開発秘話も語られた『ファイナルファンタジーエクスプローラーズ』スペシャルイベント“冒険者の館”リポート

2014年11月15日、スクウェア・エニックスは、2014年12月18日(木)発売予定の『ファイナルファンタジーエクスプローラーズ』のスペシャルイベント“冒険者の館”を同社本社にて開催(一日3回)した。ここでは、3回目に行われたイベントの模様をお届けしよう。

●試遊あり、ぶっちゃけトークあり! ファンにはうれしいアットホームなイベントに

 2014年11月15日、スクウェア・エニックスは、2014年12月18日(木)発売予定の『ファイナルファンタジーエクスプローラーズ』のスペシャルイベント“冒険者の館”をスクウェア・エニックス本社にて開催(一日3回)した。ここでは、3回目に行われたイベントの模様をお届けしよう。

 同イベントでは、東京ゲームショウからアップデートされたシングルプレイ、マルチプレイが試遊体験ができたほか、開発者を交えたトークショウも行われた。


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▲マルチプレイでは、フェンリルに挑むこともできた。フェンリルは強敵だが2チームが撃破した模様。※写真はアドバイスするプロジェクトマネージャーの安部貴博氏。

 開発者トークショウでは、ディレクターの橋本厚志氏とプロデューサーの三浦宏之氏が開発裏話や開発の思い出などを語った。


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▲トークショウでは、開発当初の資料やプレイ映像なども公開。右はディレクターの橋本厚志氏。

 『ファイナルファンタジーエクスプローラーズ』のコンセプトは、『ファイナルファンタジー』を題材としたマルチプレイアクションRPG、そして“自然と人間”がテーマ。“自然と人間”については三浦プロデューサーからのオーダーだったらしく、「召喚は自然のエネルギー“クリスタル”を守る存在。そんな自然界の強敵と人間との戦い、せめぎ合いという設定になっています」(三浦氏)。

 そのコンセプトに合わせ、開発当初は、『クリスタルエクスプローラー』というタイトルだったことが明かされ、“ファイナルファンタジー”はサブタイトルに入っていたという。「ゲームとしては、モンスターをよりフィーチャーした“ファイナルファンタジーモンスターズ”といったイメージでした」(橋本氏)。

 ジョブは、当初は12だけだったとのことだが、開発が進むうちに「もうちょっとほしくなり」(橋本氏)、20くらいになったとのこと。また、召喚獣の力を憑依させて使うという要素があり、これはトランスという形で残っていることや、ダンジョンに潜っていくゲームだったが、フィールドを追加したことなど、開発スタートから現在の形になるまで、さまざまな試行錯誤の末、現在の形にまとめられていったという。

 マルチプレイに関しては、RPGらしさを残すという意図で、アクション性をあまり高めず、MMOとMOのよさをいいバランスで落とし込むことを意識。それぞれのジョブの役割(ロール)を考慮することが、攻略では重要になるゲーム性となっている。

 また、最近のゲームのプロモーションでは、発売前にどんなゲームかを知ってもらうため、ニコニコ生放送やYouTubeなどでWeb番組を通じ、ゲームをアピールをする場を設けたりするが、本作でもニコニコ生放送で番組を配信。だが、8月の番組でのデモプレイ中、モンスターがジャンプ(瞬間移動)するバグが発生。「よりによって番組中に、と青ざめました(苦笑)。バグは、パラメーターをいじれば解決する簡単なものや、原因がわからないもの、再現性がないものは解決が難しい」(橋本氏)が、8月のバグに関しては“同期ズレ”が原因。橋本氏は、原因はすぐにわかったが、その解決にはいろいろと苦労したと、振り返った。


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▲デザインスーパーバイザーの小林元氏。

 続いてはゲストとして、本作のデザインスーパーバイザーの小林元氏が加わり、イメージイラストやメインビジュアルの制作工程などが紹介された。小林氏はリメイク版の『サガ2 秘宝伝説』や『サガ3 時空の覇者』のメインビジュアルなどを手掛け、『すばらしきこのせかい』や『スクールガールストライカーズ』ではキャラクターデザインを担当。「『すばせか』では、メインは野村さん(野村哲也氏)のイラストがあったので、野村さんの特徴的なラインだったり、『すばせか』のヒップホップのようなイメージを自分の中で消化しながら、NPCのデザインなどもさせてもらいました。『スクールガールストライカーズ』では、いかにカワイイ女の子を描くかがチャレンジでした」(小林氏)。


