ついにシーズン2に突入! この半年を振り返る!

 バンダイナムコゲームスとセガネットワークスが共同開発したスマートフォン用ゲームアプリ『ガンダムコンクエスト』。6月についにシーズン2に突入した本作について、開発者インタビューを行った。

『ガンダムコンクエスト』シーズン2スタート記念開発者インタビュー_03

(左から)
●桑原顕氏(文中:桑原)
統括プロデューサー。当タイトルの立ち上げ後はビジネスモデルをはじめとした大枠を取りまとめている。
●川嶋康師氏(文中:川嶋)
チャック小美野の後任となるアシスタントプロデューサー。イベント企画やゲーム内のバランス調整などを版権的な視点から担当。『ガンダムロワイヤル』、『SDガンダム ジージェネレーション フロンティア』などの運営も手掛けている。
●菅野顕二氏(文中:菅野)
開発プロデューサー。コンテンツ制作における統括を担当。『恐竜キング』、『ガンダムカードビルダー』などを手掛けている。
●森田竜平氏(文中:森田)
プロジェクトマネージャー。開発の中盤から携わっており、去年の4月からリリースまで、開発と連携をとりながらプロモーションまわりなどの調整を担当。おもな担当作品は『キングダムコンクエストⅡ』など。
●瀧澤翼氏(文中:瀧澤)
開発ディレクター。おもな業務は、進行管理やデバッグ、クオリティーチェックなど。代表作は『サムライ&ドラゴンズ』など。

『ガンダムコンクエスト』シーズン2スタート記念開発者インタビュー_07
『ガンダムコンクエスト』特設サイト“ファミ通方面軍司令部”もオープン!

シーズン1を振り返って

――2013年12月10日からサービス開始以来、約半年が経過し、ついにシーズン2がスタートとなりますが、ほかの『コンクエスト』シリーズと比べると、ワンシーズンが比較的長いスパンになりましたね。
瀧澤 もともと、本作に"シーズン"という概念を入れるかどうか、悩んでいた部分があったんです。

――『コンクエスト』シリーズは、ある程度の期間でシーズンを区切って遊んでいくゲーム性でしたよね。『ガンダムコンクエスト』では別の形も考えていたと?
瀧澤 『キングダムコンクエスト』では、ユーザーどうしが戦い合って、負けた側の領地を奪い取るというゲーム性でした。なので、ある程度の間隔でリセットしないと、負けた側がずっと負けたままという状況がありまして、リセットが必須だったんです。本作ではそういったことはないので、「リセットをするのかしないのか?」、「リセットをするならどうするのか?」、を手探りで検討していた結果、このタイミングになったわけです。今後、どういった運営方法にしていくのかの方向性は固まりましたので、今後はシーズンの切り替えをルールとして明確にしていきます。

――まずは、いったんシーズン1でひと区切りするわけですね。半年間運営された手応えはいかがでしたか?
桑原 いちばん印象残っているのは、リリースした直後ですね。セガネットワークスさんという大きな会社とバンダイナムコゲームスがタッグを組んだ"新たな『ガンダム』ゲーム"ということで、ユーザーのみなさんにもインパクトを感じてもらえたところもあり、ダウンロード数もうなぎ昇りでした。
川嶋 200万ダウンロード達成までは、本当にあっという間でしたね。
桑原 その反面、手探りという話が先ほど出ましたが、ユーザーのみなさんからもいろいろな意見・要望があり「どうやったらみんながが納得できようなゲームになるのか?」を模索し続けていました。
菅野 『コンクエスト』シリーズを遊んでいただいたファン層と、『ガンダム』が好きで本作を始めたファン層というのは、求めるものが大きく違うなと実感しましたね。バンダイナムコゲームスさんとも話合いながら、よりよいゲームにしていこうとしていた半年間でした。

――ユーザーからは、どのような意見が来たのでしょう?
森田 戦争の部分で多くの意見をいただいています。自由に参加できないことに不便さを感る方が多かったので、今後緩和しなくてはならないなと思っています。

――始めのほうは戦争の時間は固定でしたよね。終盤は曜日、時間の選択の自由度も広がりましたし、最終決戦では時間帯でいうと4つから選べたので、とても遊びやすかったですね。
桑原 また、当初ゲームの根幹に『キングダムコンクエスト』の要素がやや強かったところもあったので、本作で初めて『コンクエスト』シリーズをプレイする方の中には、「何から始めていいのかわからない」という方もいらしたのではないかと感じています。後は、やはり6ヵ月で1シーズンというのが長いなどですね。それらの意見をシーズン2にどう活かしていくのかが、今後の課題となります。

