新世代機版『GTAV』の実力を名人はどう見たか?

 2014年12月11日に国内で発売される、新世代機版の『グランド・セフト・オートV』(以下、『GTAV』)。プレイステーション4とXbox Oneのスペックをフルに活用し、グラフィックはもちろんのこと、さまざまな改善や追加がなされた本作を、クロスレビューなどでもおなじみのライター、毛利永世名人が実際にプレイ。そのインプレッションをお届けしよう。

発売が迫る新世代機版『GTAV』を毛利永世名人がプレイ!_01
発売が迫る新世代機版『GTAV』を毛利永世名人がプレイ!_02

魅せてくれ、新世代機の表現力を

 新世代機版の『GTAV』では、一人称視点で進行できる“FPSモード”を搭載したことで、いままで見られなかった細かい発見ができるようになっています。たとえば、体力を回復したいとき。小銭を払う場としてだけでなく“小銭を稼ぐ場”としても使えるコンビニエンスストアでは、きめ細かいテクスチャーで描かれた、商品棚や冷蔵庫に陳列されているビール瓶、ジャンクフードの箱を、間近で見ることができます。ドールハウスに置かれているような小物が好きな人は、建物の室内に陳列されている物を見るだけでも、思わずニンマリすることでしょう。
 マイケルの邸宅では、通常視点よりも高さを実感できる吹き抜けの玄関や、“健康のためなら何杯でも飲める”と勘違いさせる力を持つグリーンジュースを原寸大で拝めます(これ、日本の青汁スタンドで飲まされる量の5倍近くあるのです。これを一気飲みするなんて、オレには無理!)。

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ファミコン世代のツボを突きまくるラジオの新曲

 新世代機向けにリファインされた『GTAV』は、単に表現力が上がって、新たなミッションなどが追加されただけではありません。カーラジオから流れるラジオには、数多くの新曲が追加されています。それも、単にノリがいいとか歌声がキレイな曲だけではなく、“あのころを思い出させるような”曲が入っています。その代表が、“Los Ssantos Rock Radio”のDJを担当したアーティスト、ケニー・ロギンス自身が歌うヒット曲、『Danger Zone』!

Kenny Loggins - Danger Zone

 「これを聴きながらドックファイトしろ!」と言わんばかりの、憎い選曲ですな(笑)。ケニー・ロギンスは1980年代中盤、映画のサウンドトラックで大ブレイクしたアーティストです。すでに収録されている『I’m Free』は、1984年に公開された映画『フットルース』の挿入歌でもありました。

Kenny Loggins - I'm Free (Heaven Helps the Man )

 当時、『フットルース』や『トップガン』のサウンドトラックを買ったオレでも、今日までいちばん聴いていたラジオ局は“Los Santos Rock Radio”ではなく、ラテン系ならではの能天気なサウンドが銃撃戦やカーチェイスの場面と不思議にマッチングしていた、“East Los FM”です。ちなみに“East Los FM”でいちばん好きな曲が、Fandangoの『Autos, Moda y Rock and Roll』という曲。これも1980年代の曲だったとは知らなかったよ……。

Fandango - Autos, Moda y Rock and Roll