いったいどんな背景があるのか?
アメリカのカリフォルニア州サンディエゴで開催中の、Comic‐Con International(コミコン)。ユービーアイソフトが開催した『アサシン クリード ユニティ』のパネルディスカッションで、2本のトレイラーが公開された。
パネルディスカッションに出席したクリエイティブ・ディレクターのAlex Amancio氏が「ストーリー展開のヒントがあるかもね」と言ってイベントの最後に公開したトレイラーでは、主人公アルノがギロチンから救おうとした女性の胸元に、どうもテンプラーらしきマークのペンダントが。ふたりは脱出するために背中合わせで周囲と戦い始めるのだが、テンプラーはアサシン教団と対立していたハズ。禁断の愛なのか、どちらかがスパイなのか、まさかアルノが気付いていないのか、それとも?
パネルディスカッションでは同氏によりゲームの解説や、ネット投稿の質問によるQ&Aなども行われた。E3などの発表内容と重複する部分も多かったが、個人的に面白かったのはCo-op(協力プレイ)の“ブラザーフッド・ミッション”について。
ブラザーフッド・ミッションは全部で11種類を予定しており、それぞれが30分から40分程度のボリュームがあるという。『Watch_dogs』のシステムを応用し、プレイ中は皆、自分はアルノのままで、他のプレイヤーは格好がアレンジされた仲間のアサシンとして見えるというのがユニーク。みんなが主人公の気分のまま遊べるというこのテク、今後も目にすることがありそうだ。
またメイン部分でも、パリ市内は「ほとんど当時と同じスケール」で、パリの中ではローディングもなく、シームレスに歩き回れるという。フルスケールであるからこそ建物の内部も充実させてミッションやお宝なども用意しているそうなので、期待したい。
街の部分の作りとしても、これまではミッション中はフリーローム時のシステムから切り替えてミッションに集中できるように表現していたところ、今作では3つの勢力(体制側、過激派、群衆)が争っている混沌状態こそがふさわしいということで、より融合した設計に一新。
すでに公開されているゲームプレイトレイラーなどでも、2000人の群衆が騒ぐ広場に乗り込み、混乱に乗じてターゲットを殺害する映画のようなシーンが表現されており、まさに次世代機にふさわしい“次世代のアサシンプレイ”が体験できそうだ。
退廃と狂気のパリをスプラッターに描くロブ・ゾンビ版トレイラー
そしてもう一本のトレイラーは、ミュージシャンであり映画監督でもある鬼才ロブ・ゾンビと、「ウォーキング・デッド」原作コミックの初期エピソードで作画を担当したトニー・ムーア氏によるコラボレーションで生まれたショートアニメーション。
つねにどこかヨーロピアンなスタイリッシュさが感じられる『アサシン クリード』本編とは異なり、このショートアニメーションは、パリの内臓を引き摺りだして充満する退廃と狂気を暴くような、泥臭く血なまぐさいアメリカンな作風。
ロブ・ゾンビ監督作「デビルズ・リジェクト」が大好きで、「ウォーキング・デッド」アメコミ版もドラマ以前から買い集めていた記者としては、まさに夢のようなコラボ。合わない人もいるかもしれないけど、このコンビらしい仕上がりで、個人的には最高です!
アサシン体験ができるアトラクションも連日営業中
コミコン会場近くでは、CPO(チーフ・パルクール・オフィサー/最高パルクール責任者)に就任したMichael “Frosti” Zernow氏の設計によるアトラクション“The Assassin's Creed Experience”も運営中。
いわゆる“SASUKE”的なステージをタイムアタックするコースと、塔からイーグルダイブできるアトラクションが用意されており、アサシンムーブを体験する人で連日大賑わい。定期的にプロによるアサシンショーなども行われていて、会場に向かう人や観光客の注目を集めている。
(文・取材・写真:ミル☆吉村)