Wargaming.netのブースはユニークであることが重要
ドイツ・ケルンにて2014年8月13日から開催されている欧州最大級のゲームイベントgamescom 2014。この一大イベントにF2Pのオンラインアクション『World of Tanks』などで知られるベラルーシのWargaming.netもブースを出展している。Wargaming.net社といえば、gamescom開幕前日“Wargaming.net”のプレイヤーアカウント登録者数が1億人を突破したことを発表し、ここ数年で急成長を遂げたメーカーだ。
そのWargaming.netのヨーロッパにおけるマーケティング・ディレクター Rahim Attaba氏に話しをうかがう機会を得たのでここで紹介しよう。マーケティングの担当者に話をうかがうという機会はなかなか貴重だ。
――gamescomに関してはどんな印象を持たれていますか?
Rahim gamescomには、10回目の参加になります。そのうちの3回がWargaming.net社からのになります。個人的には一般のゲームユーザーが参加するgamescomがもっとも好きなゲームイベントです。
――ほかの大規模イベントとgamescomの違いはどこだとお考えですか?
Rahim ほかの大規模イベントはコンシューマーゲームをメインとしたイベントということを強く感じます。gamescomはコンシューマーゲームはもちろんですが、PCソフトメーカーも大きなブースを構え、存在感を感じますし、何より、一般のゲームファンが楽しめるよう各社ブースも工夫を凝らしていますので、興奮度の高いイベントだと思っています。
――準備にはどのくらいの期間を要しているのですか?
Rahim gamescomの準備には約8ヵ月を要しています。去年の11月からどんなブース展開をしようかとミーティングを重ね、協力してくれるパートナーなどと、さまざまな調整をして……ということで、どうしても時間がかるのです。ただ、みんなが努力してひとつの目標に突き進むことで、弊社スタッフの関係性を向上させることにも大いに役立っています。ですので、プロモーション以外の意義も大きいですね。
――このgamescomが終わってひと息ついたら、またすぐ来年のgamescomに向けて着手するわけですね。
Rahim その通りです(笑)。
――出展するにあたって重視している点はどこでしょうか?
Rahim ユニークなブースを展開することです。今回はふたつのコンセプトがあります。ひとつはステージ。今回は、『World of Warships』をイメージしてステージの左右に水槽を用意し、その水の中が美女がパフォーマンスを行います。
――それはインパクトがありますね(笑)。
Rahim もちろん、ステージプログラムも重視していて、あまりゲームから外れたものはせず、戦車や艦船などをカッコよく魅せることに重きを置いて、ゲームに関心を持ってもらえるよう構成しています。具体的には、各タイトルのプロデューサーやディレクターなどが、ゲームの紹介、今後の構想などのプレゼンテーションを定期的に実施しています。Q&Aなども用意して、ステージを見ている方も参加できるようにしています。ステージに興味を持ってもらって、弊社のタイトルにも興味を持ってもらいたいと思っています。
――gamescomでは、ステージからTシャツやグッズを配ったり、大いに盛り上がっているのが印象的なのですが。
Rahim 来場者の方々はそれをひとつの楽しみにしていますので、弊社のブースでもTシャツやグッズをプレゼントしますよ。また、ブースに来て試遊していただいた方々には、家に帰ってからも楽しめる、思い出に残るようにおみやげを用意しています。今回、おみやげは袋詰にしてお渡しするのですが、その中には50ユーロ(日本円に換算すると8月16日のレートで約6800円ほど)分のグッズが詰まっています。Tシャツやアイテムコードなどですね。
――50ユーロとは破格ですね。
Rahim そうだと思います。Tシャツやグッズ単体のおみやげはほかのブースでも見かけますが、グッズの詰め合わせはなかなかないと思います。これもユニークであることのコンセプトのひとつですね。
――今回、『World of Warship』が出展されて、待機列も長く相当な人気ですね。
Rahim ベラルーシという小さな国のゲームにも関わらず、長い待機列ができるほどユーザーの方々に受け入れられていることを誇りに思います。一方で、待機列で長時間待たれている方々に対しては、申し訳なく思います。我々としては、待機中にもミニゲームでコンテストをしたり、アンケートなどを実施して、できるだけ退屈しないよう配慮しています。また、待機列では一定間隔で座れるスペースや飲み物も用意していますので、少しだけ楽にお待ちいただける時間もあります。
――“Wargaming.net”のプレイヤーアカウント登録者数が1億人を突破しました。急成長を遂げているわけですが、マーケティングも変わってきましたか?
Rahim 今年4月にテレビCMをゲーム業界ではなかなかやらない規模で展開するなど、プロモーションを大規模に展開することができました。ただ、出資する金額に見合う効果があるかなど、日ごろから細かく数字をチェックしています。また、最近のマーケティングの方針としては、各ターゲット層に合わせたマーケティングを心がけています。たとえば、ミリタリーに興味があるかたの多くは、ネットなどデジタルのものよりは、印刷物を好む傾向にありますので、そういった方々へは印刷物で訴求する、といったことをやっています。
――gamescomが終わると、大規模なゲームイベントとしては、東京ゲームショウがあります。東京ゲームショウへは来たことがあるのですか?
Rahim 残念ながらまだ一度も行ったことがないのです。今年もまだ行けるかどうかわかりませんが、gamescom同様、一般のゲームユーザーが参加するゲームイベントですから、ぜひ一度、行ってみたいですね。
東京ゲームショウはWargaming Japanがブースを出展する。どんなブースを展開しているのか、来場したらぜひ足を運んでみよう。