時間を巻き戻して別の結果を探っていくアドベンチャー

 スクウェア・エニックスは、ドイツ・ケルンにて2014年8月13日から開催されているgamescom 2014に先駆け、DONTNOD Entertainmentが開発を手掛ける新作アドベンチャー『Life is Strange』を発表した。gamescom 2014のスクウェア・エニックス ビジネスエリアでは、同作の実機デモを交えたプレゼンテーションが行われたので、本作の概要とともに紹介しよう。

スクウェア・エニックスとDONTNODが放つ“AAAインディー”アドベンチャー『Life is Strange』とは?【gamescom 2014】_05
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主人公Max
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Maxの親友、Chloe。家主の銃を拝借するほどのワルに変貌。

 『Life is Strange』の舞台は、Arcadia Bayというオレゴン州の架空の町。主人公は高校生のMax(マックス)。彼女は5年振りにArcadia Bayに戻り、親友だった同級生Chloe(クロエ)のもとを訪ねる。

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 だが、ChloeはMaxが知っていた彼女ではなく、パンクなファッションに身を包み、性格も変わっていた(ざっくりと言うとグレていた)。5年前、Maxが街を離れて寂しい思いをしていたChloe。それにさらに追い打ちをかけるように、父親が亡くなってしまう。そのあと失意のChloeを支え続けてくれていたのはもうひとりの親友Rachel(レイチェル。Maxとも親友)。だが、そのRachalも6ヵ月前に謎の失踪を遂げてしまう……。不幸が重なり、ひとり取り残されたChloeは寂しさを紛らせるためか、荒んだ生活を送るようになる。Rachelの疾走には不可解な点が多く、本作はRachelのこの謎を解決するということが目的となる。

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 本作の大きな特徴は、Maxが時間を戻す能力を持っている、という点(Maxがなぜそんな能力を持っているかは不明)。この能力をどう活かすか、という点に関して、プレゼンでは次のようなシーンが紹介された。

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▲Chloeの部屋にはポラロイドの写真が壁に貼られている。本作では、この写真がアイコニックなアイテムになるという。

 Chloeと再会したMaxは、彼女の部屋でMaxが街を去ってからの話を聞く。互いにぎこちないふたり。その空気に耐えられなくなったのか、Chloeが気晴らしにパンク調の音楽をかけると、その音量の大きさに怒った家主(Chloeはこの家主の家の部屋を間借りしているようだ)が部屋のドアの前までやってきて口論となる。「ドアを開けろ!」と怒鳴る家主。家主が部屋に入ってくると、Chloeが吸っていた煙草の吸い殻が見つかってしまう。Chloeは家主に誰が吸ったのか問い正されると、ChloeはMaxの名前を出し、あからさまなウソをつく。そこで家主は、それが本当かどうかMaxに問うと、選択肢が表示。ここで正直に自分ではないことを告白すると、Chloeとの関係がさらには悪くなってしまっう……。

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▲家主もまっとうな人間とは思えないタイプ。Chloeの荒んだ毎日が想像できる。

 そこで時間を巻き戻し、自分(Max)が吸ったと罪をカブると、Chloeとの関係はひとまず保たれる……。

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▲時間を巻き戻す能力を使うと、フラッシュバックのような演出が入る。

 もうひとつ心惹かれたのはグラフィック。正直、新世代機が出たあとでは、一世代前という印象だが、絵画的、シネマ的なテイストが織り交ぜられ、とてもアーティスティックなものになっている。デモは夕暮れ時のシーンだったが、Chloeの部屋の窓から注ぎ込まれる夕日の光がMaxとChloeを照らすと、とても幻想的な美しさ。このあたりの絵作りの上手さは、さすがパリに拠点を置くスタジオの作品、といった印象だ。

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 プレゼンしてくれたクリエイティブ・ディレクターのJean Maxime氏は、デモの最後に「本作はインディーとAAA(トリプルエー)タイトルの中間くらいのものを目指しており、自分たちの中では“AAAインディータイトル”と目指して開発しています」と述べた。本作はダウンロードタイトルとして、複数のエピソードを順次配信していくとのこと。日本でのリリースは未定。ぜひ日本でもリリースしていただきたい!

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▲プレゼンテーションをしてくれたクリエイティブ・ディレクターのJean-Maxime氏と実機デモを操作してくれたアートディレクターMichel氏(ともにDONTNOD Intertainment)。プレゼンルームは、ゲームの雰囲気に合わせ、ポラロイド写真が壁に貼られていた。

(文・編集者S)