――戦争における変更点といえば、5月からプレイヤーどうしの対戦に戦果がついたり、拠点での戦果やDPの獲得方法に変更がありましたが、実際に変えてみて反応はどうでしたか?
瀧澤 上位の方には、対人戦に重きを置いてもらいたいという思いもありまして、導入させていただきました。実装してみて、狙い通りに盛り上がってくれたなと思っています。

――僕自身も1プレイヤーとして遊ばさせていただいていますが、以前のルールですと、プレイヤーに攻撃を仕掛けるのは、リスクが大きい割にリターンが少なすぎたんですよね。対人自体は楽しいんですが、相手陣営側の戦力を奪い取ることができること以外、戦域にも自身にもあまりメリットがなかったので。戦果が入るようになったので、重要拠点の攻防もだいぶ熱くなりました。ちなみに、一時期、修理時間と資源が半分になるテム・レイのキャンペーンをやっていたましたよね。アレをもう一度行う予定はないのでしょうか? 個人的には、あれくらいガンガン修理できるほうが、気軽に戦えてありがたいのですが(笑)。
森田 タイミング的にはスタートダッシュの時期や、最後の盛り上がるタイミングで入れていきたいなという話は進めております。ユーザーさんからの反響は大きかったので、前向きに検討したいですね。

――それはうれしいです。
森田 また、以前は修理のキャンペーンとしてやらせていただいたのですが、ユーザーさんからの反響が非常によかったことと、「キャンペーンが終わったらキツイ」という意見も多数いただいたので、そもそもの話として現在の修理時間や資源の消費量が適正かどうかを検討している段階です。

――レベル99のSR機体をMAX修理すると8時間オーバーかかるので、決戦でも一度大破した機体はもう出撃できないんですよね。すると、どうしてもある程度慎重にならざるを得なくて……。
瀧澤 遊びやすさを追及するという点では、シーズンの切り替えがひとつの区切りになりますので、そのタイミングでゲームバランスの調整なども行っております。

『ガンダムコンクエスト』シーズン2スタート記念開発者インタビュー_04
HR、SRの機体だと、修理にかかる時間もかなり長い。レベル99の機体をフルで修理すると最大で8時間オーバー。テム・レイのイベント中は、修理時間と消費資源が半分となっていた。テム・レイ、天才だね。

シーズン2についに突入!

――シーズン2での変更点、見どころを改めて教えていただけますか?
森田 『機動戦士Zガンダム』、『機動戦士ガンダムZZ』、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』がついに参戦し、人気のある機体やパイロットが続々と新登場します。もうひとつ、新たな戦いの舞台として"闘技場"を追加しました。このふたつが、シーズン2の大きな目玉となります。

――作品の追加は、『ガンダム』ファンにはうれしいところですね。シーズンの変更に伴い、勢力の変更も可能になりましたが、どれくらいの動きがあると思われますか?
瀧澤 シーズン終了と同時に、皆様に半年間ありがとうございましたという気持ちを込めて、シーズン報酬を配らせていただきました。そのひとつに、"英霊の碑"というものがありまして、コロニーにこれを建てるとシーズン1で所属していた勢力の自勢力ボーナスがかかるようになります。こちらは、各勢力の上位にランクインしたプレイヤーに配ったものです。

――英霊の碑を持っているプレイヤーは、勢力を移動したほうがお得というわけですね。上位のプレイヤーほど、勢力移動する可能性が高いと。
川嶋 所属勢力に愛がある方は、移動しないと思いますけどね(笑)。

――勢力と言えば、今回はいろいろな作品が新たに追加されましたが、どの機体がどの勢力に所属するのかって、悩まれたのでは?
瀧澤 勢力名を地球連邦、ジオン、地球連合、ザフトといった具体名にしていると、どうしても原作の設定との整合性などに無理が出てくるので、ブルー、グリーン、アクア、パープルに変更しました。

――なるほど。連合とザフトの機体も、お互いに強奪し合ったり、途中で所属が変わったりしていますし、エゥーゴとティターンズと地球連邦も複雑な感じになりそうですしね。
川嶋 「この機体がこの勢力なのは納得いかない!」という声は、社内でも挙がっていたりしましたので、勢力名ではなく色で表記することで、ある程度自由に所属勢力を決めようと。
瀧澤 ざっくり言いますと、ブルーは宇宙世紀の主人公側の勢力、グリーンは敵側勢力ですね。

