得意な武器を変えることが可能になります。これで、“ビーム攻撃が得意なザクⅡ”、“ムチが得意なズゴック”というのも可能になります。

薄井  ブーストや移動のスピード、アクションの反応速度などの数値がパーツごとに設定されていますが、下は80%から上は200%近くと、パーツとモジュールの組み合わせによってだいぶ違ってくるはずです。反応速度が速ければ、 コンボがとても入れやすかったりします。

福川  また、今回は、一部ですが“シールド武装”というものも追加されています。ガード中に射撃ボタンを押せば、装備されているロケットランチャーが発射されたりとか。

――最後に、発売を楽しみにしているユーザーへメッセージを。

福川  発売まであとわずか! 楽しみに待っていてください。先ほども言いましたが、ゲーム発売後も無料の追加ミッションが配信予定ですので、
ずっと遊んでいただけたらと思います。

薄井  前作と比べて機体数の増加はもちろん、それにともなってアクションも変化しています。操作感など、アクションゲームとしてかなり楽しめる内容になっています。冬休みは、これで決まりでしょう!

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