機械が苦手な坂下千里子さんも、“コドなび!”での学びと遊びを称賛
2014年9月29日、バンダイナムコ未来研究所 ファンシアターにて、バンダイ初の本格幼児向けタブレット端末“コドなび!”の発表会が行われた。
バンダイは以前にも“あそんでまなべる!アンパンマンカラーパッド”という幼児向け玩具を発売していたが、今回発表されたのはAndroid搭載、無線LAN環境によりインターネット接続が可能という、まさに本格仕様のタブレット。メールでのやりとりはもちろん、アプリをダウンロードすることも可能だ。
こう書くと、「ふつうのタブレットとの違いって?」、「子どもがタブレットの遊びに依存してしまわないか」、「子どもの教育においてマイナスにしかならないのではないか」という声があがりそうだが、本商品はそうした親御さんであれば誰もが思う疑問や不安にしっかりと応えている。発表会から、その詳細をお伝えしよう。
■重要なのは、“楽しく、便利に”、“安心して子どもに持たせられる”こと
バンダイ 取締役 飛田尚美氏は、現代の子どもたちがスマートフォンやタブレット端末に触れる機会が多いこと、それらがコミュニケーションにおいて重要な役割を果たしていること、有害サイトや課金サイトへアクセスするなどの危険があることを踏まえ、「タブレットを子どもから取り上げるのではなく、タブレットを理解し、“楽しく、便利に”使うこと」、「アンパンマンというキャラクターを使って、安心して子どもに持たせることができる」タブレット端末を目指し、“コドなび!”を開発をしたと語った。
子どもが安心して遊ぶために、“コドなび!”にはネットへの接続時間の制限、遊ばせる時間を設定できる機能などがある。これは“パパママ管理画面”でのみ設定が行え、複雑なパスワードロックをかけることが可能とのことだ。
会場では、以下のテレビCMとプロモーションビデオもお披露目となった。
コドなび!CM「そらって何色?篇」
コドなび! 商品PV
■150メニュー以上のアプリをプリインストール お母さんのお助けアプリも収録
具体的な商品のポイントは、バンダイ プレイトイ事業部 デピュティゼネラルマネージャーの村瀬和絵氏が解説してくれた。
“コドなび!”のアプリには、回転寿司で選んだ“ネタ”を画像として表示する“おすしやさん たいけん”、動物をタッチすると音声と動画で名前を教えてくれる“もののなまえ”、カメラで撮影した色を取り込んで塗り絵ができる“スタンプおえかき”などがある。プリインストールされているアプリのメニュー数はなんと150以上。追加課金一切なしでこれだけ遊べるというのも、長所と言えそうだ。
中には親も聞いたことがないような“世界の楽器”が楽しめるアプリもあり、“親子でいっしょに学ぶことができる”というのも特徴のひとつ。さらに、“お母さんのお助けアプリ”では、歯磨き”や“お着替え”など、動画を観ながら生活習慣を身につけるきっかけをつくることもできるとのこと。
こうした“遊びながらの学び”は“まなびナビ”という両親専用の画面で確認ができる。子どもがアプリで遊んだ回数を記録するだけでなく、グラフで7つの“子ども力”を診断。学習の進捗から色別でタイプ診断がされるだけでなく、アドバイスをもらえる。どんなふうに“子ども力”がついてきたか、と確認することも、親にとっては楽しみのひとつだそうだ。
また、Andoroidならではのメール機能では、子どもの成長記録を写真つきで送ることもできる。“コドなび!”では、“玩具ではできなかった機能”がたくさん入っているのだ。
■“コドなび!”の3つの大切なこと
“コドなび!”の総合監修を担当した東京学芸大学の松田恵示教授は、商品の学びと取り組みのポイントについて解説。松田教授はタブレットを“いかに子どもたちにとってプラスのものとして考えていけばよいか”ということから、“学びの新しい形”を端末に乗せたい、ということを考えていたそうだ。
松田教授は、“コドなび!”において大切であることとして、つぎの3つを掲げた。
(1)親子のコミュニケーションを促進する端末であること
(2)間接的な遊びと直接的な遊びをつなげること
(3)子どもの遊びの原点を大切にすること
(1)は、子どもひとりでタブレットで遊ぶだけではなく、アプリを親子で楽しむことができたり、成長記録を見たりできること、(2)は塗り絵で実際の空の色を取り入れたり、“回転寿司”などの生活に身近なものが登場するアプリなどで“バーチャルとリアルの体験を結びつける”こと、(3)はルールを守って活動していくという、子どもの主体的な遊びをも“コドなび!”は引き出してくれることなどを指している。
■坂下千里子さんの親目線での“コドなび!”の魅力とは
