ストーリーの一端も明らかに
2014年8月13日(水)~17日(日)の5日間、ドイツ・ケルンのケルンメッセにてヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2014が開催中だ。『シャドウ・オブ・モルドール』は、ワーナー・エンターテイメントより、2014年12月11日に発売されることが決まったばかりの期待作(⇒関連記事はこちら)。中つ国の“モルドール”を舞台に、『ホビット』と『ロード・オブ・ザ・リング』をつなぐ時代の物語が描かれる、オープンワールドのアクションRPGだ。そのストーリーの一端が明らかにされるプレゼンテーションが行われるというので、取るものもとりあえずワーナー・エンターテイメントのミーティングルームに足を運んでみた。プレゼンを担当したのは、以前ファミ通.comでも取材したことがある、『シャドウ・オブ・モルドール』の開発元であるモノリスプロダクションのデザイン・ディレクター、マイケル・デ・プラター氏だ(⇒関連記事はこちら)。まずは、サウロンが登場する最新映像をご紹介しよう。
本作の主人公はレンジャー(野外活動を得意とする戦士)のタリオン。モルドールの辺境を警備していたところサウロンの手のものに倒されるものの、“幽鬼”の意志により蘇えさせられることになる。“スピリッツ”の名前はケレブリンボール。サウロンとともに、指輪作りに関わったエルフだ。
デモは物語の序盤、タリオンがゴラムを探すミッションが紹介された。タリオンは、蘇ることによっていくつかの特殊能力をケレブリンボールから与えられており、過去を視る力もそのひとつ。デモでは、過去を視る力を駆使して、ゴラムの歩いた跡をたどっていくシーンが紹介された。ちなみにゲーム序盤の段階では、ケレブリンボールは記憶をなくしており、タリオンが駆使できるパワーの種類は少ない。ケレブリンボールの記憶が蘇るにつれ、徐々に能力が増えていくことになる。
ゴラムは、本作においては、タリオンとケレブリンボールのあいだをつなぐ“カギ”となる存在とのこと。デモでは、ゴラムの登場シーンも紹介されていたが、『ロード・オブ・ザ・リング』や『ホビット』に登場するゴラムと変わらぬ存在感に驚かされる。ちなみに、プラター氏はプレゼンにおいて、ケレブリンボールとタリオンの関係とフロドとサムの関係の共通点を指摘していた。フロドとはご存じの通り、『ロード・オブ・ザ・リング』の主人公。サムはその相棒だ。フロドは“指輪”の存在を受け、自ら進んで冒険に身を投じるが、サムはふつうの人で、ある意味フロドに巻き込まれてしまい、自分でできるだけのことをしようする。それがそのまま、ケレブリンボールとタリオンとの関係になぞらえられるというのだ。ふたりの冒険行がどのようなものになっていくのか、興味深い。
デモでは、本作の重要なフィーチャーである“ネメシスシステム”も改めて紹介された。“ネメシスシステム”とは、オークたちの勢力関係が刻々と変化するシステムのこと。今回、“ネメシスシステム”の3つの重要なファクターが紹介された。
(1) ワールドに存在するどのオークも、経験値を得て進化を遂げ、やがてリーダーになれる。
(2) リーダーになるまでの抗争の過程はそのまま反映されるので、ほかオークとの独自の関係性が紡がれる。
(3) 主人公が倒されると、ふつうは“リセット”となり何事もなかったかのように再度挑戦することになるが、本作ではゲーム内の時間はそのまま進行する。
(3)の主人公が倒されても、そのままゲーム内の時間が進行するというのは、ケレブリンボールによりタリオンが復活させられたという設定を活かしたフィーチャーと言える。“ネメシスシステム”では、たとえば、主人公を倒したオークが力を得て、リーダーになる……といったダイナミックな展開につながっている。いずれにせよ、“ネメシスシステム”は相当奥が深く、どのようなゲームプレイをもたらしてくれるのか、楽しみだ。
(取材・文 編集部/F)