ナイスたちの活躍が舞台でも描かれる!
2014年8月16日~24日、六本木の俳優座劇場にて、舞台『ハマトラ THE STAGE -CROSSING TIME-』が公演される。それに先駆けてゲネプロ(プレビュー公演)が開催、その模様をネタバレにならない範囲でリポートしていく。
『ハマトラ』は、“ミニマム”と呼ばれる特殊能力を持つ人間“ミニマムホルダー”が巻き起こす事件を、ナイスとムラサキの探偵コンビが解決していくテレビアニメ。2014年7月より第2期となる『Re: ハマトラ(リプライ ハマトラ)』が放送中。2014年7月17日にはニンテンドー3DS版のRPG『ハマトラ Look at smoking world』がフリューから発売されたほか、週刊ヤングジャンプではテレビアニメの1年前を描くコミックが連載中だ。
そんなアニメ『ハマトラ』が、ついに舞台化。キャスト陣は以下の通りだ。公演スケジュールやチケット情報については、公式サイトを参照してほしい。

<キャスト>
高橋健介(ナイス役)
黒藤結軌(ムラサキ役)
高橋紗妃(はじめ役)
大島崚(バースデイ役)
高崎(※)俊吾(レシオ役)
酒井蘭(コネコ役)
金井祐介(ガスケ役)
田中稔彦(マオ役)
五十嵐啓輔(モラル役)
栩原楽人(アート役)
※正しくは山へんに「竒」
ストーリーは舞台オリジナル。ミニマムホルダーたちによる拳銃事件が多数発生、同時にミニマムホルダーの脳が抜き取られるという猟奇殺人事件も街を騒がす。一方、カフェ・ノーウェアではマスターが外出し、カレーが品切れしてしまう。まだまだ食べたりないはじめのために、コネコはハマトラにカレーの作成を依頼する。果たして事件の真相は、そしてはじめのお腹は満たされるのか……!?
主軸はシリアスながら、ノーウェアの面々が織りなすコミカルなパートも多々あり、笑える局面が多い内容になっていた。見どころは、ワイヤーアクションも(少し)取り入れたアクションシーン。“音速で動く”、“旋風を起こす”といった現実ではあり得ない“ミニマム”を、ダイナミックな殺陣で見事に再現。所狭しと舞台を駆け回るキャストの演技は、一瞬たりとも見逃せない内容であった。









また歌のシーンが多かったのも印象的。ときには演技しながら、ときにはダンスを決めつつと、そのバリエーションも豊富。とくにダンスはキャスト全員の息がピッタリと合っており、取材メモを取ることも忘れるほどに引き込まれてしまったくらいだ。




演出面では、2階建てのセットを活用しているのが見事だった。2階の部分にはスクリーンが貼られており、回想シーンを影絵で表現したり、ミニマムの名称をスクリーンで映し出すなど、ストーリーを理解しやすく、かつ格好よく見せる仕掛けが施されていたのだ。


