少数精鋭の九州勢が大活躍!?
2014年5月3日から6日に、京都のアミューズメント施設“neo amusement space a-cho”(以下、a-cho)にて開催されたアークシステムワークスのアーケード版対戦格闘ゲーム公式大会“PRE ARC REVOLUTION CUP”。5月5日に開催された『GUILTYGEAR Xrd-SIGN-(ギルティギア イグザードサイン)』(以下、『イグザード』)の大会の模様をリポートする。
■“PRE ARC REVOLUTION CUP”とは?
PRE ARC REVOLUTION CUPは、アークシステムワークスのアーケード版対戦格闘ゲーム『ブレイブルー クロノファンタズマ』、『GUILTYGEAR Xrd-SIGN-(ギルティギア イグザードサイン)』、『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』の3タイトル合同で行われる公式大会。チーム戦やシングル戦など、各タイトル異なる形式で行われ、優勝者には特別称号や賞品が贈られる。また、各日大会終了後には、オフィシャルグッズが当たる大抽選会も開催。
■大会種目
5月3(土)
『ブレイブルー クロノファンタズマ』
大☆同キャラ戦 使用キャラごとにチーム分けしたキャラ別対抗戦。
5月4(日)
『ブレイブルー クロノファンタズマ』
3on3大会 チーム内での同一キャラクターの使用は禁止。
5月5(祝)
『GUILTYGEAR Xrd-SIGN-(ギルティギア イグザードサイン)』
その1 “新人戦”2on2 早稲田式トーナメント。
出場資格:平成生まれ(1989年1月1日以降生誕)限定。チーム内での同一キャラクターの使用は禁止。
その2“無差別戦”1on1 シングル戦トーナメント。
出場資格:制限なし。
5月6(祝)
『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』
その1“大☆同キャラ戦”使用キャラごとにチーム分けしたキャラ別対抗戦
その2“無差別戦”1on1 シングル戦トーナメント。
ベテランプレイヤーも驚くハイレベルな新人戦
ぷれあーくれぼ『イグザード』部門は、平成生まれ限定の“新人戦2on2 早稲田式トーナメントと、出場資格に制限のない“無差別戦1on1 シングル戦トーナメント”の2本立て。ちなみに、早稲田式は、先鋒どうし、大将どうしがそれぞれ試合を行い、2勝したチームが勝利となる。1勝1敗の場合は勝者による決定戦が行わるというルールだ。この新人戦には、16チーム32名が参加。4チームずつ4ブロックに分け、上位2チームが決勝トーナメントに進む形式で進められた。
決勝に勝ち残ったのは、2013年の公式全国大会でベスト8という実績を持つ“まっきぃ”選手(スレイヤー)と、新キャラクターのベッドマンを使いこなす“さばみそ”選手(ベッドマン)で構成されたチーム“みそまき”。そして、会川選手(ソル)と女性プレイヤーのヨコ選手(ラムレザル)という斡旋によって結成されたチーム“あっせん1”。みそまきはまっきぃ選手のワンマンチームと思われがちだが、まっきぃ選手が敗れた試合ではさばみそ選手が勝利をあげるなど、しっかりとふたりの力で勝ち上がってきたチームだ。一方のあっせん1は、なかなか勝利を上げられないヨコ選手の不調を、すべて会川選手がフォローして勝ち上がってきたチーム。決勝戦でも会川選手の用心棒ぶりが期待されたが、まっきぃ選手に敗北。続くヨコ選手もさばみそ選手に敗れ、優勝はみそまきに決定した。
さばみそ選手(左)、石渡氏(中央)、まっきぃ選手(右)。
無差別戦には西日本の強豪プレイヤーが多数参戦
新人戦終了後に行われた“無差別戦”1on1 シングル戦トーナメントの参加者数は、94名。新人戦で優勝を果たした“まっきぃ”選手と“さばみそ”選手はもちろん、関西の『イグザード』シーンをけん引する“どぐら”選手(ソル)と“ekiちゃん”選手(ミリア)、さらには九州から刺客“フェイスガード先輩”選手(ヴェノム)、“中洲ベッドマン”(日の出~ラスト)選手(ベッドマン)など、西日本を中心とした強豪プレイヤーが多数参戦した。大会は、まず予選のリーグ戦が行われ、そこから勝ち上がった32名が決勝トーナメントに進むという流れ。
動向の注目されたどぐら選手は、ベスト16で中洲ベッドマン”(日の出~ラスト)選手に敗れてしまう。新人戦で活躍したまっきぃ選手もベスト16で姿を消し、ekiちゃん選手は惜しくもベスト4で敗退することに。そして決勝戦は、フェイスガード先輩選手と中洲ベッドマン(日の出~ラスト)選手というまさか(?)の九州勢対決となった。ふだんから対戦しており、お互いの手の内を知り尽くしている者どうしの対決はフェイスガード先輩選手が勝利し、優勝を手にした。
■新人戦優勝、みそまきインタビュー
――優勝おめでとうございます。
さばみそ 今回は、まっきぃさんというものすごい方と組ませていただくことになってうれしいです。途中、まっきぃさんが負けてしまったときに氷ついたんですけど、そこでなんとか勝ててほっとしています。新人戦に参加していた平成生まれのプレイヤーが今後の格闘ゲーム界を盛り上げていくことになると思うので、楽しみです。
まっきぃ 僕は前作もやり込んでいましたし、新人というような感じではないので、最初はあんまり出場する気がなかったです。でも、さばみそさんから直接オファーが来たので、「じゃあいきます」と。さばみそがやる気あるのは知っていたので、この人を優勝させようと。僕が強いから勝てるみたいに言われていましたが、僕が負けたところでさばみそさんがフォローしてくれて、そういった形で勝ててほんまによかったですね。
――チームの勝利という感じでしたね。
まっきぃ ほんまにうれしいです。
――まっきぃさんは実績もあるプレイヤーですが、新人プレイヤーと対戦してみていかがでしたか?
