失われた世界“ヴォイド”をみんなで再建しよう!

 2014年8月12日(現地時間。日本時間は13日)の“gamescom 2014 PlayStation Press Conference”で発表された、キュー・ゲームスのプレイステーション4向けの新規タイトル『The Tomorrow Children』。ソニー・コンピュータエンタテインメントは、同作のプレゼンテーションをgamescom会場近くのホテルで開催。講演者は、キュー・ゲームス代表取締役のディラン・カスバート氏だ。

『The Tomorrow Children』ってどんなゲーム? ディラン・カスバート氏がプレゼンテーション【gamescom 2014】_06

 gamescom 2014 PlayStation Press Conferenceで公開されたトレーラーは、どこか無機質でかつレトロな雰囲気を持つ、独特な世界観が映し出されていたが、いまひとつゲームの内容をつかむことができなかった。今回のプレゼンテーションでは、ゲームの世界設定や目的といった概要を解説。おぼろげながらにも、ゲームの輪郭が見えてきた。


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 まずは、本作の独特な舞台設定から。本作の舞台は、とある実験によりあらゆるものが失われてしまった世界“ヴォイド”と呼ばれる。イメージとしては、1960年代のロシア冷戦時代の雰囲気を持つ、未来の地球の姿のようだ。実験の失敗により、“ヴォイド”は白く広大な世界になっている。点在する島々は人類の意識で、ヴォイドは人類の潜在意識が融合したものと言えるのだそうだ(独創的!)。このヴォイドに文明を取り戻すというのが、大きな目的となる。

 グラフィックにも独特なテイストがあり、それにひと役買っているのが、ボクセルコーントレーシングと呼ばれる次世代のライティングシステムの採用だ。建物や風景の変化に対して動的なライティングを施すことができ、おもに影や反射の表現は、これまでのゲームとはまったく印象が異なる。

 さて、プレイヤーは実際に何をすればいいのだろうか。具体的には、人々を復活させて人口を増やし、国にタウンを認めてもらえるようにする。プレイヤーは島々に行き、タウンを作るための資源を集めて、文明を再建させるのだ。島々にあるマトリョーシカには人間の標本が閉じ込められており、タウンへ持ち帰ると人間の形に復活させられる。国のほうも、この人間の標本を探しているらしい。

 ひとつのタウンには、50人から100人のプレイヤーが関わることになり、世界そのものは共有するが、プレイヤーどうしは同期しない。ほかのプレイヤーが同一のタウンで活動していると、それは影として見える。口笛を吹けば、相手にも聞こえる。よくあるマルチプレイではないものの、関わっている世界は同じなので、「つぎはどんなビルを建てよう?」といった意思決定の投票も行えるようだ。

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『The Tomorrow Children』ってどんなゲーム? ディラン・カスバート氏がプレゼンテーション【gamescom 2014】_04

 プレゼンテーションでは、実際にプレイデモも見せてくれた。プレイヤーは、ミサイルランチャー、ジェットパック、懐中電灯、シャベルといったアイテムを持ち、資源を回収しに行く。デモでは、金鉱のようなものを掘り当てているところを確認できた。タウンでの移動は、おもにバスを利用する。どうやら、乗り物の数が限られているらしい。バスの中では、プロパガンダ放送が流れていた。

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 タウンにはモンスターも登場する。モンスターをミサイルで倒すと、体が結晶化。この結晶は、タウンで何かを作るときに使えるとのこと。また、他人がモンスターと戦闘している際、助けることもできるようだ。協力するかどうかはユーザーに委ねられている。協力的でなくても大きな問題にはならないが、世界にとって悪い行動ばかりをくり返していると、タウンに警察署がある場合、留置所に入れられたりもする。

『The Tomorrow Children』ってどんなゲーム? ディラン・カスバート氏がプレゼンテーション【gamescom 2014】_02

 世界はマルクス主義よろしく、プレイヤーのすべての行為は記録され、1日の終わりに労働事務所を訪れると、その日の収入が得られる。ここで得た収入で、アイテムや武器を購入したり、自身の強化やアビリティ習得が行える。

 プレイヤーは、基本的にひとつのタウンに所属することになり、そのタウン内に自分の家を持つことができる。ほかのタウンへは、ゲストとして遊びに行くことは可能なようだ。また、タウンの移籍には対価がかかるとのこと。タウンは、プレイする人が減って人口が減ると、自然消滅してしまう。その場合、ほかのタウンに参加するか、新しいタウンでゲームを始めるしかないようだ。

『The Tomorrow Children』ってどんなゲーム? ディラン・カスバート氏がプレゼンテーション【gamescom 2014】_01

 短い時間だったが、プレゼンテーションは終了。とりあえず、複数のプレイヤーでタウンを再建させていくという目的はわかったが、どのような施設を建てられて、どれくらいの文明にまで発展させられるのかは、これから徐々にわかっていくようだ。どうやら、やみくもに人口を増やすと、電力や食物消費が増えるため、そのあたりも考慮しないといけないらしい。タウンによって再建のプロセスはまったく異なるだろうし、タウンが発展したところのビジュアルがどのようになるのかも楽しみだ。これからも本作に注目していきたい。