――ティターンズはどうなるんです?
瀧澤 ひとまず特定の勢力には所属させない方向で考えています。
森田 ティターンズの特殊性を出すために、どの勢力のボーナスも得られないが、コストを低めに設定して組み込みやすくするなど、検討中です。

――ちなみに、内政やクエストも拡張していくのでしょうか?
瀧澤 もちろんあります。ただ、シーズン2開始と同時に一気に拡張してしまうと、バランスが崩れてしまう可能性があるので、少々お待ちいただければと思います。

――既存機体の調整は入るのでしょうか?
瀧澤 既存機体をいきなり調整すると、機体運用などにも響きますので、大きな変更は予定しておりません。
森田 既存機体の調整に関するご意見・ご要望は数多くいただいておりますので、あくまで、ユーザーに損がない形で、今後既存機体の調整を検討していければと考えています。

――状況に応じて、何かしらの手が加わることもあると。
森田 あとは、新規で登場する機体にはいままでにないような新しいスキルを付けていく予定です。たとえば、ニュータイプ用のモビルスーツやファンネルといった兵装も出てきますので。ただ、ジオングに関しては、一年戦争を締めくくる機体としてシーズン1の最後に出したいと思い、特殊なエフェクト付きで出させていただきました。今後はキュベレイや、シーズン2に間に合うかはわかりませんがνガンダムですとか、人気機体を登場させられればと思っています。

――機体やパイロットの追加に伴って、カード所持機能もパワーアップしましたね。
瀧澤 倉庫の機能とカードの保護を入れ込みました。今後はコレクション要素も強化していきたいので、まずは"捨てたくないけどあまり使わないカードを倉庫にいれて取っておく"といったことができるようにしました。ただ、倉庫を除いて現在150枚までカードを所持できるのですが、こちらの拡張に関しては検討中です。

――それはやはり戦力バランスの問題ですか?
瀧澤 そうですね。仮に200体まで保持できるようにすると、すべての機体をフル回復した状態にした場合、各プレイヤーの戦力が大幅に増えてしますので。

『ガンダムコンクエスト』シーズン2スタート記念開発者インタビュー_06
待望のカード保護機能と倉庫機能が実装! 筆者は、スキル強化で間違えてSR機体を使ってしまった実績を持つ。その夜は、枕を濡らした。もう、その心配はない。

――やはりそうですよね。続いて、新要素の闘技場についてお聞かせください。
瀧澤 専用の戦場などがあるわけではなく、エントリーすると参加でき、ほかのエントリーしたプレイヤーの部隊との対戦が発生します。対人戦を強化するために5月から精鋭戦を入れさせていただいたのですが、初心者から中級者の方は、対人戦のテクニックもご存じないと思うんです。闘技場での戦闘には修理が必要ないので、資源などを気にせずに挑ん欲しいです。

――闘技場のマッチングの仕組みはどうなっているのですか?
瀧澤 エントリーして出撃すると各上、各下、同格の相手を選んで3連戦が行われます。
森田 闘技場での勝敗をもとに強さを図って、マッチングされる仕組みですね。

――現状だと、相手機体のステータスを下げるスキルを複数習得し、能力値を下げて一気に畳み込む戦術が流行っているというか、非常に強力なのですが……。
森田 ユーザーさんがいろいろと試行錯誤して編み出した戦術が、明日から急に通用しませんだとよろしくないので、いろいろと練っているところです。ただ、相手のステータスを下げる戦術に対して現状有効な対抗手段が少ないということに関しては、何らかの形で対抗策を作りたいと考えています。
瀧澤 新勢力追加に伴い、新機体やパイロットも続々と追加していきますので、新たな戦術が生まれていくのではないかと考えております。
菅野 同じ機体をたくさん所持するのもひとつの楽しみですが、よりいろいろな機体を運用するメリットを押し出したり、覚醒することで力を発揮する機体をご用意することも考えていますので、シーズン1とも違った戦いが楽しめると思いますよ。

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『ガンダムコンクエスト』シーズン2スタート記念開発者インタビュー_01
目玉要素のひとつ闘技場。プレイヤーたちがどんな戦術を生み出すのか? 熱い戦いが楽しめる!