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 本作では、開発当初のイメージイラストから、3Dモデルを作るためのイラスト、プロモーション素材用のイラストなど、さまざまなイラストを手掛けた小林氏。とくにシヴァのイラストは、三浦プロデューサーのこだわりが強く、かなり描き直したとのこと。「シヴァは、セクシーに、という使命感があった(笑)」(三浦氏)とのことで、そのセクシーな表現により、『ファイナルファンタジーエクスプローラーズ』のCEROレーティングはB(12才以上対象)になったという。

 本作で小林氏が挑戦したこととして挙げたのは、グリザイユ画法。これは、単色で陰影を塗り分け、その後に着色していく手法。絵のタッチにもよるが、単色で明暗を描いておくことにより、その後の着色が、デジタルで描いている場合はとくに容易になるのだとか。


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▲イラストの参考に使われた小林氏のグッズ(?)たち。「これ(ガイコツの標本)は骨太郎っていうんですけど、1分の1スケールの私物です。ポージングの参考に重宝しています(笑)。このウルト●マンのフィギュアは、すごく動くんですよ。いろいろな体勢とってくれて、写真はアマテラスのポーズをとらせているところです」(小林氏)

 ロゴのキーイラストは天野喜孝氏によるもの。天野氏からあがってきたイラストは、当初、伝えていたイメージ以上の「ゾクッとくるもの」(三浦氏)だったというが、宣伝担当的には、ロゴの配置には苦心したそうだ。最終的には、宣伝部担当と三浦プロデューサーとでロゴのデザインを含め、配置を考えて、いまの形に落ち着いたとのことだ。


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コンポーザーの関戸剛氏。

 トークショウ後半では、小林氏に加えて、もうひとりのゲストとして、音楽を担当した関戸剛氏も登場。本作の楽曲制作の過程などを振り返った。

 楽曲を作るにあたって、打ち合わせやメインビジュアルで世界観を把握し、どういう音楽にしていくか、音色、リズムなどを決定していったという関戸氏。そこからデモを作成し、ディレクターやスタッフに聴いてもらって、修正を加え、ブラッシュアップ。その後、レコーディングの際に必要な音を足したり差し替えたりといったことを経て、完成させていったとのこと。

 お気に入りの曲は、ノーマルバトル曲。「α版のときに作ったもので思い出深いです。ちなみにバトル曲が全曲中、半分弱くらいありまして、ふつうの作品より多いんです。ボス曲も多くて、いったい何匹おんねん、と思いました(笑)」(関戸氏)。

 会場では、初期段階に作成し、アウトテイクになったメインテーマの一部も披露された。「アウトテイクは(スクウェア・エニックス e-STORE専売の)『ファイナルファンタジーエクスプローラーズ ~アルティメットボックス~』(→こちら)に“スッピントラックス”という形で入れています。そのほかのアウトテイクも入っています。アウトテイクですが、バッチリ最後まで作っていますので、通して聴きたい方は買ってください(笑)」(関戸氏)とちゃっかりアピール。


 試遊とトークショウで、各回、2時間に及んだ本イベント。最後に開発スタッフからの挨拶でイベントは締め括られた。

「今日はお越しいただきありがとうございました。『ファイナルファンタジーエクスプローラーズ』をみんなでプレイして楽しんでいただければ。それと大事なことなんですが、『スクールガールストライカーズ』も、ぜひ遊んでください(笑)」(小林氏)

「僕、アルティメットボックスが欲しいので買おうと思っています。皆さんもいかがでしょうか。なんとスッピントラックスというものも同梱されていますので……以下、省略です(笑)」(関戸氏)

