日本一の“ゲームの王国”をめざす、レアタイトル満載の常設展
2014年7月5日、長崎・ハウステンボス“ゲームの王国”内に、ゲームの過去から未来までを体験できる、日本初のミュージアム“ゲームミュージアム”がオープン。オープン初日の模様をリポートする。
■日本が誇るゲーマーといえば……高橋名人の“16連射”で幕開け
東京から飛行機で2時間弱、やってきました長崎・ハウステンボス! というわけで、まずはオープニングセレモニーの様子からお届け。最初にハウステンボス代表取締役社長・澤田秀雄氏が登場し、「ここを日本一の“ゲームの王国”にしようということで、約1年の準備期間をかけてオープンを迎えました。これから先も1年、2年、3年かけて、どんどん新しいゲームを取り入れて、本当のゲームの王国”をめざします。一度ではなく、何度もお越しいただいて、期待していただければ」と“ゲームミュージアム“のコンセプトを語りました。
続いてはゲームメーカーと並び、本ミュージアムに“協力”という形で名を連ねた週刊ファミ通編集部より、我らが林編集長がお祝いのコメントを贈ります。「ゲームメーカーの垣根を越えて人気キャラクターが同じ空間に存在していることは本当にすごいこと。こういった規模、内容のイベントは珍しく、さらにこれが常設展として長いスパンで行われるのは過去にも例がない。それだけ意義深いイベントなので、開催にあたり協力できたことをとてもうれしく思います。“ゲームミュージアム”を通じてゲームの魅力に触れていただいて、ミュージアムを訪れたあとは実際にゲームをプレイして、“ゲームっておもしろいな、またゲームで遊んでみよう”と改めて感じてもらえるとうれしいです」と、本ミュージアムの意義深さを語りました。
そしていよいよテープカット! ここでスペシャルゲストとして、ゲームプレゼンターの高橋名人が登場。高橋名人の代名詞“16連射”を、テープカットではなくコントローラーで披露することに。1秒で16連射の記録を持つ名人、今回は2秒での16連射に挑戦し、みごと成功! ということで、16発の花火があがりました(スゴい!)。さぁ、いよいよ“ゲームミュージアム”がオープンです!
■ゲームの“いま”を全身で楽しむ“キャラクタースタジオ”
ゲームから生まれた数々のスターキャラクターの世界観を体験しながら遊ぶことができるこちらのコーナー。ソニックをはじめ、パックマン、トロ、レイトン教授などなど、名キャラクターの展示が設けられていました。レイトン教授の催しには週刊ファミ通のマスコットキャラクター・ネッキーくんも登場!
■最先端技術が一挙集結! 未来のゲームを先取りする“ゲームフューチャー”
2階へと階段をのぼると、展示は“現在”から“未来”へ。こちらの一角では、次世代ヘッドマウントディスプレイ“オキュラス リフト”を使用した仮想世界での乗馬レース『ハシラス』や、Wii U、プレイステーション4、Xbox 360の最新タイトル試遊など、まさにゲームの未来を肌で感じることができる数々のコーナーが設けられておりました。記者も“オキュラス リフト”でスキーの仮想体験をしましたが、なんでこんな体験ができるの!? と驚くことしきりでした。視覚情報しかないはずなのに、ジェットコースターなどの、内臓がふわっと浮き上がる“あの感じ”を味わえます(三半規管の弱いかたは要注意)。不思議! そんな“オキュラス リフト”、『ハシラス』ではさらにとんでもないことになっているようで、体験した来場者からは「すげー!」「本気でやると疲れる!」といった感嘆の声が上がっていましたよ。
■超レア筐体も! UFOゲーム喫茶&懐かしのゲームセンター
現在、未来と続いたミュージアムは、ふたたび1階に戻りここから“過去”へタイムスリップ。懐かしすぎるゲーム機が並ぶここは、まさに70年代・80年代のゲームセンター!? 懐かしのテーブルゲームを遊べるこちらは、フード&ドリンクにも抜かりナシ。レモンスカッシュ、クリームソーダ、ナポリタン……などなど、舌でもノスタルジーを感じながら“あのころ”に戻れてしまう徹底ぶりなのです。
遊べるゲームも『マリオブラザーズ』をはじめ、『スペースインベーダー』、『アルカノイド』、『熱血硬派くにおくん』、『ストリートファイターII』など、並べるだけで甘酸っぱい気持ちがよみがえるかのようなタイトルがズラリ。お母さんお父さんが熱心にプレイしているところをちびっこが見ているという、珍しい光景も数多く見られました。
