柴シリーズプロデューサーが語る『LoVA』のスピリット

 スクウェア・エニックスは、2015年に正式サービス開始を予定しているオンラインマルチ対戦アクション『LORD OF VERMILION ARENA』(以下、『LoVA』)の第2回アルファテストを、2014年12月22日より28日まで開催する。
 それに先がけて同月12日、東京・秋葉原e-sports SQUAREにおいて一般招待客を招いた発表会が開かれた。この記事では発表会の模様とともに、会場でプレイできた第2回アルファテスト仕様の『LoVA』のインプレッションをお届けしよう。

 発表会では、まずシリーズプロデューサーの柴貴正氏が登壇し『LoVA』の開発経緯を語った。

 氏によると、そもそも『LORD of VERMILION』(以下、『LoV』)シリーズは、いまから10年ほど前、当時流行していたいわゆる『脳トレ』系などのタイトルがヒットするなかで、コアゲーマーに訴求できるものを作りたいという意志から生まれたものであり、それはこの『LoVA』にも引き継がれているとのこと。
 今回『LoVA』でアーケードからPCにフォーマットを移した理由としては、どうしても場所や時間などに制限のかかってしまうアーケードでのプレイではなく、もう少し気軽に『LoV』のおもしろさを味わえる環境を用意したかったからだと言う。
 さらに、PCゲームプレイヤーはアーケードゲームプレイヤーと同様に、ゲームに対するリテラシーの高い人々が多く、マーケットに類似点を見出すことができたためでもある、と語った。
 このたび2回目のアルファテストを実施することについては、より丁寧に『LoVA』を作っていきたい開発スタッフの意向によるものと明かし、「褒めてもらうだけでなく、きびしい意見も真摯に受け止めるのでどんどん送ってほしい」と呼びかけていた。

『LORD of VERMILION ARENA』第2回アルファテストに向けた発表会開催! 調整が加えられたゲームの手触りもお届け!_01
▲シリーズプロデューサーの柴貴正氏。「10年前、会社では干されていて……」と自虐を交えた軽妙なトークで観客を沸かせつつも『LoVA』の開発にかける熱い思いを打ち明けた。
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▲タイトルプロデューサーの和賀潤氏(左)、開発ディレクターの黒木崇氏(右)も登壇。この日初めて『LoVA』に触れるプレイヤー向けに、ゲームの基本的な部分から丁寧に解説していた。

ゲーム性、世界観ともに充実し始めた『LoVA』の仕様が明らかに

 ついでステージにはタイトルプロデューサーの和賀潤氏、開発ディレクターの黒木崇氏が登壇。『LoVA』のゲーム性および、第2回アルファテストでの変更点について説明を行った。

 和賀氏によると『LoVA』は基本プレイ無料、アイテム課金制のシステムを取り、“コアプレイヤーに支持される作品”を意識して製作されており、その根底には“Pay to Win”のゲームにはならない競技性を重視した姿勢があるとのこと。また、今回のアルファテストでは7人対7人の対戦モードのみになるが、ゆくゆくはプレイヤーどうしでチームを組んでの5人対5人対戦や、ひとり用のストーリーモードなど、遊びかたを充実させていきたいとも語った。
 さらに使い魔、世界観、デッキビルディングといった『LoV』シリーズの要素を活かしつつも、新たにいわゆるMOBAライクなゲーム性を付与し、1ゲーム15分という時間のなかでスピーディーに楽しめるゲームになっているという。

 続いて、黒木氏が第2回アルファテストについて解説を行った。以下に、その内容を挙げていく。

◆プレイヤーキャラクターの種族を新たに追加

『LoVA』は「いくつかの並行世界が存在し、互いに滅ぼしあっている」というのが基幹となる設定であり、ストーリーでも重要なポイントとなる。前回のアルファテストでは、プレイヤーキャラクターは並行世界のひとつ“ヴァ―ミリオン”の住人だったが、今回新たに獣人たちの住む“ライズ”という世界が加わり、ここに属する獣人たちもプレイヤーキャラクターに設定できるようになった。

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▲プレイヤーが選択できる“ヴァ―ミリオン”(左)と“ライズ”(右)のキャラクター。黒木氏によると“ヴァ―ミリオン”は“紅蓮の伝説”が残る世界でもあるとことで、アーケード版との世界のつながりを感じさせるものとなっている。“ライズ”のキャラクターは獣人であり、見た目はもちろんボイスなども“ヴァ―ミリオン”のキャラクターとは別になるとのこと。

 また、ナビゲートキャラクターとして、キャラクター作成時やホーム画面に“ドゥクス・ティア”という少女が現れるようになっている。ドゥクスという名前のキャラクターは、過去の『LoV』シリーズにもゲームシステムの解説役として登場しており、それらとのつながりも気になるところ。黒木氏いわく「彼女はストーリー上でも非常に重要な役割を果たす」とのことだ。

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▲これまでのシリーズのドゥクスは仮面をつけていたが、ドゥクス・ティアは素顔での登場となっている。

◆登場する使い魔が40種から100種へ

 第2回アルファテストでは、新たに60種類の使い魔が追加され、合計100種類の使い魔が使用可能になる。第1回アルファテストで要望の多かったものや『LoV』シリーズで人気の高い使い魔も追加されているとのことだ。

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▲追加された使い魔たちのビジュアル。
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▲このほかにも、プレイヤー人気の高い《アカズキン》なども収録されているという。

◆ショップやアイテム生成機能の追加

 使い魔を購入できるショップ機能も実装された。対戦後に獲得するゲーム内通貨を利用して、使い魔を購入できるようになっている。さらに見た目をカスタマイズできる装備品の生成機能も搭載。こちらは対戦後に獲得できる素材アイテムを使って作り出せるとのことだった。

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▲こらちはショップとアイテムの生成画面および対戦終了時の素材獲得画面だ。

◆マッチングレートおよび簡易チュートリアルの追加

 第2回アルファテストではマッチングレートシステムも採用され、なるべく腕前の近いプレイヤーとマッチングされるようになる。第2回アルファテストはさらにテスター人数を増やしての実施となるが、このシステムの採用により、『LoV』シリーズや前回のアルファテストでのプレイ経験者と、今回初めて参加するプレイヤーがマッチングされにくくなり、テストを楽しめない一方的な展開は減るのではないかと黒木氏は語っていた。

 また、前回のアルファテストでは、対戦しながら操作方法などを憶える必要があったが、今回のテストではゲーム開始から終了までの流れを試しながら学べるチュートリアル機能も実装される。発表会でもこのチュートリアルはプレイできたが、簡易と言いつつもしっかりゲームの基本を押さえた内容となっており、新たにテスターとして参加するプレイヤーがスムーズにゲームに参加できる助けとなることは間違いないだろう。

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▲プレイヤーが実力に合った環境でプレイできる仕組みがしっかり用意されている。なお、レートはマッチング画面などで確認でき、最初は1500からスタート。1回の対戦で8程度上下していた。

◆前回のアルファテストから得られたフィードバックをもとに細かなバランス調整も実施

 プレイヤーから寄せられた意見をもとに、ゲームバランスそのものにも以下のような調整が加えられた。

 ・ミニオンから入手できるマナの増量
 ・アシストで入手できるマナの減量
 ・ガードタワーに関する調整・変更
 ・キルで入手できるマナの減量
 ・中立モンスターの出現間隔の短縮
 ・ホームプレイスにいるあいだ、復帰中の使い魔のカウントダウンが早くなる