異色の野球格闘がシーズン開幕
Team Reptileの対戦アクションゲーム『Lethal League』を紹介する。プラットフォームはPCで、Steamなどで1380円(公式サイトから直接購入の場合は13ドル99セント)で発売中。
野球と対戦アクションが合体したカオスなゲームで、プレイヤーは球をお互い打ち返し、相手の打球が当たったら一発アウトというルール。最大4人での対戦が可能だ。
シンプル&カオス。気軽にワイワイ遊べるパーティーゲーム
操作は簡単。移動以外は基本的にスイング、ジャンプ、バントの3ボタンしか使わない。プレイヤーがボールを打つたびに打球が高速になっていき、次第にヒットストップ(打った瞬間の一時停止)とともに画面が暗転したり、演出が入っていのだが、中でもスイングボタンを長押しする溜め攻撃をすると一気にスピードアップしていく。
渾身の打球が打ち返されたら一気にピンチになるので、打ち合いが続いてお互い打撃時に「ゴゴゴ……」と鳴るようになってくると、気持ちよさと緊張感が高まって脳汁出まくりだ。ボールの勢いを殺してその場にフラッと上げるバントでタイミングをずらしたり、キャラ固有の特殊技や必殺技を使って相手を出し抜こう。
オンライン対戦やBot(CPU操作のキャラ)も搭載しており、1対1の対戦やタッグ戦も可能なのだが、やはり本作の真髄は、自分以外が全員敵の4人対戦フリー・フォー・オール。
打球が当たれば一発アウトということで、初心者が適当にブン回した打球に当たってアウトという“事故”もしばしば起こるが、次のラウンドから冷静に立ち回っていけばそうそうラッキーは続かない。逆にゲームの要素ををシンプルに限定していることで、幅広い人が楽しめるようになっているメリットの方が大きいと思う。
ジャンプとキックの2ボタンしか使わない格闘ゲーム『Divekick』が2D格闘ゲームの“差し合い”を取り出してインディー的に解釈したものだとすれば、本作『Lethal League』は、スマブラや『ダウンタウン熱血行進曲』のワイワイ感や幅広さを活かしつつ、間合いと立ち回りの攻防をインディー的に再構築したものと言えるのではないだろうか。
マッドなアートとサウンドも注目
登場キャラクターは5名で、小規模チームによるタイトルの常と言うべきか、デザインはディレクターのDion Koster氏が単独で担当。その結果、ヘタウマ風なアートスタイルによる個性的でぶっ飛んだキャラクターたちが生まれている。簡単なプロフィールと技を紹介しよう。
・RAPTOR
15歳の少年でリーグのルーキー。武器は金属バット。必殺技(打つごとに貯まる必殺ゲージがMAXの際にヒットボタン連打で発動)は連続してフルスイングすることで打球方向を強引に変える二回打ち。画面端では三角飛びが可能。
・SWITCH
製造5年の元労働ロボットで、武器はスケボー。必殺技はキックフリップで、下に来た打球を反射する(彼のみジャンプ中にジャンプボタンで発動)。壁と天井を走ることができるほか、斜め上に打ち返そうとするとなぜか後方上に打つ特性がある。
・CANDYMAN
タップダンスを好む28歳ミュータントの奇人。武器は杖。必殺技は壁や床を突き抜けて反対側からボールが出てくるワープボール。唯一ノーマルジャンプで最上段の球を打てる脅威の跳躍力を持つ。
・SONATA
23歳のBガール。巨大スピーカーがついたハンマーが武器。必殺技は途中で方向を変化させる魔球。二段ジャンプが可能。
・LATCH
20歳のサイボーグクロコダイル。機械化されたしっぽで打球を打ち返す。必殺技はボールを一回食べてワンクッション置いてから放つ技。動きはややスローだが、壁に張り付けるという特技がある。
サウンド面も出色の出来で、デジタルヒップホップ、テクノ、ブレイクビーツといずれもノリが良くていい感じ。公式サイトからサンプルを聞いたり、曲のダウンロードや購入もできるので、気になる人はチェックされたし。
まぁそんな感じで、幅広い人がワイワイ楽しめる本作。値段がそこそこするのがいけないのか、オンライン対戦のマッチングに時間がかかって寂しい気がしないでもないのはアレだが、そこは今後の盛り上がりに期待しつつ、Steamのフレンドや、オフラインでゲーマー友達が集まった際などに遊んでみてほしい。