さらにフル稼働が可能なのは日本でこの1台だけという『アフターバーナーII』、ライドオン仕様の『ハングオン』、そして全4色がいっしょに展示されるのは今回が世界初(!)だというアメリカ生まれの『コンピューター・スペース』など、レアな筐体も見参! これらは基本的には展示のみとなるものの、いま現物を見られる機会は超貴重。ぜひその目で確かめてみてくださいね。
■ゲームの歴史はまだまだ続く! “ゲーム機ヒストリー”&“ゲームツリー
続いての“ゲーム機ヒストリー 1972-2014”では、その名のとおり、オデッセイ(1972年)からファミリーコンピュータ(1983年)、初代プレイステーション(1994年)にXbox(2002年)、そしてプレイステーション4(2014年)にいたるまで、42年間(!)の間に生まれたハード約60台(!!)が一挙集結。ひとつひとつの歴史が積み重なっていまがあるんだなぁ……と思わず感動してしまう、ゲーム版大河ドラマともいうべきコーナーなのです。勉強になります。こちらは、後述のミュージアムツアーで高橋名人の秘蔵話が炸裂したコーナーのひとつ。「ゲームボーイとゲームボーイカラーの間にゲームボーイポケットも置いてほしかったですね~」など、高橋名人のツッコミが入ることもあり、これからさらに展示されるハードが増えるかも?
そして本ミュージアムの象徴的存在が、天井まで届く巨大モニュメント“ゲームツリー”。モニターが並ぶこの“ゲームツリー”は、テクノロジー、デザイン、カルチャーと、3つの切り口からゲームの進化を知ることができちゃいます。この先にどんなハードが、ソフトが続くのでしょうか? これからも我々をワクワクさせてくれるであろう、ゲームの未来に期待しましょう!
■オリジナルグッズ&レアアイテム満載のゲームショップ
ミュージアムのラストを飾るのはゲームショップ。こちらではゲーム関連のグッズのほか、本ミュージアム限定のオリジナルアイテム、そしてUFOキャッチャーやガチャガチャなどがズラリ。来館の思い出にぴったりです。
■オープン初日には高橋名人によるミュージアムツアーも
ゲームのことなら高橋名人に聞け! というワケで、記者もミュージアムツアーに参加してきました。30分予定のツアーは大幅に時間を延長して終了(笑)。長らくゲーム業界の第一線でゲームの“いま“を見続けてきた高橋名人だからこそのマル秘話が満載でしたよ。この日の朝、ホテルでモーニングシャンパンを一杯ひっかけてきたという高橋名人、ここには書けないぶっちゃけトークもたくさん披露してくれました(笑)。
■世界初! 3Dプロジェクションマッピングで『太鼓の達人』をプレイ
もちろん“ゲームの王国”の見どころは“ゲームミュージアム”だけではございません! “お絵かき水族館”や親子でサバイバルゲームを楽しめる“レンジャーブートキャンプ”など、体験型の催しも続々とスタート。なかでもインパクト大なのは、『太鼓の達人』を幅53メートル×高さ11メートルの壁一面を使って楽しめる、期間限定の“3Dプロジェクションマッピング 太鼓の達人”! 本格ゲームと連動した3Dマッピングはなんと世界初だとか。……と、御託を並べるよりも写真をご覧あれ。とにかくスケール感がハンパじゃないんです。
この“3Dプロジェクションマッピング 太鼓の達人”の体験は抽選制ですが、こんな規模でプレイできる機会はもちろんなかなかないので、ハウステンボスを訪れた際にはぜひチャレンジしてみてください!
そんなワケで、駆け足で紹介してきた“ゲームの王国”&“ゲームミュージアム”。ハウステンボスの広いエリアを目いっぱいに使った、どこを見てもゲーム! な本イベントは、まさに全ゲーマーのパラダイスと言っても過言じゃない? 印象的だったのは、“ゲームで熱くなるのに、大人も、子どもも、カンケーない!”のキャッチコピー通り、子どもたちからお父さんお母さんまで、来場者みんなが夢中で楽しんでいるところ。ゲームには人を笑顔にする力がある! と、改めてゲームの魅力、威力を思い知らされました。皆さんも夏休みのレジャーや観光に、ぜひ足を運んでみてくださいね~!
最後に、おまけで記者がハウステンボスをぶらついて撮影した写真をお届け。すごく…ヨーロピアンです…。
(取材・写真・文:立花青井)