開発者お気に入りの“ギガンテス”は？
本日2014年11月27日、セガのプレイステーション Vita用ソフト『ファンタシースター ノヴァ』がついに発売された。ここでは、同日に秋葉原セガ1号館で開催された発売記念抽選会イベントと、本作の開発者へのインタビューをお届けしよう。
『ファンタシースター ノヴァ』のソフトを購入することで参加できる抽選会には、ゲームに登場するキャラクター“ルティナ”と“フィルディア”のコスプレイヤーも登場し、ファンがいっしょに記念撮影をする姿が見られた。抽選会で用意されていたのは、 『ファンタシースター ノヴァ』オリジナルパーカーや出演声優サイン色紙など。
抽選会場に訪れていた、本作のプロデューサーである都築靖之氏、ディレクターの山下浩平氏へのインタビューをお届けしよう。
――発売日を迎えての率直な感想を教えてください。
都築靖之氏（以下、都築） 「ようやく発売に至った」という安堵感でいっぱいです。共同で制作をさせていただいたトライエースさんには多大なご負担をおかけしましたし、いっしょに作るということにプレッシャーを感じ続けていました。そのことが、ようやく実を結んだと思います。ぜひ、たくさんの方にプレイしていただきたいです。
山下浩平氏（以下、山下） 今日という日を迎えられてよかったです。『ファンタシースター ノヴァ』は“約束”がテーマなので、ちゃんと発売日という約束を守れてよかったなあと（笑）。『ファンタシースター』シリーズのファンの皆さんはもちろん、なるべく多くの方の希望に応えたいいという気持ちで、今日まで全力で開発してきました。いい結果が出てほしいです。
――配信中の“序盤体験版”を遊ばれたユーザーさんからの反響はいかがでしょうか。
都築 今年の夏に配信した“バトル体験版”からの改善点と、武器のカスタマイズがとても好評でした。また、バトル体験版ではキャラクタークリエイトができなかったので、そこを今回の序盤体験版の“売り”として皆さんに体験していただけているという印象です。そうそう、皆さんには序盤体験版でもう少し長い時間遊んでいただけるのかなと思っていたのですが、あっという間にレベル上限になってしまったそうです。すごい勢いでプレイされていただいていたようで、うれしいです。
――『ファンタシースター ノヴァ』のここに注目してほしい！ というポイントはありますか。
都築 『ファンタシースター』シリーズでは“自由度”が重要なので、キャラクタークリエイトやカスタマイズなどで、自分だけのキャラクター育成を楽しみつつもストーリーを追っていただけたらうれしいです。また、巨大な敵“ギガンテス”に立ち向かうことも売りのひとつなので、そのバトルもぜひ楽しんでください。すごくやり応えのある内容となっているはずです。
山下 サバイバル要素に注目してほしいです。この場所でどういうふうに過ごせばいいかということを、拠点や武器のカスタマイズを踏まえつつ、見つけてほしいです。
――ダウンロードコンテンツなどの予定はありますか。
山下 まだ具体的な日にちは決まっていませんが、バージョンアップという形でダウンロードコンテンツを用意しています。また、クリアー後に発生するクエストなどが、ダウンロードコンテンツとは別にソフトの中に入っていますので、そちらもぜひプレイしてみてください。
――おふたりのお気に入りのギガンテスについて教えてください。
山下 見た目がエビのような“エウリュード”です。ギガンテスにはそれぞれテーマとなる武器があって、“アグリオス”は大砲、“ガラティオン”はチェンソー、エウリュードはリボルバーとなっていて、エウリュードはリボルバーのなかにある武器を変えて攻撃するんです。エウリュードが放ってくる追尾ミサイルは撃墜できないから避けるしかない、レーザーもステップでかわさないといけないというやっかいな相手なのですが、放ってくる武器によって近接攻撃にしようか、遠距離から攻撃しようか、などと戦略をコロコロと変えていくおもしろさがあります。また、ギガンテスにはベースとなる個体以外にも、“亜種”がいますので、さまざまな種類のギガンテスがいるということにも注目してください。
都築 エウリュードは山下がこだわったエビらしさと、気持ち悪い足の動きが楽しめますよ（笑)。 私がお気に入りのギガンテスはアグリオスです。『ファンタシースター ノヴァ』を象徴する敵であり、ゲームデザインのベースにもなっているので、強い思い入れがあります。
――おふたりのお気に入りのキャラクターは誰ですか？
都築 ルティナです。彼女はいつも主人公といっしょにいてくれて、プレイヤーの代弁者のようなキャラクターです。弱い部分も持っているのですが、気丈で、明るく元気なところが好きです。
山下 いちばん好きなのはフィルディアです。彼女は自分が艦長の器ではないと感じつつも、「やらなければならない」とがんばっています。主人公から見たら彼女は先輩であり、隊長であり、上司であり、格好よく見えるかもしれませんが、裏ではいろいろと抱えているものがあります。そういうところを身近に感じていただきたいですね。また、僕は『ファンタシースター ノヴァ』のキャラクター全員が大好きです。サバイバルのなかで、皆がどうやって自分の足りない部分を補おう、どうやって乗り越えていこう、と悩んでいます。それぞれのキャラクターのかわいらしさにも注目してください。
――開発において大変だったエピソードがあれば教えてください。
山下 バトル体験版のときに、ユーザーの皆さんから移動速度が遅いという声をたくさんいただき、これを修正することが何よりも大変でした。トライエースさんと「ユーザーの皆さんにいいものを届けたい」というところで意見が一致し、なんとか舵取りができました。
都築 本作の開発とは別の話になりますが、今年の6月くらいから“ファンタシースター感謝祭2014”の全国行脚がありました。僕はゲスト出演程度の短い期間だけの参加だったんですけど、これがけっこう大変でした。隔週で開発陣から新しいネタを用意してもらって、皆さんに提供しなければならなかったのですが、ネタがないときもあったりして……そういう開発状況とプロモーションとがうまくかみ合っていないところにに苦労しました。『ファンタシースターオンライン2』の酒井智史プロデューサーはもっと大変だったと思います。感謝祭では『ファンタシースター』ファンの皆さんの“熱”を感じましたし、いい経験をさせていただきました。
――これから『ファンタシースター ノヴァ』をプレイするユーザーに、メッセージをお願いします。
都築 昨年夏の“東京ゲームショウ 2013”で初めて発表してから、1年半という長い期間を経て、ようやく皆さんのお手元に届けることができました。今回が初めてトライエースさんと作ったプロジェクトとなります。今後もいろいろと『ファンタシースター』シリーズを展開させていただきたいと思っていますので、応援していただけたらうれしいです。
山下 序盤体験版のアンケートを読ませていただいて、バトル体験版では見えなかった、初めてわかったことを、アップデートで対応していくように動いています。いまでも十分やり応えを感じていただけるとゲームになっていると思いますが、さらに改善をしていこうと考えていますので、よろしくお願いします。
『ファンタシースター ノヴァ』は、キャラクタークリエイトを初めとした『ファンタシースター』シリーズならではの自由度はもちろん、レベルを上げれば誰でもクリアーできるというRPGの要素もあるので、シリーズのファンだけでなく、新しく『ファンタシースター』を遊んでみたいと考えている人も安心してプレイできるタイトルだ。サバイバル要素の強い舞台での“新しさ”をも含めて、ぜひ楽しんでみてほしい。
