遊んで初めてわかった、テンポのいい手触り!

 日本一ソフトウェアから2014年9月25日に発売予定の、プレイステーション3用ソフト『神様と運命覚醒のクロステーゼ』。“究極の選択”をテーマにした、新作のダンジョンRPGだ。発売日を約2ヵ月後に控え、ついに編集部にプレイアブルROMが到着した。“究極の選択”はどのように登場するのか、ダンジョンRPGのシステム部分の手触りはどうなのか。今回、本作を担当する2名の記者が実際にプレイしたファーストインプレッションをお届けする。また、本作のシステム紹介動画も掲載。文章と合わせて、観ていただければ、本作のシステムがよりわかるだろう。

【独占先行公開】『神様と運命覚醒のクロステーゼ』のプレイインプレッションを、システム紹介動画とともに公開!_06
【独占先行公開】『神様と運命覚醒のクロステーゼ』のプレイインプレッションを、システム紹介動画とともに公開!_05
▲初回限定版のパッケージ。
▲こちらは通常版。

 まずは本作の“基本システム”、そして特徴的な“転神”システムの紹介動画をご覧いただけると、以後のインプレッションもよりわかりやすくなるだろう。

神様と運命覚醒のクロステーゼ システム紹介ムービー 『基本システム』

神様と運命覚醒のクロステーゼ システム紹介ムービー 『転神』

■ダンジョンも会話も本気で迷う“究極の選択”
Text by 世界三大三代川

 重い。選択が重い。“究極の選択”をテーマにしていると聞いていたものの、1話の中で2回も3回も選択を迫られる場面があるなんて、思ってもいなかった! しかも、どれもこれも命に関わるものばかり。2択ならば、どちらか正解を選べば誰も死なない……なんていうことはなく、どちらを選んでも誰かが本当に命を落とす。重い。このゲーム、見た目とのギャップだけでなく、想像以上に重厚です……。

 とはいえ、重厚なストーリーとは裏腹に、ダンジョンに挑むゲーム部分はテンポが非常によく、サクサク進んでいきます。テンポがいいので遊びやすい。本作ならではの天使や悪魔に変身する転神システムも、L2ボタン、R2ボタンひとつでできるので、目の前に迫った敵に合わせて、ちゃっちゃと転神して敵を倒していくのが気持ちいいです。……ただし、気軽に転神しまくっていると、転神に使うSPが徐々に足らない状況に! 敵が少ないときはまだ対処のしようがあるものの、“善”属性の敵と、“悪”属性の敵に囲まれたときにどうしたらいいのか! つぎの一手に本気で迷う。これこそ、ランダムダンジョンRPGの醍醐味ですよね。まあ、悩みに悩んであっさりやられることもあるんですが!

 ランダムダンジョンRPGの魅力と言えば、武器や盾などの強化も忘れてはいけません。本作でも武器どうしを組み合わせる合成などがあるのですが、それ以上に楽しいのが主人公・シンを強化する“結晶育成”。レベルアップや会話の過程で得られる“クリスタルポイント”を使って、天使側、悪魔側の能力を強化していくんですが、この強化システムが、RPGらしくて非常に楽しい。ただし、ここも究極の選択。天使側を強化するか、悪魔側を強化するか。はたまたバランス型がいいのか。個人的には、両方の能力が使いたいので、ついついバランス型にしてしまっていますが、果たしてこれでいいのだろうか……。物語終盤で困ったことにならないだろうか……。そんな迷いも含めて、つねにプレイヤーを悩ませるゲームです。

 “どちらかのヒロインを救えば、もう片方のヒロインが死ぬ”。そういう究極の選択があることは百も承知で始めたものの、ジュピエルとアルルによる、主人公の引っ張り合いにニヤニヤしたり、重厚な展開にドキドキして、ふと気づけば数時間経つほど夢中に。その最大のポイントは、ゲームのテンポのよさだと思います。前作のクォータービューよりも遊びやすくなったことに加え、システムが整理されたことで、つい先のダンジョンへ進みたくなる。そうして、先へ進んでいくと、ヘビーな究極の選択が現れ、その結果が気になってストーリーを読み進めてしまう。今井麻美さん演じるジュピエルと、原由実さん演じるアルルのどちらを選ぼうかなあなんて、気軽に考えながらプレイしていたものですが、そんな不純(?)な気持ちはどこへやら。いつの間にか、天使と悪魔のストーリーにどっぷり魅入られていたようです。

 かわいらしい見た目のアドベンチャーパートと、SDキャラクターのダンジョンパートからは想像できない重厚な内容。遊べば、連続する究極の選択の虜になります!

