“ユーザーとの共同開発”も計画中!
角川ゲームスと、ダンジョンRPGの開発に定評のある開発会社エクスペリエンスが、タッグを組んで送り出した『デモンゲイズ』。2013年1月に発売された同作は、廉価版も含めて全世界で20万本以上の出荷を記録。ダンジョンRPGという比較的ニッチな市場、しかも新規タイトルでありながらのこの数字は、成功と言っていいだろう。
今回は、2014年7月3日の『デモンゲイズ Global Edition(グローバル エディション)』の発売を記念し、角川ゲームスの安田善巳氏と、エクスペリエンスの千頭 元氏&安宅元也氏にインタビュー。『デモンゲイズ』の制作を振り返りつつ、次回作の展望なども語ってもらった。
1作目として成功を収めた『デモンゲイズ』
──まずは、改めて『デモンゲイズ』のことを振り返っていきたいのですが、このプロジェクトはどういった経緯でスタートしたのでしょう?
千頭 元氏(以下、千頭) 以前から、携帯ゲーム機でゲームを出したいと思っていて、パブリッシャー(発売元)になってくれる会社を探していたときに、角川ゲームスさんと出会いました。ですから最初は、『デモンゲイズ』ではない当社で企画開発中だったタイトルの単純な角川ゲームスさんからの発売で話が進んでいたんですが、ちょうどプレイステーション Vita(以下、PS Vita)が発売する時期だったので、もっとおもしろいことをいっしょにやろうという話になって。せっかくだから、新しいタイトルを共同で作りましょうということで、『デモンゲイズ』が始まったんです。
──安田さんは、新規にダンジョンRPGを立ち上げることに、どのような可能性を感じられたのでしょう?
安田善巳氏(以下、安田) もともと、おふたりにお会いする前から、エクスペリエンスさんには注目していたんです。僕なりの直感なんですが、エクスペリエンスさんにはいくつかのポケットがあって、そのポケットのなかには、我々といっしょにゲームを作ることで、よりよい作品が生まれるアイデアが詰まっているんじゃないか、という予感があったんですね。なぜそう思ったかと言うと、エクスペリエンスさんが開発された『円卓の生徒』シリーズというXbox 360とプレイステーション・ポータブル(以下、PSP)のゲームです。それをプレイしたときに、僕とおふたりの感覚は近いと感じたんです。
──価値観として近いものを持っていると。
安田 僕は、ゲーム開発を進めるうえで、世界観や物語、キャラクターの魅力で作っていくというタイプではなく、インタラクティブなエンターテインメントとして、いかにして楽しくゲームを遊んでもらうかということを優先して考えています。それと同じ考えかたでゲームを作ってこられた会社なんだろうなということは、すぐに推察できました。それと、やはりRPGというと、探索と戦闘といいますか、ハック&スラッシュの楽しさは重視したいですし、おもしろく遊べるパラメーターの調整というところも大事になってきます。エクスペリエンスさんは、どのタイトルでも真摯に取り組んでいらっしゃいました。それがハッキリと反映されていたのが『円卓の生徒』だったんです。同作は、エクスペリエンスさんとしても、間違いなく一歩踏み出した作品だったし、もう少しユーザー層を広げようという意図もはっきり見えた。そこに我々が協力することで、いい成果を狙えるんじゃないかと思い、ならばいっしょに作りましょうと提案しました。
──2社が組むことで、さらなる可能性が生まれるということですね。
安田 価値観や物作りの優先順位もそうですが、実際に作品で遊んでみれば、作り手の思考も理解できますからね。きっと当社とも相性がいいはず、と思っていました。
──そうして立ち上げられた共同プロジェクトのハードとして、PS Vitaを選ばれた理由を教えてください。
安田 それまでのエクスペリエンスさんの作品は、Xbox 360やPCがメインのプラットフォームでした。ただ、新しい挑戦をするなら、新しいユーザーへの広がりを持たせたかった。かつてダンジョンRPGで遊んだコアなゲーマーから、もう少しカジュアルな若い世代まで、みんなが楽しめるゲームを作るなら、ハードはPS Vitaだと思ったんです。じつは『デモンゲイズ』を制作するに当たって、「これまでのエクスペリエンスさんの作品の傾向は?」、「つぎに目指す方向性は?」、「現状のマーケットに対して、自分たちはどういった作品を作り出すべきか?」ということを、かなり詳しく、お互いに分析したんですね。その結果、両社の結論として、PS Vitaで発売するのがいちばんいいのではないかという判断をしました。
千頭 ユーザーさんからの要望が多かった、ということもありました。当時はニンテンドー3DSとPSPが主流で、PS Vitaはまだ発売されたばかりでしたが。
──やはり、移動中でもできる携帯ゲーム機で遊びたい、という声が多かったと?
