誰もが心から楽しく遊べるゲームにするために
NHN PalyArt運営のオンラインアクションRPG『ドラゴンネスト』では、6月中にバランス改善アップデートが、7月下旬以降にレベルキャップ解放や新キャラクター実装を伴う大型アップデートが予定されている。
また、5月21日から約1ヵ月間、正式サービス4周年を記念したイベントも実施される。これを機にスタート(もしくは復帰)するユーザーに、なるべくコアユーザーとの格差を感じさせないための施策も準備中だ。
新たに日本運営プロデューサーに就任した西田哲史氏と運営チームのYAMAMOTO氏に今後の展開について説明していただいたので、その内容を紹介しよう。
6月以降のアップデート
■バランス改善に向けたアップデート
(6月予定)
レベルキャップ解放や新キャラクター追加に先駆けて、バランスの改善を中心としたアップデートが実施される。
【エンドコンテンツ追加】
ブラックドラゴン討伐が目的のダンジョン“ブラックドラゴンネスト”のハードコアモードが実装される。
【スキル改変】
エンジニア、パラディン(予定)系職業のスキルが改変される。
【基本職のスキル2種を改善(全14種)】
該当のスキルを6レベルに上げると追加攻撃が発生するようになる。これまでは基本職のスキルは通過点のような扱いだったが、性能しだいで戦いかたが変わる可能性も。スキルポイントの振りかたが変わるので、スキルリセットアイテムの配布も検討されている。
【生産システムの改善】
Lv.70のエピック上級竜珠を合成する際に、能力の傾向を自分で選択して生産可能になる。ただし、数値は数パターンからランダムで決定される。
【ドロップ改善】
セット効果付きのエピック等級装備は完成品がドロップするようになる。今後、装備の生産はユニーク等級以上に限られる。
■レベルキャップ解放(7月予定)
最大レベルが80に引き上げられ、“火山・溶岩地帯”をコンセプトとする8種類の新ステージが追加。日本運営チームからは「通常のダンジョンには煩わしいギミックは入れないでほしい」と提案していて、開発側もそれは理解しているようだ。
また、各職業ひとつずつ、計28種のEXスキル(通常のスキルの強化版)も登場。今回は3次職業のスキルがEX化するため、どれも非常に強力だ。
<<新EXスキル一覧>>
フィニッシュアタックEX
ムーンブレードダンスEX
ボーンブレイクEX
メイルシュトロームハウルEX
チャームバッドEX
デトネイティングアローEX
ハリケーンダンスEX
ライジングストームEX
ローリングラーバEX
アイスバリアEX
セレスティアルレーザーEX
スイッチグラビティーEX
ジャスティスクラッシュEX
ジャッジメントハンマーEX
ショックオブレリックEX
コンセクレイションEX
スプラッシュEX
ビッグメカボンバーEX
アイスビームEX
ヒールシャワーEX
カオスフォーメーションEX
スペクターオブペインEX
ガストディメンシアEX
フライトールEX
アンブラEX
アートフルチェイサーEX
サンシャインスパークEX
ナイトフォールEX
■8月アップデート
【Lv.80ネストダンジョン“ボルケーノネスト(仮)”】
火山・溶岩地帯にLv.80のネスト(高難度ダンジョン)が実装。最深部にはフェニックスをイメージしたボスが待ち構えており、Lv.80エピック装備の完成品を入手可能。
【新キャラクター レンシア(仮)】
新キャラクターは槍使いの女の子“レンシア(仮)”。お嬢様のような外見が特徴的で、設定年齢は10代半ば。まだ開発元から詳細な資料は届いていないようだが、YAMAMOTO氏は「槍という武器のイメージもありますし、中距離・広範囲系の攻撃が得意なのでは?」と予想していた。なお、2次職で物理系と魔法系に分岐するらしい。
■9月以降のアップデート
“ネストのボスモンスターを操作してNPC(外見はプレイヤーキャラクターと同じ)と戦う”という新コンテンツを開発中だ。
これは“プレイヤーに新しい楽しみを提供する”というコンセプトで作られているもの。仮に、今後のアップデートでPvPも可能になれば、ニコニコ生放送などでの配信にも応用できるだろう。「YAMAMOTO氏が操作するボスをみんなで倒そう!」みたいな企画を実施できれば盛り上がりそうだ。
2014年下半期には“農場”の改変も計画中。みんなでコミュニケーションを図れるような、時間制限つきのコンテンツを企画しているとのこと。
さらに、PvPやGvGの大幅な改修も予定されている。GvGはPvPモードのひとつとして実装されてはいるが、ほとんど使われていないのが現状だ。うまく活用できるように改善されれば、ギルドコミュニティーの活性化につながるだろう。
運営チームとしては、ここ最近はアップデートが無難なパターンに陥っているので、それを打破したいという想いがあるそうだ。新たな運営体制を構築した『ドラゴンネスト』の今後に期待したい。
4周年記念イベントがスタート!
