アクション、ホラー、ドラマなどの多様な体験ができるゲームに

 2014年9月18日から21日(一般公開日は20日、21日)まで千葉県・幕張メッセで開催されるイベント“東京ゲームショウ 2014”。ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアより2015年2月20日発売予定のプレイステーション4用ソフト『The Order: 1886(オーダー: 1886)』について、開発を手がけたRu Weerasuriya氏にインタビューを行った。

『The Order: 1886(オーダー: 1886)』開発者インタビュー 歴史を踏まえて制作された“現実味のある架空”とは【TGS 2014】_04
▲開発を手がけたRu Weerasuriya氏(左)と、本ローカライズを手がけた片見龍平氏(右)。片見氏はインタビューの翻訳も務めた。

 まず、『The Order: 1886(オーダー: 1886)』のデモプレイが展開。アクション、シューティング、ホラーの要素を持つゲームであること、リアルタイムのレンダリングや物理演算処理などプレイステーション4の能力を最大限に引き出されていることなどが紹介された。作中に登場する武器は、すべて実際のものをベースに作られているとのことだ。

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――『The Order: 1886(オーダー: 1886)』開発の経緯を教えてください。

Ru Weerasuriya氏(以下、Ru) ずっと、子どものころからスイスの歴史が大好きだったんです。フィクションよりもそちらのほうがずっとミステリーが多いのです。そこで、歴史をベースにグラフィックを書きたいと思いました。作品中に登場する史実をもとにデザインし、そこにチームが作り上げたものを加えることで、作品が仕上がっています。

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――建物や武器などは実際のものをゲームに取り入れているということですが、キャラクターにおいてもそうなのでしょうか。

Ru 登場人物の多くは、着ているものも含めて実際の人物をもとに制作されています。今作で非常に特徴的なのは、現実と架空の融合というところです。実際の歴史を踏まえているからこそできる“現実味のある架空”の創造というものができています。ユーザーにとっては“信じられる架空の世界”というものが作られているのではないでしょうか。

――恐怖演出が印象的でした。何か、参考にされたホラー作品はありますでしょうか。

Ru 本作において“血が天井からしたたり落ちる”というシーンがあります。あれは映画の『エイリアン』を参考にしたりしています。主人公が門を閉めようといているときに敵が襲って来るシーンも『エイリアン』ですね。また、本作の魅力はホラーに限りません。作品の最初から終わりまで、プレイ中にさまざまなアクション、ホラー、ドラマなどの多様な体験ができます。それらをすべて楽しんでいただきたいと思います。

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――開発に苦労した点はありますか?

Ru プロジェクト当初からテクノロジーやストーリーなどにリスクを背負いながら開発しています。開発においていちばん楽なのは完成形を想像すること(笑)、難しいのはそれを実現することですね。

――Ruさんがとくに好きなスイスの歴史について教えてください。

Ru スイスというのは、地理的な条件もあり600~700年にわたって戦争をしてきた国です。ローマ時代、カール大帝、ルネッサンス、産業革命など、ヨーロッパはさまざまな歴史があった中で、今回はビクトリア時代、産業革命の時代を選びました。このゲームで、そうした“歴史”に訪れていただけるとうれしいですね。

――日本のユーザーにメッセージなどがあればお願いします。

Ru 発表当初から日本のみなさんから声援をいただいており、世界観もとても魅力的になりました。みなさんの手に届く日が待ち遠しいです。

 本作のローカライズを手がけた片見龍平氏からも、「本作はビクトリア時代の一部をベースにしており、“円卓の騎士”などの伝説も登場しています。歴史が好きな日本のユーザーにも楽しんでいただける内容になっていると思いますので、よろしくお願いします」と、日本で発売を待っているユーザーへメッセージが贈られた。

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 Ru氏が言ったように、『The Order: 1886(オーダー: 1886)』はホラー演出はもちろん、アクションやドラマなどをトータルに楽しむことができそうな内容だ。

 ちなみに、Ru氏や片山氏が語ったビクトリア時代とは、“切り裂きジャック”による連続殺人事件が起こり、地下鉄や白熱電灯が登場し、電信や電話で世界中の情報が手に入るようになった時代でもある。東京ゲームショウ 2014でも、その歴史に触れてほしい。

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