安宅元也氏(以下、安宅) 正確に数えたわけではないんですけど、据え置き機での発売を望まれる声と、ほぼ同じくらいのご意見がありましたね。
千頭 時間のかかるゲームなので、家でゆっくり遊びたいという方がいれば、あくまでもロジックを楽しみたいので、いつでも手軽にプレイしたいという方もいて。それに合わせたわけではないんですけど、要望があるのなら、幅を広げるためにも一度やってみよう、といった気持ちでやらせていただきました。
──エクスペリエンスという会社の強みは、どういったところにあると思われますか?
安宅 もともとダンジョンRPGは、『ウィザードリィ』のころから根強いファンのいるジャンルです。もちろん僕も大好きで、いまの時代に合った新しいダンジョンRPGをどんどん作っていきたいという思いで、作品作りに取り組んでいます。ありがたいことに、それをお客さんが受け入れてくれていて、応援してくださっている。そういった、応援してくださるコアなファン層がいるというのが、当社のゲーム作りを支えてくれる、根柢にある強みだと思っています。
──ファンの方たちの意見も大事にされている?
安宅 そうですね。その方たちのご意見を反映しつつ、ゲーム作りをしています。そういった“ユーザーとの関係性が強く、そのうえでゲームを作っている”という環境が、ひとつの強みではないかと思っています。ただ、その一方で新しいお客さんにも作品を届けたい、楽しんでいただきたいという思いもありまして。当社はどちらかというと、遊びのロジックで考えるゲーム作りが得意なので、それをひとつの強みとしながらも、今後はストーリーやキャラクターといった、いままで力を入れてこなかった部分にも尽力していきたいと考えています。その第1弾として手掛けたのが、『円卓の生徒』でした。
──それまでの作品に比べて、キャラクター性を前面に打ち出した作風ですよね。
安宅 キャラクターやビジュアル面は千頭が得意としているので。うちの強みとキャラクター性がちょうどいい化学反応を見せた作品として、まずは『円卓の生徒』があり、そこで得た知識や経験から、『デモンゲイズ』に行き着いた、といった感じです。
──なるほど。実際に『デモンゲイズ』のプロジェクトがスタートしたのは、いつごろのことですか?
安田 2011年の8月に、『ロリポップチェーンソー』の制作発表会を行いまして。そのイベントに千頭さんにも登壇していただいて、「いま、新作も進めています」と発表したので、同年の春には、すでにスタートしていたんじゃないかなあ。
安宅 8月の時点では、中身もだいぶ固まっていたような気がします。
──プロジェクトの立ち上げ当初は、どんな雰囲気だったのでしょう?
安田 それぞれがこういう作品にしたいというコンセプトを出し合って、そんなに揉めることもなかったので、僕の印象ではスムーズに話ができたつもりなんだけど……。実際はどうなんでしょう。もしかしたら、お互いに遠慮していたのでそう見えただけで、いま飲みながら話したら、大揉めになってたかもしれない(笑)。
千頭・安宅 (笑)。
安田 とはいえ、考えかたや目指している方向は最初からかなり近かったので、早い段階で意思の統一はできていたと思います。先ほども言いましたが、僕は「ゲームはシステムが大事」だと思っている人間なので、本作ではとにかく、ハック&スラッシュの部分に関しては、いろいろと意見を言わせてもらいました。3人の役割をザックリと説明するなら、世界観も含めて、作品全体のコーディネートは安宅さん、キャラクターデザインやゲームの方向性は千頭さん、ゲームのシステムは僕が担当していた、といったところでしょうか。
千頭 ゲームの方向性に対して、安田さんがすごくいいパスをくれるんです。ここはもっとこうした方がいいんじゃないか、こういった機能を入れるといいんじゃないか、といった意見をいただいたりして。それを盛り込んで、だんだん質を上げるといいますか、形を整えていった、というのが大まかな流れですね。
──『デモンゲイズ』の特徴、あるいは強みをひと言で表すなら、何になりますか?