ここで、スペシャルゲストとしてタレントの坂下千里子さんが登場。坂下さんには3歳と5歳の子どもがおり、1週間だけ“コドなび!”のモニターを行ったとのことだ。
坂下さんは、自身が機械が苦手ということもあり、子どもにはタブレットやスマートフォンを触らせずに“カルタ”や“あやとり”などの古風な遊びをさせていたそうだが、子どもたちは“コドなび!”に触れるとすぐに使いこなしていたそうだ。
坂下さんがさらに驚いたのは、遊んでいた娘が「ママ、これ子どもにすっごくいいね!」という大人っぽい感想を言ったことだった。また、“コドなび!”を独占して遊ぶこともなく、お姉ちゃんが「ほかの遊びもあるよ」と弟に遊びかたを教えていたこともあったようだ。
発表後に行われた、坂下さんへの合同インタビューの模様をお届けしよう。
――坂下さんはタブレットをお持ちでないということですが、子どもたちといっしょに“コドなび!”を遊んでみていかがだったでしょうか。
坂下千里子さん(以下、坂下) 子どもたちは、私が教えるまでもなく“コドなび!”を使いこなしていましたね。そこに置いているだけなのに、ロックを解除して、自分の好きなアプリを遊んでいました。私が教えられているような感じです(笑)。
――お子さんたちは、普段はどのような遊びをされているのでしょうか。
坂下 基本的に子どもたちは“外遊び”が大好きなのですが、先ほども言ったように雨の日は“カルタ”や“あやとり”や“折り紙”など古風な遊びをしています。
――いまの子どもと、昔の子どもで遊びかたが変わってきているという実感はありますか。
坂下 娘は“ゴム跳び”が大好きだったりするので、それほど変わっていないと感じる部分もあります。ただ、私の時代はタブレットなどはありませんでしたからね。子どもに与えるもので変わってくると思います。
――ご自宅にニンテンドー3DSなどのゲーム機はありますでしょうか。
坂下 持っていないです。ただ、息子たちはいとこがニンテンドー3DSを持って遊びに来たとき、すごく興味があるような素振りをしていました。実際、“コドなび!”を1週間お借りしたとき、もう釘付けになっていました。これはクリスマスにおねだりされるのかな、と思いました(笑)。
――子どもに、タブレットやゲームを与えない理由というのは何かあるのでしょうか。
坂下 私が機械が苦手で、教えられないから与えていない、という部分もあります。ずっと独占して遊んでしまわないかと、親としては危惧する面もありますよね。そういうところをうまく“使い分けて”いければいいなと思います。たとえば、うちの娘は“コドなび!”を弟にゆずったり、お姉ちゃんとして優しく遊びかたを教えてあげた場面もあったんです。お寿司の魚の名前などを楽しみながら学んでいたようなので、そこもすごくよかったと思います。
――お子さんは「ママ、これ子どもにすっごくいいね!」とコメントされたとのことですが、坂下さん自身は“コドなび!”をどう感じられたのでしょうか。
坂下 時間を決めて遊ぶことができるのがいいと思いました。やっぱりタブレットばかりで遊んでいると「目が悪くならないかな」と気になるのですが、“コドなび!”ではこの時間まで遊べて、この時間からはオフになるという設定ができるので、安心できました。
――坂下さんは子育てのどのような点に苦労されているでしょうか。
坂下 3歳の息子がすごくやんちゃなことですね。「ストップ!」と言ってもなかなか聞いてくれないので(笑)。そういうときは「物が壊れるから、なげちゃだめだよ」というふうに理由を添えてやさしく怒ってはいます。そんな息子も、“コドなび!”ではお姉ちゃんに教えてもらいつつ、学びながら遊んでいたのですごく微笑ましかったですね。
“コドなび!”は全国の玩具店、百貨店や量販店の玩具売場、“プレミアムバンダイ”をはじめとしたインターネット通販で10月25日より発売予定、価格は28000円[税抜]を予定している。子ども向けのおもちゃとしては高価だが、子どもにとっては楽しみながら学習ができ、学びの幅が広いというほかの玩具にはない特徴がある。大人にとっては、普段使いのタブレットとして楽しめるほか、子どもの成長をグラフで実感できることは大きな利点だろう。
個人的には、松田教授の“間接的な遊びと直接的な遊びをつなげる”ということにも注目したい。ゲームはゲーム、外の遊びは外の遊びと、明確に分ける必要はないのかもしれない。大人も、リアルの空の色を、バーチャルの塗り絵として使える“スタンプぬりえ”などで、リアルとバーチャルがリンクする体験をしてみてはいかがだろうか。
※記事の初出時に“コドなび!”の発売日の誤りがありました、お詫びして訂正いたします。
(2014年9月30日 午前11時15分)