「長く遊んでもらうと、いろいろな側面が見えてくる作品です。セオリーにとらわれず、いろいろな戦いかたを試して遊んでもらえればと。私も発売されたらオンラインに飛び込みますので、皆さん、いっしょに楽しみましょう」(橋本氏)

「今日はありがとうございました。実際に体験していただいて、おもしろかったな、と思っていただけたんじゃないかなと。先日、配信が始まった先行無料版は、製品版に一部データが引き継げますので、そちらも遊んでいただいて、製品版に移行していただけるとうれしいです。製品版は、先行無料版よりバランスが改善された内容になってますので、楽しみにしてください。この先行配信版は2時間半くらいでひと通り遊べると思うのですが、内容は本編の5%くらいです。ぜひ製品版にご期待いただければと思います」(三浦氏)。


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 イベント終了後にはお土産も用意され、参加した人は大満足だったはず。ちなみに、2014年12月14日には、『ファイナルファンタジーエクスプローラーズ』ユーザー参加型プレミアイベントも開催される(詳細、参加応募は→こちら)。ニコ生での公式放送や、豪華プレゼントもあるので、こちらもぜひ注目してほしい。

■イベントを終えて

――2時間×3回のイベント、お疲れさまでした。ユーザーのプレイの様子を見られていて、いかがでしたか?

三浦 楽しそうにプレイされている様子を見られて、うれしかったです。先行無料版をやっている方が大半かな、と思っていて、体験していただいた内容もその仮定をもとに決めたのですが、実際は無料アプリ版をプレイされていた方が少なめで、意外と初めて触るという方も多かったんですよね。でも、マルチプレイで協力し合ってクリアーできていたので、よかったなと。

橋本 最初の準備時間で、アビリティのセットや基本の部分を十分に把握できなかった方がちょっとつまづいていたかな、というのが1回目のときにはあったんですが、こちらも対応を丁寧にしていって、最終的にはうまく作品のおもしろさをわかっていただけたかなと思います。ゲームショウのときより、じっくりと時間をかけて、マルチプレイでも会話をしながらプレイできたりもして、開発者としては、とてもテンションの上がるイベントでした。

――先行無料版が配信されて、多数のユーザーの声が発信されていますね。

橋本 さまざまなご意見をいただいています。チュートリアルの出しかたについては、反省する部分もありますが、「やめどきがない」と言ってくださっている方もいます。このゲームは純粋なアクションゲームではなくアクション“RPG”で、いろいろと尖らせている部分があり、最初に触ってすぐにはおもしろさがわかりづらいかもしれません。でも、おもしろくなるポイントが必ずあります。

――アクションRPGの“RPG”部分が重要になるわけですね。

三浦 そうですね。“ハンティングアクション”を想像して手にした、という方が思ったよりも多かったのですが、『FFEX』はアクションRPGで、ハンティングアクションとは手触りが違いますから、そこに戸惑われる方はいるようです。RPG要素によって、じわじわとおもしろくなっていくゲームですので、じっくりと遊んでいただければと。

橋本 マルチプレイを楽しんでくれている方は、そうした本作の遊びについて、とくに肯定的に見ていただけているかなと思います。たくさんの方に、そこまでやってもらえるように情報を発信していくというのが、今後の課題です。

――それでは、本作に興味のある方や、先行無料版を遊んでいる方にメッセージをお願いします。

橋本 無料先行版はいろいろな要素が詰まっているので、ジョブを変えてみたり、オンラインにつないでみたり、さまざまなことを試してみてください。仕込みはたくさんあるゲームなので、遊び込んでほしいですね。製品版の発売は2014年12月18日と年末に近いので、休みも利用してじわじわと遊んでいただければと思います。

三浦 本作は、アクションをアビリティでの発動という形に落とし込んでいます。覚えないと、そのアクションが取れないわけです。また、ジョブのロール(役割)を重視し、回避行動も基本アクションとしてでなく、アビリティとしての取得が必要です。徐々にこうしたアクション使えるようになっていき、キャラクターが成長することで、加速度的におもしろさも増していきます。バリバリのアクションゲームより時間は少し必要になるのかもしれませんが、遊び込めるものになっていますので、ぜひ先行無料版や製品版を楽しんでください。