安宅 やはり“わかりやすい”ところだと思います。見かたによって変わりはしますが、RPGらしいRPGといいますか、“きちんとロールプレイができるRPG”というところが、最大の特徴だと考えています。
──テーブルトークRPGのような、本来の意味でのロールプレイが楽しめる作品、というわけですね。『デモンゲイズ』の前後にはダンジョンRPGの作品も多く、人気が再燃しているように感じます。その理由はどこにあると思われますか?
千頭 そもそもダンジョンRPGが衰退してしまった理由は、“難しい”というイメージが定着してしまったことにあると思います。スーパーファミコンやプレイステーションが一般の家庭に普及したことで、どのメーカーも“わかりやすい”、“遊びやすい”ゲームを作るようになりましたよね。そうなると、もともとゲーマー向けに開発していたダンジョンRPGは、“難しくて遊べないもの”と捉えられてしまい、見下ろし型のRPGにどんどんシェアを奪われることになってしまったんです。
──確かに、当時は“ダンジョンRPGはコアなもの”といったイメージがありました。
千頭 とはいえ、このジャンルの強いところは、つねに一定数のコアなユーザーさんが残ってくれることです。ライト層には浮き沈みと言いますか、ヒットする作品にブームのようなものがあるんですけど、コア層向けの作品というのは、どんなときでも安定した売上が維持できるんですよ。しかも、最近の3Dを前面に打ち出したゲームに比べて、開発にかかるコストもかなり抑えられるので、“コストパフォーマンスのいいジャンル”として、他社さんもこぞって開発に乗り出した……というのが、ダンジョンRPGをちらほらと見かけるようになってきた、いちばんの理由だと思います。
──需要もあるし、開発にかかるコストも抑えられる、というわけですね。『デモンゲイズ』を発売されて、ファンの方からの反響はいかがでしたか?
千頭 とてもよかったです。うれしかったですね。
安田 僕ももちろんプレイしましたが、やっぱりエクスペリエンスさんは仕上げかたがすばらしいんですよ。難度もちょうどいいし、システム面もしっかり作り込まれている。 “適度に物足りない感じ”がしたのがいいのかなと。
──“適度に物足りない感じ”について、もう少し具体的にご説明いただけますか?
安田 適度に物足りないというのは、ふたつありまして、ひとつは“ボリューム”のことです。これは僕もそうなんですけど、コアなゲーマーからすると、おそらくボリュームという面では、もうちょっと欲しかったという方がいらっしゃってもおかしくない。
千頭 実際にそういう意見もありましたね。
安田 そして、もうひとつの要素である“質”に関して言うと、これは意見がわかれるところですが、本作がもともと目指していたのは、ダンジョンRPGの原点でもある『ウィザードリィ』なんですね。それじゃあ、『ウィザードリィ』ってどんなゲームなのかと突き詰めていくと、その答えは“緊張感を楽しむゲーム”なんですね。RPGって、ある程度キャラクターが育って、育成方針が定まると、戦闘が単純作業になる傾向が多いですよね。そこをいかにして回避するか? ユーザーに新しい遊びを提供できるか? というのが、RPGファンに対して、作り手がもっとも問題意識を持っているところなんです。
──キャラクターが強くなってからも、緊張感のある戦闘ができると。
千頭 それが『ウィザードリィ』のロジックだと、HP、MPといった概念や、それを回復するためのアイテム、麻痺、睡眠、毒といったステータス異常……という要素に反映されているんです。いまの自分ならどこまで攻め込めるか。安全に町に帰るには、どこで引き上げるべきか。緊張感とともに、そういったマネージメントを楽しむことが、この手のゲームの魅力なんですよ。
──まさに「“まだ行ける”は“もう危ない”」を楽しむゲーム、というわけですね。
千頭 『デモンゲイズ』では、そういった緊張感を今風にアレンジしながら取り入れて、歯応えのある戦闘が楽しめるようにしたつもりですが、「そこはもう少し、パラメータを含めて、いろんな遊びかたができる自由度がほしかった」というご意見もありましたし、「難易度という観点で言うなら、もう少し難しくしてほしかった」という方もいらっしゃいました。とはいえ、「1作目としては十分楽しめた」というご意見も多くいただきましたので、ボリュームに関しては、「次回作ではボリュームを期待されているんだ」と、前向きに受け取っています。
『グローバル エディション』でダンジョンRPGの本番に殴り込み
──このたび、『デモンゲイズ Global Edition(グローバル エディション)』が発売されたわけですが、本作を開発された意図は?