5月21日からスタートする4周年記念キャンペーンでは、キャラクターの強化&育成をサポート。運営チームとしては難しいダンジョンでアクション性を堪能してもらいたいが、そこに挑戦するための装備を収集する段階でつまずく人も多いからだ。
期間中にログインすることでポイントが蓄積され、そのポイントと各種アイテムや特典を交換できるほか、プレイヤー全員が“初登場の新武器アバターセット”などをもらえるとのこと。
ドラゴンネスト運営マニフェスト
もう間もなく正式サービスから5年目に突入する『ドラゴンネスト』。より遊びやすいゲームに変えていくために、5月21日には問題点と対応策をマニフェストとして公開する予定となっている。
運営チームとしては“ゲームバランスが問題でユーザーごとの格差が拡大している”と認識。ユーザーを下記の4タイプに分類した場合、ミドル層とコア層のあいだに高い壁があるという。
★新規・ライト層
レベルキャップに到達しても各種装備が集められない。
★ミドル層(新規・ライト層と合わせて全体の70~75%)
Lv.70ネストに苦戦する。
★コア層(15~20%)
エンドコンテンツ“ブラックドラゴンネスト”をクリアできる。その手前の“アレンデルコアネスト”を簡単にクリアできる
★強コア層(5~10%)
ブラックドラゴンネストを簡単にクリアできる
【問題点1:格差】
・課金アイテムの使用有無によるキャラクターステータスに大きな差がある
・プレイヤースキルを向上させる環境がない。
『ドラゴンネスト』はアバターにもステータスが設定されており、課金アイテムを活用すればキャラクター性能を大きく引き伸ばせる。アクションゲームが苦手な人でも装備でステータスをカバーできる反面、強力なアバターがないと高難度ダンジョンのパーティーに参加しにくいというのが現状だ。パーティーに参加できないからプレイヤースキルが向上せず、強い装備も集められない悪循環に陥ってしまう。
そこで、まずは6月中に“シュパンボックス”などの確率を見直し、体感的にレアアイテムを入手しやすくする。
7月中には初心者向けギルドシステムを実装し、コミュニティーを強化。いっしょにプレイする友だちを見つけられれば失敗を恐れずにダンジョンに挑戦できるだろう。さらに、Lv.70ネストをクリアしたことがないルーキーとベテランがいっしょにプレイすると報酬が増える仕組みを考案中だという。
8月中にはパーティープレイに必要とされる情報や用語、動画を公式サイト上で公開予定だ。
【問題点2:バランス】
・キャラクターの性能に差がありすぎる
・コンテンツのバランス(難易度、ギミック、クリア報酬)が悪く、挑戦意欲がわかない
オンラインゲームの永遠の課題“バランス”。人気のないキャラクターを使っているとパーティーにあまり呼ばれず、前述の格差問題にもつながる。これについては、年に1回程度だった大規模スキル調整を2~3ヵ月に1回を目処にスピードアップし、さらに進捗状況をこまめに公開することで対応予定だと言う。
コンテンツのバランスも順次修正予定。通常のダンジョンからは煩わしいギミックを減らし、敵の攻撃を回避するなどのアクションゲームとしての楽しさを追求。
クリア報酬のドロップ調整にも力を入れていく。テスト段階でのチェックを入念に行うのはもちろんのこと、実装後はユーザーの声をもとにつねに調整を実施。進捗状況も公開予定だ。
コア層、強コア層はコンテンツをすぐにクリアし、ライト層・ミドル層が追いつくころには消化してしまっているため、パーティー募集が発生しにくい状況に陥る。また、実装当初はコア層のドロップ率を消化速度に合わせることが多く、ライト層が装備を集めにくいという問題もある。
時間が経つにつれて生じるユーザー動向とのギャップを小さくするため、最新の状況に合わせてドロップ率を変化させていく必要があるとのこと。
最後に、話を伺ったおふたりからコメントをいただいた。
運営チーム YAMAMOTO氏
私もひとりのプレイヤーとして、お客様が感じている不満は誰よりもよくわかっているつもりです。今後も開発側と協議を続け、バランス調整を提案していきます。我々の都合で“遊んでもらうため”というより、お客様が“遊びたくなる”ような『ドラゴンネスト』に変えていきたいと思います。
日本運営プロデューサー 西田哲史氏
『ドラゴンネスト』はもうすぐ正式サービスを開始から丸4年になります。爽快なアクション、キャラクターごとのストーリー、豊富なアバター、コンテンツと、自慢できる部分はたくさんあります。ただ、パーティーを組みにくいなどの問題もたしかにあります。その問題を解消し、いつ戻ってきても、いつ始めても楽しめるゲームにしていきたいと思います。