銃と献のミタマのインプレッションを掲載
2014年8月28日の発売が決まった『討鬼伝 極』。2014年6月5日からは、本作のアクション部分が楽しめるアクション体験版の配信も予定されている。2014年5月31日に実施された“討鬼伝 極×プレコミュ 先行試遊会 モノノフ出陣式”では、アクション体験版にいち早く触れることができた。本記事では、新武器の使用感などを中心にお届けする。
まずはアクション体験版の概要を説明しよう。アクション体験版は、プレイステーション Vitaとプレイステーション・ポータブルの2機種でプレイ可能。ひとりで遊ぶ通常任務、通信プレイが楽しめる集団任務(インフラストラクチャーモードはプレイステーション Vita版のみ対応)、武器チュートリアルの武器指南の3つの要素が収録されており、通常任務と集団任務はそれぞれ最大で8つの任務をプレイ可能。任務をクリアーしていくと、難しい任務が出現する仕組みだ。
使用できる武器は、前作でも使えた太刀に、新武器の薙刀、金砕棒、銃を加えた4系統。また、戦闘スタイルを左右する”ミタマ”は、おなじみの“攻”、“防”、“癒”に加えて、新スタイルの“壊”と“献”も使うことができる。新武器や新ミタマ、新要素については、本作の関口ディレクターが実機でのプレイを交えて解説してくれた。
■新武器 薙刀
薙刀は初心者でも扱いやすい武器。ボタンを連打することで連続攻撃がくり出せ、空中に飛んでから放つ攻撃もある。攻撃を受けずに攻撃を当て続けると、1発の攻撃が複数の部位に当たるようになるというテクニカルな要素も用意されており、敵の攻撃の瞬間に発動させると攻撃を受け流せる回避技“流転”も完備。特殊技は、◯ボタンの連打で敵を斬り続ける“繚乱”。
■新武器 金砕棒
金砕棒は、振りが遅いパワー型の武器。武器の先端で敵を攻撃すると豪打となり、威力が上昇。豪打を当て続けると、プレイヤーが“豪腕状態”に変化。この状態では攻撃速度が速くなるほか、溜め攻撃の溜めにかかる時間も短くなる。また、敵の攻撃部位にヒットさせると敵を怯ませる“発止”という技も使用可能。特殊技の破潰は、◯ボタンで放つ溜め可能な3連続攻撃。それぞれの攻撃は3段階まで溜めることができ、攻撃間の溜め段階は継続するので、最終的に9段階まで溜めることができる。
■新武器 銃
□ボタンを押すと構え、もう一度□ボタンかRボタンを押すと弾丸を発射する遠距離武器。照準がオレンジ色のときと赤色のときの2種類があり、“鬼”に照準が合っていると赤色になる。さらに、銃を構えると赤色の“霊脈”が見えるようになり、霊脈をピンポイントで狙うとダメージが上昇する。銃には、狙撃弾や貫通弾、散弾など5種類の弾が用意されており、銃によって使える弾が異なる。弾薬は無限で、適宜リロードしながら戦うことになる。また、爆弾を投げることも可能で、投げた爆弾を射撃で撃ち抜くと大きなダメージを与えられる。特殊技は、弾ごとに異なる効果を持つ“霊弾射撃”。
■新ミタマ 壊
部位破壊を得意とするミタマ。“鬼”を倒す(小型、大型問わず)か部位を破壊すると、一定時間攻撃力が上昇する。使えるタマフリ(特殊能力)は以下の通り。
・鎧割:一定時間、表層や部位に対する攻撃力が上昇する。
・断祓:一定時間、攻撃した部位に鬼祓いの力を付与する。付与された部位が破壊されると、即座に鬼祓いが完了する。
・布都御霊:一定時間、武器ゲージ増加量が飛躍的に上昇する。
・治癒:体力を回復する。
■新ミタマ 献
支援を得意とするミタマ。自身が得た武器ゲージの一定割合をエリア内の味方に付与する。使えるタマフリは以下の通り。
・献身:一定時間、範囲内にいる味方の攻撃力と防御力が上昇する。