安田 もともと角川ゲームスは、「自分たちが制作したゲームは、日本だけではなく世界で売ろう!」というポリシーでやってきたので、当社のゲームはすべて海外でも発売しています。ですから、海外版を作るのは当然の流れでした。ただ、やっぱりダンジョンRPGは、ゲームの歴史に詳しい方ならご存じですが、アメリカで生まれて、日本で発展したジャンル、というところがあります。そんな和製ダンジョンRPGの最新作を、発祥の地に送り届けて、母国のユーザーの反応を確かめたいという挑戦心も大きかったですね。
──本場に殴り込みをかけるという。
安田 たとえば『ロリポップチェーンソー』のようなアクションゲームなら、海外のマーケットを主軸に考えるのは理解されますが、2DのダンジョンRPGでそれを目指すのは、ふつうに考えるとありえないですよね? だからこそやりたかったですし、どのように評価されるのかが気になったんです。受け入れられれば、我々の作りかたは間違っていなかったということになるし、評価されなければ新しいアイデアを考え出せばいい。そういった狙いもあって、無理を承知でチャレンジしてみたのが『デモンゲイズ Global Edition(グローバル エディション)』というわけです。
──実際に発売したところ、海外のユーザーからはどのような反応がありましたか? 日本テイストのアニメのようなグラフィックは、受け入れられにくいところもありそうですが。
安宅 Twitterや海外のレビューサイトを覗いてみたところ、けっこうな数の方が遊んでくれてはいるんですよ。やはり、安田さんもおっしゃられた通り、ロジックとしてはしっかりしたゲームなので、システムやバランス面に関しては、よくできていると評価してくれる方が多かったですね。そこは非常にうれしいところなんですけど、キャラクターに関しては、やはり賛否両論で……。アニメ風のキャラがたくさん出てきて、パンツ1枚になってしまうシーンなんかもあるんですけど、そこに関しては「サービス要素が多い」と書かれていましたね(苦笑)。
──海外は、お色気要素に対する制限がきびしいですよね。
安宅 そのあたりはかなり気になってはいたんですけど、ご指摘のコメントを見て、やっぱりそうかと(苦笑)。
千頭 パッケージも、オリジナル版とはデザインが違うんですよ。女性キャラの露出はかなり抑えてあります。胸が完全に見えないようになっていたり。
──ローカライズするときは、そういう作業も必要になるんですね。
安宅 そうですね。とはいえ、海外のリアルな反応が見たかったので、手を加える部分は最小限に留めて、極力オリジナル版に近い形で商品化しました。その甲斐あって、いろんな意見や感想を聞かせてもらえたので、それを汲み取る形で今後のローカライズではリアクションは取りたいと考えています。
続編では“デモン”にさらなるスポットを当てる!
──ファンのあいだでは、続編に期待する声も聞かれていますが、構想はあったりするのでしょうか?
安田 もちろん、考えていますよ。きっちりした形で情報をお出しできるのはまだまだ先になりそうですが、企画を進めているということだけはお伝えさせてください。
──おお、それは朗報ですね! ちなみに、その続編は、『デモンゲイズ』の開発時から考えていたのでしょうか?
安宅 いえいえ、とにかく作品を作ることに全力投球していました。もし2作目を作ることが前提だったら、もっといろいろ布石を打っていましたよ(笑)。
──なるほど(笑)。ちなみに、続編ではどんなことを実現したいですか?
