感無量……!! で満たされたアフレコ現場

 
 2013年9月19日に10周年を迎えた女性向け恋愛シミュレーションゲーム『金色のコルダ』シリーズ。同シリーズの第3作目として、2010年にコーエー(現コーエーテクモゲームス)より発売された『金色のコルダ3』のアニメ化作品『金色のコルダ Blue♪Sky』が、2014年4月よりテレビ放映されている。

 そのアニメの最終アフレコが某日、都内のスタジオにて行われた。収録後、高木礼子さん(小日向かなで役)、福山潤さん(如月響也役)、小西克幸さん(如月 律役)、内田夕夜さん(榊 大地役)、水橋かおりさん(水嶋悠人役)、伊藤健太郎さん(八木沢雪広役)、森田成一さん(火積司郎役)、岸尾だいすけさん(水嶋 新役)、石川英郎さん(土岐蓬生役)、日野聡さん(冥加玲士役)、増田ゆきさん(七海宗介役)、総勢11名の豪華声優陣にお話を聞くことができたので、その模様をお伝えしよう。

最終章へのアンサンブル♪ アニメ『金色のコルダ Blue♪Sky』総勢11名の声優陣にインタビュー_01

 
──『金色のコルダ Blue♪Sky』の最終収録を終えた、いまの感想をおひとりずついただけますか?

高木礼子さん(以下、高木) 全12話ということで、あっという間に終わってしまった気がします。最終話では、かなでが音楽を奏でたときの心が風景になって現れるのですが、その表現がとてもおもしろいので、注目ですよ。

福山潤さん(以下、福山) 最終話って、やっぱりいろいろなドラマを乗り越えた後なので印象深いですね。僕が演じさせていただいた響也も、散々、律を否定したり、後ろ向きだったりしたんですが、話が進むにつれ成長していって……もう感無量です!

小西克幸さん(以下、小西) ゲームのときは、恋愛シミュレーションということもあり、どちらかというと音楽より恋愛がメインになっていましたが、アニメになったときはかなりのスポコンものでしたね。甲子園を目指す球児たちではないですけれど、音楽に青春をかけた学生たちの話なので、熱くて、演じていて非常に楽しかったです。感無量です。

内田夕夜さん(以下、内田) もう10年以上続いている作品とはいえ、こうしてみんなが会う機会はそこまで多いわけではなかったので、アニメの収録で毎週会えていたのが、なくなるのは寂しいですね。まあ、まとめると、感無量です(笑)。

水橋かおりさん(以下、水橋) 12回の収録、あっという間でした。駆け足で一気に駆け抜けた感じです。さきほど収録した最終話では、いままで部活のメンバーでがんばってきたことの結果が、彼らなりに出せてよかったと思っています。

伊藤健太郎さん(以下、伊藤) 我々、至誠館高校は、至誠館らしくいられたんじゃないかと思います。収録のある日の朝イチに、八木沢用のコンディションを整えるのがたいへんでした(笑)。

森田成一さん(以下、森田) 各キャラクターが個性豊かだったので、それぞれのドラマを12話に収めるのがすごく難しい作品だったと思います。そういうところも含めて、かなりバラエティに富んだ、ある意味突き抜けた作品に仕上がったと思います。

岸尾だいすけさん(以下、岸尾) 至誠館は12話中7話くらいの出演だったので、正直、もうちょっとやりたいなーって気持ちがありました。でも、その中でしっかり至誠館らしさは伝えられたかなって。個人的に、過去作品のキャラクターが出てきたところがうれしかったですね。僕も髪の毛が伸びまくった柚木(※)として出演したかったです(笑)。

※柚木梓馬(声:岸尾だいすけさん):『金色のコルダ』登場キャラクター

石川英郎さん(以下、石川) あっという間に終わってしまった気がしますね。あと、神南メンバーがアフレコで揃うことも少なかったので、ちょっと寂しかったです(笑)。

日野聡さん(以下、日野) 天音学園が活躍するのは、アニメの後半のほうで、前半はそこまで出演がないんです。ただ、冥加さんは序盤から画面にはいたので、いろいろな方から「前半からインパクトがある」と言われました。なので、出番は後半からですが、序盤から出ていた気持ちで、駆け抜けました。感無量です!

増田ゆきさん(以下、増田) 毎回、現場で笑いをこらえるのに必死だった記憶があります(笑)。ゲームで個性的なキャラクターが、アニメーションになって動くとさらに濃くなる、ということを再確認しました。いっしょにお芝居していて、熱気がむんむん伝わってきて、とても楽しかったです。毎週全国のファンのかたといっしょに、あの盛り上がるかっこいいOPが流れるのを楽しみにしていたので、その時間が終わってしまうと思うと寂しいです。あ、感無量です(笑)。

──おひとりずつ行うゲームの収録と、みなさんいっしょに行うアニメの収録では、違った印象を受けたと思うのですが、いかがでしたか?