――続いて、アクションの変更点についてお伺いしたいのですが。
瀧澤 指令ランク8以上も用意していますので、タイミングを見て導入いたします。ただ、現状で指令ランク7に到達している方がどのくらいいるのかな、という部分もありまして。

――機体レベル20後半あたりから、レベル上げも結構きつくなってくるんですよね。
瀧澤 そういった声もありましたので、シーズン2からアクションも機体やパイロットのレベルを上がりやすくして、皆さんに上のほうのミッションにも挑戦しやすくなるように調整をしました。
森田 アクションでは、いっしょに出撃する人数が増えると敵がそれに応じて強くなるので、4人で行ってもコンボがつながらず、ひとりで出撃するという方も多いんですよね。

――敵にトドメを刺した人にのみ、経験値が入るのも、ひとりで出撃する要因のひとつでした。
森田 トドメを刺した際の経験値が全員に入るようにして、4人でワイワイやっていると、スコアも上がってレベルも上がって楽しく遊べるような仕組みにしております。

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新機体も追加され、アクションもさらにパワーアップ。

――今後の予定についてお伺いしたいのですが、シーズン1で行っていた『機動戦士ガンダム00』のようなイベントはあるのでしょうか。
森田 『機動戦士ガンダム00』の主役4機体は、シーズン1で登場しましたのでひと区切りついたのですが、人気のイベントだったので今後も同様のイベントを続けていきたいと思っています。
川嶋 これまで『コンクエスト』シリーズのゲーム性と『ガンダム』の魅力が更に深く融合して『ガンダムコンクエスト』として進化していく過程のひとつがシーズン2だと考えています。これからもおもしろいコンテンツをご用意していきますので、よろしくお願いいたします。

――楽しみにしております。あと気になってることで、部隊編成でサポートという枠がありますが、そちらの実装予定は?
菅野 『キングダムコンクエスト2』の指揮官というのが同じようなポジションなのですが、指揮官によって戦術が大きく変わってくるんです。なので、いままでユーザーの皆様が構築した戦術を大きく壊さず、戦術の幅を広げられるような仕組みにできればいいなと考えております。

――もうひとつ、戦艦も新しいものが追加されると、個人的にはうれしいのですが。
瀧澤 いまの戦艦の仕様は手探りだった部分もあります。実際に戦争でユーザーの皆様がどのように動いているのかというデータも集まってきていますので、皆様におもしろいと思っていただける形で追加するにはどうしたらいいのかを、現在検討中です。

――内政やクエストの拡張については先ほどお伺いしましたが、随時行われていくと。
瀧澤 はい、少々お待ちくださいませ。
森田 現状、コロニー作りも同じようなものになってしまいがちなのですが、『ガンダム』におけるコロニー作りは、思い入れが強い方も多いのではないかと。そこで、個性が出せる施設を今後出していきたいなと考えております。シーズン1終了時に手に入る英霊の碑もその一環ですね。ずっとジオン(グリーン)に所属して、ジオンの英霊の碑をたくさん並べる方がいてもいいですし、自分のコロニーを自慢できるような仕組みを作っていきたいですね。

――最後に、シーズン2への意気込みをお願いいたします。
瀧澤 半年間とお待たせいたしましたが、ついにシーズン2へ移行します。シーズン2はシーズン1より短い期間でシーズン3、シーズン4へと移行していく予定です。これからもよりおもしろくなっていきますので、今後ともよろしくお願いします。
森田 新しい機体に加えてハマーンやプルといった魅力的なパイロットもお届けできるようになりましたので、今後も楽しみにしていてください。
菅野 『ガンダム』というコンテンツと『コンクエスト』シリーズというコンテンツをどう融合していくのかを揉んだのがシーズン1でした。『ガンダムコンクエスト』という新しいコンテンツに進化していくのがシーズン2になります。日々進化を続けていきますので、応援よろしくお願いいたします。
川嶋 スマートフォンでここまでできるゲームは少ないのではないかと思います。要素が多いゆえに難しい部分もあったかと思いますので、今後はもっと幅広いユーザーが、少しの時間でも長い時間でも遊べるように、お客様の要望を取り入れつつ進化していければと思っております。
桑原 『ガンダムコンクエスト』は、僕の中では進化に加えて挑戦のタイトルでした。『ガンダム』のタイトルで様々な作品に登場する機体やパイロットが一堂に介するタイトルは数あれど、各作品の軍同士がここまで入り乱れて戦うゲームは、ほかにありませんので。進化は当然ながら、いままでの『ガンダム』ゲームにないような挑戦的な新しさ、遊びを同時並行で作り上げていければと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。