まっきぃ 全然知らない人ばかりでしたけど、実際に僕も負けましたし、すごく強い人が多くてびっくりしましたね。
――今日参加していた新人プレイヤーの今後が楽しみですね。ちなみに、目標にしているプレイヤーはいらっしゃいますか?
さばみそ 僕は、以前ブリジットを使っていた“るぅ”さんですね。弱くてもブリジットを使い続けていましたし、「どうやったらおもしろくなるかな?」という姿勢でプレイしている方で、そういった姿勢を見てきたからいま僕がベッドマンをがんばれているのだと思います。
――ベッドマンは使っている人が少ないですよね。どんなキャラクターなんですか?
さばみそ そうですね。ソルやザトーのような上位といわれているキャラクターに比べたら足りないものもあるのですが、ワープだったり独特の動きができるので伸びしろのある楽しいキャラクターだと思っています。
――あーくれぼ本番もベッドマンで挑む?
さばみそ 記念参加したいですね(笑)。
――いやいや、そういわずにぜひ本戦出場を目指してください。まっきぃさんは、スレイヤーを使ってみていかがですか?
まっきぃ もともと使っていたディズィーとまったくスタイルの違うキャラクターなので、難しいですね。最初は「ほんまにどないしたらいいの?」と困っていましたし(笑)。
――仕上がり的にはまだまだ?
まっきぃ ぜんぜんですね。徳島から来たんですけど、今日みたいに県外に出たらすぐ負けちゃいますし。四国は少年さんとるぅさんという有名なプレイヤーがいるんですけど、そこに僕の名前も上がるようにがんばりたいですね。
――ありがとうございました。これからもがんばってください!
■無差別戦優勝、フェイスガード先輩選手インタビュー
――優勝したいまのお気持ちをお聞かせください。
フェイスガード先輩 こういった大きい公式大会で優勝するのは初めてなので、やっぱりうれしいですね。九州でやってる人間は関東や関西に比べて少ないんですけど、ひとりひとりのレベルが高いので、僕がこうやって勝つこともできたのかなと。
――決勝戦の相手は同じ九州勢でしたね。
フェイスガード先輩 中洲ベッドマン(日の出~ラスト)さんとは、週2、3回くらいは対戦している相手ですね。福岡はどのゲーセンも流行っているというわけではないので、プレイヤーどうし声を掛け合って週末に集まって6~7時間くらい対戦しています。
――九州はどんなキャラクターが多いんですか?
フェイスガード先輩 福岡はヴェノムを使う人が多いですね。あとは、ザトー、ソルあたりが多いかなと。ちなみに、ベッドマンは中州ベッドマンさんくらいですね。格闘ゲームって地域の特色が出ると思うんですよ。その地域で強い人が使うキャラクターが自然と増えるんですが、福岡ではヴェノムですね。ザトーは単純にキャラクターが強いから多いですね。
――フェイスガード先輩が見本になるヴェノム使いってことですかね。
フェイスガード先輩 どうなんですかね。僕は全部自分で調べて戦いかたを考えているので、かなり独特だと思うんですよ。だから見本になっているかどうかはわからないです(笑)。
――ヴェノムはそんなに強くないという評価もありますが、いかがでしょう?
フェイスガード先輩 今回のヴェノムは6Pがそんなに強くないし、黄色ロマンキャンセルがあるので地上で対空技を振るというのが難しいんですよ。だから弱いという人もいますが、ヴェノムはジャンプハイスラッシュが強くて弾も持っている。だから、弾を使いながら空中から攻めるのがいいと思うんです。相手がそれを意識すると空対空を狙ってくるので、そこを逆に下から空中投げで迎撃したりと。そんな感じで逃げる相手を狩っていけば結構いけるんじゃないかと。
――戦いかた次第ということなんですね。ちなみに、大阪のプレイヤーと対戦してみていかがですか?
フェイスガード先輩 みんなヴェノムのことをわかっていないですね(笑)。「みんながヴェノムは弱い」と言うから、大阪は使ってる人が少ないんですよ。だから対策がおろそかになっている印象を受けました。それもあって、今日はヴェノムの強さを見せられてよかったですね。
――本番のあーくれぼにももちろん……?
フェイスガード先輩 仕事との兼ね合いもあるんですが、うまく休みが取れたところはドンドン出場していきたいですね。
――全国大会本戦で倒したい相手はいますか?
フェイスガード先輩 いままで同年代のプレイヤー3人でチームを組むことが多かったんですが、そのひとりにロイというソル使いがいるんですけど、彼を倒したいですね。ロイを倒して関東にもヴェノムが強いということを教えたいです。格闘ゲームの本質は楽しむことなんで、勝てないからつまらないと言ってやめる人も多いんですけど、そこでもっとやり込めばもっとおもしろくなるし、もっと勝てるようになると思うんですよね。だから、ヴェノムが強いことを証明したいなと。ヴェノムはもっとおもしろいんだから、みんなもっとヴェノムを使いましょう!