・命ノ楔:一定時間、味方が受けるダメージをエリア内にいる全員で共有する。
・捨身供儀:一定時間、範囲内にいる味方が受けるすべての攻撃を無効化するが、自身の体力が徐々に減少する。
・治癒:体力を回復する。
■新要素 戦闘中の伝達文
戦闘中に画面右上の吹き出しマークをタッチすると、定型文を送信できる。
■新要素 味方NPCへの指示
攻撃する、集まるといった指示を出すことができる。
■新要素 鬼千切・極
仲間(人間プレイヤーやNPC)といっしょに“鬼”の同じ部位を攻撃すると、画面に青いエフェクトが表示され、画面左上(プレイヤー名表示の左)にある共闘ゲージが溜まっていく。これが最大になると、ひとりのプレイヤーの武器アイコンが“極”という文字に変化し、鬼千切・極が発動可能に。この鬼千切・極は、鬼の複数の部位を一度に破壊できる(最大で4部位まで)。
実機プレイ後は、アクション体験版を実際にプレイすることができた。アクション体験版は、キャラクターメイキングからスタート。それが終わり、モノノフとして里に着任すると、さまざまな任務に挑めるようになる。今回は、銃と新ミタマ“稗田阿礼”(戦闘スタイルは献)を使って、4人のマルチプレイで新“鬼”のオラビを倒してみることに。
銃は、□ボタンで構えると、肩越しのTPS(三人称視点シューター)視点に変化。移動はキャラクターの移動は左スティック、照準合わせは右スティックでそれぞれ行うので、移動しながら狙いをつけられたりしていい感じ。射撃は□ボタンのほか、Rボタンでも可能なので、両親指がふさがっていても問題はない。構えていてもけっこう速く動けるという点もうれしいところだ。
続いては弾とリロードの仕組みについて説明しよう。先に述べた通り、銃が使える弾にはたくさんの種類がある。今回のアクション体験版では、5種類の弾が用意されていた(今後増えるのかどうかは不明)。それぞれの特徴は以下の通り。
■弾種ごとの違い
・狙撃弾:もっとも高速で飛距離が長い。霊脈ダメージはもっとも高い。
・貫通弾:貫通し連続でヒットする弾。霊脈ダメージは中程度。
・散弾:近接広範囲をカバーする弾。霊脈ダメージは高い。
・爆発弾:複数部位にヒットする爆発を起こす弾。霊脈ダメージは低い。
・吸引弾:着弾すると周囲の敵の移動を制限する空間が発生する特殊な弾。
このうち、使用する銃によって装填できる弾が異なる。アクション体験版では、それぞれ3種類が撃てる銃がふたつ用意されていた。弾のリロードは、△ボタンを押すことで行う。まず△ボタンを押すと、リロードする弾を選ぶ表示が出るので、ここで□ボタンか○ボタンを押して弾薬を選び、再び△ボタン。そうすると1発ずつ弾を込めていく(1度△ボタンを押すと最後まで弾を込めるが、△ボタンを連打すると装填のスピードが速くなる)。このとき、リロード中に□か○を押すことで、装填する弾を変えることが可能だ。なお、全弾を一気に排出することもできる。リロードは1発ずつ込めていくため、けっこう時間がかかる。数発ずつ装填することも可能なので、折を見てリロードしていくのがいいだろう。
また、□ボタンと×ボタンを同時に押すことで爆弾を投げられるのだが、その爆弾を撃ち抜く“擲弾射撃”によって、弾に応じた特殊な爆発が引き起こせることも銃の特徴だ。その内容は以下の通り。
■擲弾射撃の効果
・狙撃弾:爆発がヒットした部位の霊脈を一定時間弱体化させる。
・貫通弾:霊脈にのみ連続ヒットする爆発を起こす。
・散弾:中心に近いほどダメージが大きい爆発を起こす。
・爆発弾:広範囲の大爆発を起こす。爆発範囲内にある部位すべてにヒットする。
・吸引弾:敵を押しのける斥力を持った空間を発生させる。
銃や“献”を使った立ち回りは……?