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■あなたはどちらの“答え”を選びますか?
Text by ジャイアント黒田

 近所の中華料理屋を訪れると、私はいつも“究極の選択”を迫られる。ラーメンにすべきか、それともチャーハンにすべきかと。たいていの場合は結論が出せないまま、ラーメンとチャーハンを注文(セットではなく、それぞれ単品の組み合わせ)。そして、編集部に向かう坂道でお腹をさすりながら後悔する。餃子はいらなかったな……と。

 このように究極の選択(?)だと思っていても、たいていは“第3の選択(” =逃げ道とも言う)が用意されている。だが、本作に登場する究極の選択には、逃げ道がいっさいない。本当にない。「これはどっちも選びたくない!」というものを、何度も何度も何度も迫ってくるのだ。たとえば、序盤でジュピエルを助けに行くシーン。シンの目の前には傷ついた天使兵たちがいる。“彼らを助ける”のか。それとも“ジュピエルの救出に向かう”のか。心情としては、急いでジュピエルの救援に向かいたい。だが、目の前の傷ついた人たちも放ってはおけない。どちらを選んでも、後味の悪そうな展開になるのは目に見えている。そんな状況の中で、本作は躊躇なく選択を迫ってくるのだ。“あなたならどうしますか?”と。そんなに選びたくないなら、いっそやめてしまえばいいと思うかもしれないが、本作のストーリーが“やめる”という“第3の選択”を完全に消し去ってしまう。純粋にこの後どうなるのか、続きが気になってしかたがないのだ。

 前作をプレイした方の中には、もっとライトな展開を想像している方がいるかもしれない。だが、それは私のように“いい意味”で裏切られるハズだ。天使と悪魔が生死を懸けた戦争をしているのだから、これくらい重苦しい世界観やストーリー展開のほうが、“作品のテーマにはふさわしいんじゃないか”と。そして世界観の構築は、ストーリーだけではなく、戦闘システムでも徹底されている。そのひとつが、ダンジョンに出現する敵のデザインだ。前作は、さまざまな世界や物語の世界を冒険することになっていたので、ダンジョンごとに多種多彩な敵が登場した。“バラエティー豊か”という意味ではそれでよかったのだが、世界観がとっちらかってしまい、全体的にシリアスさが薄れてしまってたところは、否めないと思う。それに引き換え、本作は全体の方向性が一本の線のようにきちんと定まっており、作品への没入感が非常に強い。それが続きの気になるストーリー展開や、世界三大三代川が語ったテンポのよさと相まって、『神様』シリーズの今後の展開を期待させる作品に仕上がっている。

 前作のノリが好きだったファンの中には、重すぎる展開に躊躇して、購入を検討する人がいるかもしれない。だが、本作にもシンとヒロインたちの胸踊るイベントや、ニヤニヤが止まらないイベントがちゃんと用意されている。ストーリーを進めたり、個別のイベントを見れば、きっとどちらかのヒロインに夢中になるだろう。

 ちなみに、ゲームをプレイする際は、“どちらのヒロインを選ぶ”のか、心に決めてプレイしたほうがいいと思う。そうしないと、“どちらのヒロインを生かして、どちらを殺す”のか。あなたはきっと選べなくなってしまうと思うから……。

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本作のシステム紹介ムービーをさらに2本紹介!

 インプレッションの中で触れていた成長要素に加え、強力な必殺技“共鳴転神”などを紹介するムービーを、ファミ通.comにて先行公開!

神様と運命覚醒のクロステーゼ システム紹介ムービー『共鳴転神』

神様と運命覚醒のクロステーゼ システム紹介ムービー 『拠点』