合併の理由は効率化を図り、進化を続けるゲーム業界の広い領域をカバーするため

 コンピュータエンターテインメント協会(以下、CESA)は、本日2014年12月2日に臨時社員総会の開催に合わせ記者会見を行い、ソーシャルゲーム協会(以下、JASGA)との合併を発表した。記者会見には、CESA事務局長、CESA会長、JASGA共同会長を務める下記の4人が出席した。

<写真左より>
事務局長:富山竜男氏 CESA事務局長
CESA会長:鵜之澤伸氏 バンダイナムコゲームス代表取締役副社長
JASGA共同会長:守安功氏 ディー・エヌ・エー 代表取締役社長
JASGA共同会長:田中良和氏 グリー 代表取締役社長

JASGAがCESAに吸収、合併へ よりユーザーにとって安心、安全な環境作りを目指す_01

合併の概要は以下となる。

(1)合併の形態
 CESAを存続法人、JASGAを消滅法人とする吸収合併。
(2)合併期日
 2015年4月1日
(3)合併後の活動
 JASGAで行われてきた、啓発活動、カスタマーサポート向上活動については、CESAで引継ぐものとする。
(4)事務所
 事務所については移転・統合する予定である。

 まず鵜之澤伸氏は、ゲーム産業の変化について「以前はパッケージソフトを中心としたコンソール型ビジネスがゲーム業界で発展してきたが、グリーやディー・エヌ・エーなどがガラパゴス携帯、スマートフォン用のゲームをユーザーに提供して新しい風をゲーム業界に吹き込んできた。業界の変化が早く、パッケージソフトであっても日々アップデートが行われており、家庭用ゲームとソーシャルゲームの差も明確ではなくなった」と言及。そのうえで「ユーザーに安心、安全にゲームで遊んでいただくためには、ともに活動を行ったほうが効率的である」と合併の理由について語った。

 守安功氏も、ソーシャルゲームが急速に発展したことを踏まえ、コンテンツサプライヤーとしてユーザーに安心、安全にゲームを楽しんでもらう環境を整備する必要性があると主張。守安氏はこれまでに“自主規制活動”、“青少年への啓発活動”、“カスタマーサポートの品質向上”ということを主要の“3本柱”として活動を続けており、JASGA設立から2年が経過したいま、消費者センターに寄せられる問い合わせの数は設立当初と比べ4分の1以下へと減少したそうだ。これは、以前は急速にゲーム業界が発展したために各種ガイドラインもバラバラであったが、次第に一般的なルールが浸透し、ユーザーへのサポートが行えた結果であると守安氏は語った。なお、合併にともないJASGAという名称はなくなるが、カスタマーサポートなどの主要な活動はCESAが引き継ぐとのこと。守安氏は今回の合併について、「発展的であり、新たな1歩である」と語った。

 また、富山竜男氏によるとCESAとJASGAとの会員は形態も会費も違うため、JASGAのみの会員となっていた企業がそのままCESAの会員になるわけではないとのこと。現在、JASGAの会員にCESAへの加入を呼びかけているが、どこまでの加入者が見込めるかは未知数だそうだ。役員については、守安功氏と田中良和氏がCESAの理事を務めるほか、2015年5月に行う定時社員において新しい体制を整備することが予定されている。

 富山氏は今後のCESAの活動について、カスタマーサポート向上委員会なりを設置し、JASGAが行っていた広報活動にも積極的に参画をしていきたいと語った。なお、いままでCESAが行ってきた修学旅行生を対象とした講習会、JASGAの地方への出張事業についても、マッチングをしたうえで継続するとのこと。

JASGAがCESAに吸収、合併へ よりユーザーにとって安心、安全な環境作りを目指す_02

 富山氏は今回の合併により、進化を続けるゲーム業界の広い領域をカバーでき、よりユーザーに安心、安全してもらう環境づくりが可能になると主張。また、CESAが主催する東京ゲームショウやCEDECに新しい企業が参画し、ゲーム業界の発展につながることを期待しているとのことだ。