安田 やはり、続編を出すときの最大のライバルは、『デモンゲイズ』だと思うんですよ。続編を遊んだときに、「『デモンゲイズ』よりもつまらない」と言われてしまうことはないようにしなければなりません。よりよいものを作るべく、いまはアイデアを出し合っているところです。
──ヒット作の続編ならではの悩みですね。
安田 『デモンゲイズ』は、本当にバランスよく調整されていますからね。もちろんその点含め、トータルコーディネートをした安宅さんの実力であることは間違いないんですが、これまでダンジョンRPG一筋でずっとがんばってきたエクスペリエンスさんに、天がご褒美をくれたところもあるんじゃないかという気がしています。
──ダンジョンRPGのバランス調整は、作品の肝になる部分ですものね。
安田 それと、『デモンゲイズ』は“角川ゲームスとエクスペリエンスの共同開発”という部分で話題を作れましたが、2作目となると、それに変わるサプライズも考えなければならないと考えています。
千頭 続編は、『デモンゲイズ』の正統進化を考えています。そんな中で、どこに力を入れるべきかを日々3人で話し合った結果、“デモン”の強化と進化に関するシステムに力を入れたいという話になりました。ストーリーはもちろん、ゲーム性の中にデモンの要素をもっと落とし込むことで、新しい『デモンゲイズ』の魅力を引き出していきたいですね。
安田 それともうひとつ、デモンゲイザーどうしの対戦もできたらと考えています。複数のデモンを同時に召喚して、あくまでたとえばですが、武器や防具として装備したり、とか。デモンの新しい活用方法については、いまの時点でもつねに考えていますよ。……あ、これ、言っていいんでしたっけ?
安宅 たぶん大丈夫です(笑)。まあ、まだまだアイデアを並べて思案している段階ですが。
──なんだか、さらっとすごい情報が(笑)。しかし、作品のテーマでもある“デモン”という存在が、『デモンゲイズ』よりももっと深く、ストーリーにもシステムにも絡んでくるというアイデアは、実現するとおもしろそうですね。
千頭 タイトルにも“デモン”という名称が入っているわけですが、いざふり返ってみると、デモンに関しては、まだまだやれることがあったんじゃないかと思う部分が大きくて。『デモンゲイズ』の開発当時は、やれることを100%詰め込んだつもりだったんですが、競合ライバルが増えてきたこのジャンルにおいてうちが独自性を打ち出せる部分はまさにそこなので、続編を作るのであれば、そこは当然強化するべきポイントだと考えています。
──続編については先ほど千頭さんがおっしゃられていましたけれども、基本的には『デモンゲイズ』の正当進化というか、パワーアップさせたものになる、ということですね。
安宅 我々の考えとして、『デモンゲイズ』で遊んでくださったユーザーさんには、もれなく続編も遊んでいただきたいんです。しかも、そのうえで「前作よりおもしろかった!」と言っていただきたい。そのためには、我々も120%満足できる作品を作るつもりで取り組まないといけないでしょうね。
──開発ディレクターという立場から、次回作に入れたいアイデアがあれば教えていただけませんか?
安宅 そうですねぇ……。作品全体としては進化しながらも、サプライズとなる要素は打ち出していかないとおもしろ味がないですからね。僕自身、自分の作る作品には毎回、いい意味での変化、びっくりというものを入れていきたいと思っているので。それがシステムの強化なのか、ストーリーの部分なのかは、現状ではわかりませんが、必ず何らかの驚きは追加したいと考えています。
──ユーザーさんから意見を募集する、といったことは考えていますか?
安宅 おもしろそうですね。じつは過去の作品でも、武器やモンスターのアイデアやネーミングを募集しているんですよ。今回は、いままで以上に多くのユーザーさんにご支持をいただいたタイトルになりましたので、もっと本格的にモンスターや武器・防具のデザイン募集など、やってみると盛り上がるかもしれないですね。当社はこれまでもこれからも、ユーザーさんに支えられ、ユーザーさんとのコミュニケーションを大事にしていきますので。何らかの形でユーザーさんといっしょにタイトルを作り上げていくことは積極的にしていきたいと考えてます。たとえば、Ustreamやニコニコ生放送で配信して、ユーザーさんといっしょに企画会議を開くのも楽しそうですね。
──リアルタイムで開発状況がわかるのは、おもしろそうですね(笑)。
安田 先ほども申し上げましたが、続編については、いずれきっちりした情報をお出しできるようになった時点で、改めて発表させていただきます。スタッフ全員が熱意をもって開発を進めていますので、ぜひ楽しみに待っていただいて、続編の発売まで『デモンゲイズ Global Edition(グローバル エディション)』で遊んでいただきたいですね。
千頭 そうですね。『デモンゲイズ Global Edition(グローバル エディション)』はセリフが英語になったことで、オリジナル版とは異なる雰囲気が味わえます。お早目にご購入いただき、限定特典を入手できれば、プレイヤーキャラクターのポートレートイラストも追加され、ますます新鮮な気持ちでプレイできると思います。すでに『デモンゲイズ』を遊んだ方も、よろしければプレイしてみてください。
(取材:北口徒歩2分、構成:ソムタム田井)