銃の立ち回りは、やはり霊脈をきっちり撃ち抜く精緻さが求められると感じた。霊脈に当てずともダメージを与えることもできるが、ダメージが大きく変わる印象だ(霊脈に当たってないとあまり手応えがない)。また、擲弾による爆発だが、これをきっちり当てるのがなかなか難しい。弾丸には速度が設定されており、偏差射撃(標的の移動先を予測して弾を撃つこと)を行わなければならないからだ。また、仮に予測がうまくいっていたとしても、爆弾が“鬼”に当たって軌道が変わるといったアクシデントもある。このあたり、ちょっと玄人好みの武器なのかもしれない。実際、わずか20分足らずのプレイでは、擲弾射撃はまったくと言っていいほど使いこなせなかった。関口ディレクターいわく、散弾は至近で当てると威力が高く、また広範囲に散るため擲弾射撃を狙いやすいということなので、最初はこれを使ってみるのがいいかもしれない。ちなみに、記者は狙撃弾、貫通弾、吸引弾の組み合わせの銃を選択したので散弾を試せなかった。無念。敵を狙う楽しさはかなりのものだったので、アクション体験版配信後にぜひ練習してみたいところだ。
献のミタマについても触れておこう。壊と献はどちらも優秀そうなタマフリが並んでいるが、そんな中で記者が献を選んだのは、捨身供儀のタマフリに惹かれたから。改めて説明すると、捨身供儀の効果は、“一定時間、範囲内にいる味方が受けるすべての攻撃を無効化するが、自身の体力が徐々に減少する”。というものだ。この“無敵”というのは大きなポイントだ。古来よりゲームでは、“無敵”が強すぎるというケースがいくつもあったので、きっと何かおもしろいことができるのではないかと踏んだのだ。「自分の体力が減っても、俺は銃だから遠距離から撃ってれば安全じゃね?」とか思ったのである。しかし現実はそんなに甘いものではなかった。この捨身供儀の効果範囲はわりと狭い。ゆえに、鬼に寄って行かねばならない。また、体力が減るスピードもけっこう早く、みるみるうちに体力ゲージがなくなっていくので、非常に危険だ(回復可能な赤ゲージになるというのが救いだが)。癒のミタマの“女神ノ社”(体力が徐々に回復する陣を貼る)あたりと組み合わせられれば、おもしろいかもしれない。
最後は、相手にしたオラビについて。オラビは羽根を持っているだけあって、羽根による竜巻攻撃などをくり出してくる。また、飛び道具によってこちらを気絶させる攻撃も行ってきた。そんな中でいちばん気をつけなければいけないのが、上空に飛び立ってからの滑空攻撃。これは、標的に定めたプレイヤーを狙う攻撃なのだが、けっこうホーミングする。体感だが、「あー攻撃が逸れたわー」と思っても、軽く90度くらいは曲がってきたりするのだ。この攻撃はダメージが高く、アクション体験版の防具だと6割くらいは余裕で減るので、体力には余裕を持つようにしたい。
開発陣への一問一答
イベントの終了後、小笠原ゼネラル・プロデューサー、森中プロデューサー、関口ディレクターの3人に話をうかがった。興味深い内容となっているので、こちらもぜひ読んでほしい。
Q.イベントで、武器の強化について変更を考えているという発言がありましたが?
関口 武器を1000種類以上にまで一気に増やしたことで、武器のツリー構造を見直しています。また、強化システムの改善も図っています。
Q.既存の要素で大きく変わった部分は?
森中 天狐が活躍する場が増えました。天狐装備というものがあって、天狐をカスタマイズできます。
関口 天狐装備はゲーム内でいろいろと作ることができます。
Q.既存の鬼の見直しについては?
関口 AIを根本から見直しています。NPCを含めて、AIはよくなっていると思います。アクション体験版にも入っている高難易度任務については、既存の“鬼”に新たな行動が追加されていますので、相当手強いです。また、複数同時討伐の任務などで、“鬼”があまりよくない挙動をしていたところも改善しています。
Q.AIの改善以外で、ユーザーの声を反映したところはありますか?
関口 武器系統の追加や天狐の活躍という要素は、ユーザーさんの声を受けてのものです。また、防具のデザインについて、ごついものが多いという意見をたくさんいただいていたので、よりスタイリッシュになるようなデザインを増やしました。『討鬼伝と』してのスタイルを考えつつ、かっこいい装備、かわいい装備が増えています。
Q.新武器の3系統は、以前から考えていたものなのでしょうか?
関口 あの3系統の武器は、開発初期から案がありました。ただ、それぞれのアクションは、『討鬼伝 極』極に追加するにあたって、ユーザーさんが望まれているものなどを考慮して、ゼロから考えています。
Q.スタジオ4℃制作のプロモーションアニメは、どのような内容になる予定ですか?
森中 おもに、『討鬼伝』から『討鬼伝 極』へのつなぎの部分を描いたストーリーになっています。
関口 『討鬼伝 極』の部分の前日譚ですね。新キャラクターの3人も出てきます。
Q.『クイズバトル討鬼伝』の状況は?
森中 完成に近い形までは来ていまして、よりいっそうのブラッシュアップを図っているところです。夏ごろ、『討鬼伝 極』より前にはスタートしたいと思っています。
小笠原 F2P(基本無料)なのでどなたにも楽しんでいただけますし、『討鬼伝 極』への特典も考えています。また、現在は事前登録者数が10000人以上になると、“宝玉”を5個プレゼントすると発表していますが、人数が増えれば、もっといいものを差し上げたいと思っています。ぜひ皆さん事前登録をしていただいて、『討鬼伝 極』といっしょに『クイズバトル討鬼伝』も楽しんでいただけたらうれしいです。
(取材:北口徒歩2分)