福山 この作品に登場するキャラクターたちは、パッと見てわかるとおり濃いキャラばかりじゃないですか。それって、言いかたを変えるとボケキャラばかりの状況なんですよね。なのでゲームでは、僕がずーっとツッコミをしているんですけど、アニメではますますボケが強くなった感じがして……みなさんがボケ倒しているところに、僕が必死でつっこんでいるのに誰も返してくれなくて、結局なにも変わらない、みたいな(笑)。

小西 ほかの人といっしょに収録をするので、絵だったり、その場の空間だったり、同じものを共有して演じていくことがうれしかったです。

内田 やはり雰囲気が違うのがいちばんですね。ちょっと失敗すればワーっと笑いが起こるし、誰かがおもしろいことを言ってもみんなで笑うし。その雰囲気が作品にも乗っていく感じがしました。

水橋 私は、逆にあまり違いを感じていないです。長いあいだみなさんとアニメ、ゲーム、イベントでいっしょにやっているからでしょうね。どんなお芝居をするかとか、どういうお話なのかがわかっているという点が大きいと思います。

伊藤 イベントなどでみんなのキャラは把握しているので、なんとなく雰囲気は最初からつかめていました。みんないっしょに演技に臨めたことがゲームと違うよさであり、大きな違いでした。

森田 アニメの収録をするために、最初にこのスタジオにみんなで集まったとき、「ああ、みんな年とったな~」と思いました(笑)。

一同 (笑)。

森田 現場が落ち着いていていい感じで、始めから安心して入っていける番組でした。

岸尾 至誠館はチームワークのよさが売りでもあるので、アニメだと5人そろって、より団結力の強さを見せられたんじゃないかな、と思います。

石川 僕もかおりちゃんといっしょで、アニメやゲームでみんなのキャラを知っていたので、ほぼ印象は変わらなかったです。やっぱり付き合いが長いからかな? 10年って恐ろしいです(笑)。

日野 収録のテストのときに、2割から5割くらい脱線しちゃっても受け止めてもらえるので、演じていて非常に楽しかったです。

増田 私自身が基本的に人数の多いところが苦手なので、スタジオって、わりと苦手な空間なんです。ですが、この作品の収録現場は、この10年で好きになりました。収録の現場が安心感のある空間なので、ゲームでひとりで録っているときよりも、みんなで録っているほうが好きです。

──最後になりますが、アニメで印象的だったキャラクターやシーンを教えていただけますか。

高木 かなでちゃんが最終話近くでピンチに陥るところが印象に残っています。そのあとのシーンで場所が変わるのですが、「どうやってそこまで運ばれたんだろう」と、じつは気になっています!(笑)

福山 個人的に冥加さんは外せませんね(笑)。彼のセリフはほとんどモノローグなのですが、そのどれもがインパクトのある言葉ばかりですごいんです。僕は駄犬と言われた立場ですけれど、ほかにも数々の冥加名言があるので注目してください。

増田 私も冥加部長のセリフがいちいちツボで、笑いをこらえるので必死でした。あと、ずっと気になっていたのが、あの制服何キロあるんだろうなって。ひとりだけ重そうじゃないですか(笑)。

伊藤 インパクトが強いと言えば火積もなかなかですね。彼の回想シーンで、いきなり不良が、割れたビンで殴りかかってくるところがあるのですが、あそこだけあきらかに作品違うでしょって(笑)。その後に、夜の公園で男5人で円陣組むシーンもあって、そこからコンクールの流れはかなり熱いと思います。

石川 メインキャラクターじゃないんですが、千秋の父親役は、あれ反則でしょって思ってました。セリフは少ないのに、声を担当された銀河万丈さんがはまり役過ぎて、全部ひとりで持っていっちゃいましたから。説得力のあるキャスティングすぎてビックリしました(笑)。

小西 コンクールの演奏のシーンもかなり気合いが入っていて、アンサンブルのクオリティが高くなってくると、いろいろな風景が見えてくるのも印象深いです。とくに、至誠館の演奏が盛り上がってきたときに出現した伊達政宗の像には度肝を抜かれました(笑)。

岸尾 政宗の像が現れたときは、僕もビックリしましたね。ただ、オンエアを見てみると、その後のメラメラ燃えるかがり火も相当すごくて。おお、よお燃えとるのう、と見入ってしまいました。

森田 僕も政宗像の印象が強いです。それ以外にも、みんなのステージ衣装がかなりパワーアップしていて、「こんな目立つ色のド派手な衣装すごいな」って印象深かったですね。各キャラクターのイメージに合わせて作りこまれていてよかったです。

内田 星奏学院の生徒が、演奏中にモノローグで会話するシーンもびっくりです。超能力者かニュー●イプかって(笑)。

水橋 私は、ゲームの中で好きだった、かなでと響也のブランコのシーンがアニメでも組み込まれていたことがうれしかったです。ああいう、1度折れた男の子がヒロインのおかげで立ち直っていく過程を掬ってくれてよかったなと思います。

日野 ここまで、だいぶ、いろいろなおもしろいシーンが紹介されたと思いますが、個人的にいちばんおもしろいと思うシーンはまだ放映されていないところなので、ぜひ楽しみにしていてほしいです。クライマックスに向けて、ビックリするようなシーンがありますよ。ヒントは“野良犬”と“骨”です(笑)。ぜひ、アニメの放映を楽しみにしてください!