『ハマトラ』らしい仕掛けのひとつが、“情報屋マオの情報求ム!”というコーナー。一般のファンから寄せられた、横浜や『ハマトラ』に関するタレコミ情報を紹介するという内容で、ゲネプロでは「横浜には、中にシウマイがたくさん入った、ウェディングケーキのようなジャンボシウマイがある」といった情報が紹介され、来場者の笑いを誘っていた。タレコミ情報は現在も受付中なので(→コチラ)、気になる情報を知っている人はぜひとも送ってみよう。
また、ゲネプロ後にカコミ取材が行われたので、その一部を抜粋してお届けしよう。
Q.プレビュー公演を終えての感想をお願いします。
高橋健介 「直前まで顔の絆創膏を張り忘れていたのに、誰も気づかないというハプニングがありました(笑)。ギリギリまでいろいろと変更があって、もっと詰めていかなければ、という課題の部分も見えたと思います。公演以降はさらに余裕あるものを見せて、千秋楽までがんばっていこうと思います」
黒藤結軌 「暖かいお客様が多く、笑ってもらえましたが、あくまでプレビュー公演。本公演は気を引き締めて集中し、最高のモノを見せていけたらいいなあ、と思っています」
栩原楽人 「ここに来るまで山ほど苦難があり、やっと形になりました。詰めなくてはいけない部分はたくさんありますが、楽しんでもらえたことは間違いないし、やっていることは間違っていないと確信できました。がんばります!」
高橋紗妃 「1ヵ月半ぐらい、みんなで稽古をしてきて、初めて形になりました。実際の反応も感じられ、初公演までの時間は残り数時間ですが、もっとみんなで話し合って完璧に仕上げられれば、と思います」
酒井蘭 「いい緊張感でできたな、と思います。いままでやってきたことを考え直し、ひとりひとりができることを100%の力でやっていきたいです。がんばります!」
大島崚 「僕も高橋君のようなアクシデントがありまして。カーテンコールのとき、格好つけながら前に出るというシーンがあったのですが、さっきは足を踏まれてサンダルが片方脱げた状態で格好つけていました(笑)。こういうアクシデントも舞台の醍醐味。初日は気を引き締めて盛り上げていきたいと思います」
高崎俊吾 「お客さんが入り、どんなところで笑ってくれるか、泣いてくれるかがわかってきました。その部分を見つめ直し、初公演を迎えたいと思います」
金井祐介 「滞りなく通せたことが、非常によかったと思います。直前に変更があって、試せないままプレビュー公演を迎えた部分もあり、そういった不安のなか、気持ちを入れていくことが大変でした。(完成度は)まだまだ伸びると思っています」
田中稔彦 「紙を広げるというシーンを暖めてきたんですが、プレビュー公演では紙が半分に切れてしまった(笑)。1回ぐらいはパシッと成功したものをお客さんに見てもらいたいですね。まだまだ8分なので、これから10割に持っていきます!」
五十嵐啓輔 「モラルが出たときお客さんが引いた空気が伝わってきて、僕の役作りは間違っていなかったという自信につながりました。緊張した部分もありましたが、初日からは肩の力を抜いて、モラルの余裕さを出して、もっと楽しい作品に創り上げていこうと思います」
Q.ファンへメッセージをお願いします。
高橋健介 「何度も見に来ていただける方もいらっしゃると思います。僕たち『ハマトラ』は毎公演120%の力を出し、毎回同じだけど同じじゃない舞台を出していきたいと思います。劇場でお待ちしています!」
黒藤結軌 「どうしても暑く、見るほうも体力を使うと思いますので、水分、塩分をしっかり取っていただいて体調を整えてください。お互いコンディションを最高に保って、“『ハマトラ』の夏”にできたらいいな、と思います」
栩原楽人 「主役のストーリーだけをやっていく作品ではありません。それぞれが、それぞれのストーリーを持っている。1回では見切れない部分はたくさんあると思うので、見れば見るほどいろいろなことがわかってきます。細かいところも繊細にやっているので、探していただければ」
高橋紗妃 「それぞれの役が生きている舞台なので、いろいろな視点から見て楽しんでいただけたらうれしいです」
酒井蘭 「この舞台はファンの皆さんといっしょに作り上げていくものだと思います。いっしょに楽しんでいただけたら、と思います」
大島崚 「ハマトラに女の子二人組、それに便利屋。それぞれのコンビの関係性も描かれているので、そういったところも見ていただきたいです」
高崎俊吾 「原作を知らない方にも伝わるような、繊細な演技をしています。ぜひともよろしくお願いいたします」
金井祐介 「舞台をやるのにいちばん考えるのは、見てくださるファンの方のこと。ぜひ楽しんで応援していただけるとうれしいです」
田中稔彦 「1ヵ月間、滅茶苦茶稽古してきましたが、僕たちが生きているのは舞台上での2時間弱の時間。そこで精一杯生きますので、その姿を楽しんでください!」
五十嵐啓輔 「ふつうに見たら、僕が闇でみんなが光だと思うんですが、僕から見ると僕が光でみんなが闇。一瞬でもそういう風に思えたシーンがあったなら、モラルとして生きていて幸いです」
原作を知らなくとも楽しめるよう、丁寧に仕上げられた舞台『ハマトラ THE STAGE -CROSSING TIME-』。原作ファンやキャストのファンはもちろん、気になった人もぜひ夏休みに足を運んでみてはいかがだろうか。なお平日は、公演後のアフタートーク時に抽選で1名にニンテンドー3DS用ソフト『ハマトラ Look at smoking world』がプレゼントされるコラボ企画も実施中だ。
(取材・文:ライター/喫茶板東)