新たに加わったアルテイア向けコンテンツと、一新された一部のインターフェイス
本アップデートにより、アルテイアの拠点となる“ベノン村”が登場する。アルテイアは、ここで一連のチュートリアルや“錬金術”習得のほか、アルテイア専用のクエストを通じて成長していく。なかでも、専用クエストはアルテイアの視点でストーリーが展開され、新エピソードの顛末を垣間見るうえで欠かせない内容が盛り込まれているので、ストーリーに興味のあるプレイヤーは一度触れてみてほしい。
右上のレーダーが円形から四角形に変更され、更に管理しやすくなった。レーダー関連の機能がウィンドウ内に集められ、レーダー上にオンマウスすると各種メニューも表示される。また、マップに表示されているゲートキーパーやおもなNPC、クエストアイコンもレーダーに反映されるなど、いくつか機能が追加される。
錬金術は、レベル40以上で特定のクエストを進めることで使用できるようになる。工程は“調合”と“変換”に分かれ、先に不要になったアイテムを最大3種類登録し、それに見合った数量のウィンドストーンに換える“調合”から始めなければならない。一定量のウィンドストーンを確保したら、それを媒体に、指定された材料といっしょに“変換”することで、さまざまなアイテムを生産できる。なお、“調合”に際して、クエストアイテムやトレード不可のアイテムなど一部の例外を除けば、ほとんどのアイテムは登録が可能。
ステータスには、“CHA(CHARISMA)”、“LUC(LUCKY)”が加わる。“CHA(CHARISMA)”は、移動速度やデバフ抵抗などを除いた戦闘能力全般に影響を与え、数値が高いほどステータス全体の底上げにつながる。“LUC(LUCKY)”は、おもに製作に関連しており、幸運が発動するとエンチャントと製作の成功率や、スポイルのドロップ量が増加する。戦闘でも、キャラクターの成長を助ける“フォーチュンポケット”が得られるほか、ある攻撃の回避にも影響する。
素早さに重点を置いた戦闘が特徴
アルテイアは、プレイアブルキャラクターを含めて、女性しか登場しない。クラスは“アルテイア ファイター”と“アルテイア ウィザード”に分かれ、モンスターの狩りよりもPvPにて真価が発揮する。いずれも軽快な身のこなしを活かした“ヒット アンド アウェイ”による戦法を得意し、戦闘スタイルもいかに対象からの攻撃を避けつつ、的確に手数を加えていくかが基本となる。
アルテイア ファイターは、“モラウド”、“ランカー”、“グラビティ ランカー”の順にクラスチェンジする。グランド カバタリと同じく速度を活かした格闘タイプだが、向こうが一撃に重きを置くインファイターであるのに対し、アルテイア ファイターはいわゆるアウトボクサー。フットワークで相手を欺いたり、死角に回り込んで的確に急所を狙って疲弊させるスタイルが基本となる。スキルは、初期は格闘技のみだが、能力解放を経るにつれて風や重力を操って自身の戦闘能力を活性化したり対象を束縛するなど、スタイルに多様性を帯びる。
序盤は、おもに回避スキルと格闘スキルの2種類を扱うところから始まる。3種類の回避スキルの本来の用途は、文字どおり攻撃の回避だが、射程を活かして遠方から奇襲を仕掛けられるなど汎用性がある。格闘スキルも、単発で使っていくよりコンボのパターンを決めて組み合わせたほうが、それぞれのスキルの特徴を活かせるので、まずはモンスターを相手に練習がてらスキルどうしの繋げ方を研究するといい。
上位クラスへ進むにつれて中距離から仕掛けられるスキルも充実してくる。対象の行動を束縛したり相対距離を自在に操るなど、自分の間合いを自由に制御できるようになるので、アウトレンジで対象を足止めしつつステータスも下げ、接近したところで格闘スキルを浴びせていくことが基本となるだろう。なお、多彩な自己バフはいずれも持続時間こそそれなりにあるが、詠唱時に生じる隙とエフェクトによる識別をカバーするために、使用の際は接近戦に持ちこんでいるときに連携に織り交ぜるほうがよい。
アルテイア ウィザードは、“メナス”、“ストーム メナス”、“サイハズ シーアー”の順にクラスチェンジする。風の種族が示すとおり、風属性の魔法スキルに長けているが、『リネージュII』では珍しく近接魔法攻撃に特化したクラスとなっている。戦闘スタイルはアルテイア ファイターとあまり変わりはないが、こちらは蹂躙より“眩惑”させることが要となり、攻撃と回避の比重と立ち回りもアルテイア ファイターと比べてシビアとなる。
スキルはすべて魔法ではあるが、ほかの魔法クラスと比べて火力がやや弱く、ダメージソースに依存した力押しには向かない。それを補うのがアシシレイトやディセプション ブリンクである。アクティブスキルを駆使していくことで戦闘を優位に働かせることができる。ただし、特定の条件を満たさないと発動しないスキルもあるので、相手にプロセスが読まれると形勢がかなり不利となる。そのため、相手の特徴を把握したうえで、つねに先手を打つなど頭脳プレイに比重を置いたクラスと言える。なお、武器は事実上の魔法鈍器特化(スキルの発動は片手魔法剣でも可能)。シールドやシギルは、アルテイアの風の種族としての特性を阻害することから装備ができないので、魔法攻撃力の底上げも含めて両手魔法鈍器の扱いが中心となるだろう。
成長にあわせて、風と同化する手段やデバフスキルが充実してくる。デバフは、風の力にちなんで各種速度を低下させるものが中心で、敵の行動を抑制するアクションも多彩となる。なお、クラス全体を通じて、攻撃スキルには弱化スキルがかかった対象に追加ダメージを計上するため、対象へのデバフ付与を絶やさないことが重要になる。
既存の上位クラスへの昇格が転職と呼ばれているのに対し、アルテイアは段階を踏んで徐々に力を取り戻していく“能力解放”と定義される。3次開放は覚醒クラスにあたるが、既存の覚醒クラスの行程を辿らないため、特徴としては“一部の覚醒スキルが扱える3次クラス”をイメージすると掴みやすい。そのため、すべてのクラスを通じて一度習得したスキルは最後まで使い続けることが可能で、3次開放を経ても既存スキルと引き換えに新規スキルを習得することはない。なお、ファイター・ウィザードともにスキルの性能の高さは折り紙付きである反面、全クラスを通じて習得するスキルの数が少なく、スキルエンチャントもできない。癖こそ強いものの、習得したスキルが雑多になりすぎずレベルを問わず使い続けられること、且つスキルエンチャントに充てる予算をほかのクラスに回したり貯蓄できる点を踏まえれば、新規プレイヤーにとって良心的な部分にも感じ得る。



























