やっぱり『AVA』っておもしろい!
2014年4月26日、ゲームオンは幕張メッセで開催された大型イベント“ニコニコ超会議3”のゲームオンブースで、オンラインFPS『Alliance of Valiant Arms(以下、AVA)』の国際親善試合“AVAIFM2014”を開催した。
“AVAIFM”は日本を始めとする各国の『AVA』プレイヤーの活性化や実力向上を目的として開催され、今回は韓国、台湾、中国の代表クランを招待。昨年末に行われた大会“AVAれ祭2013 -後楽園の陣-”にも出場した日本のトップクランとアジアの強豪が、トーナメント形式でぶつかり合った。
護衛部門
護衛部門にはDeToNator(日本)、FiVESeed(日本)、monster(台湾)、n4Hunter(中国)の4クランがエントリー。“AVAれ祭2013”ではDeToNatorの圧倒的な力の前に敗北を喫したFiVESeedではあるが、大舞台での経験の差が出ていた感もあった。場数さえ踏めば、ひと皮向ける可能性がある。
“護衛”は一定のラインまで戦車を前進させるのが目的の攻め側と、それを阻止する守り側に分かれて戦う『AVA』独自のモード。試合展開が目まぐるしく、スピード感のある戦いが楽しめる。ちなみに、日本は他国に比べて護衛のレベルが高く、過去の国際大会では日本勢が幾度となく優勝している。
第1試合のFiVESeed VS monster 。FiVESeedは素晴らしい立ち回りでmonsterを圧倒。最後でやや攻めきれない場面はあったものの、危なげなく勝利を飾った。
第2試合は王者DeToNator VS n4Hunter。n4Hunterは中国で爆破・護衛の両部門を制した(しかも同じメンバーで)クランだが、DeToNatorのパワーは圧倒的だった。付け入る隙をまったく与えずにn4Hunterを撃破し、日本の2クランが決勝戦で対決することに。
決勝戦では“AVAれ祭2013”の雪辱を目指すFiVESeedの前に、DeToNatorという大きな壁が立ちはだかった。善戦はするものの、つねにDeToNatorが優勢のままゲームは進んでいく。そのままの勢いで押し切られ、護衛部門の優勝はDeToNatorに決まった。
爆破部門
多くのFPSのメインモードとも言える爆破部門には、DeToNator(日本)、SunSister(日本)、Astrick(韓国)、ahq e-Sports Club(台湾)、n4Hunter(中国)の5クランが出場。通常の大会だと3セットマッチのことが多いが、今回は1セットマッチ。最初に流れをつかんだチームが有利なのは間違いない。
韓国代表のAstrickは輝かしい戦績を誇り、“絶対王者”とも言われているトップクラン。台湾のahq e-Sports Clubは国際大会での優勝経験もある強敵だ。日本勢はこの2クランは何度も苦しめられている。ここに中国のn4Hunterが加わり、波乱の展開を予感させた。
第1試合は4Hunter VS ahq e-Sports Club。情報量が少なく、ある意味で不気味な存在だった4Hunterだが、ahq e-Sports Clubの巧みな連携の前に敗れ去った。
第2試合はSunSister VS Astrick。使用マップは守り側が有利なHAMMER BLOW(ハンマーブロー)だったため、先攻のSunSisterにとってはやや不利な状況で試合がスタート。1本目を先取したところまではよかったが、その後はAstrickの堅牢な守備に阻まれて連続してラウンドを落とし、Astrickに軍配が上がった。
第3試合はDeToNator VS ahq e-Sports Club。日本国内では絶対的な力を誇るDeToNatorだが、今回は動きが固く、ahq e-Sports Clubに敗れてしまった。少し前にレギュラー入れ替えがあったため、単純に練習不足が響いた結果だという。残念ながら日本代表は両クランとも決勝に残ることができなかった。
Astrickとahq e-Sports Clubによる決勝戦は、最終ラウンドまでもつれ込む熱戦。ラウンドごとに人員の配置を変えるAstrickがシーソーゲームを制し、見事に優勝の栄冠をつかみ取った。
解説を担当した日本運営プロデューサー・井上洋一郎氏によると、Astrickは思い切った戦術が多いとのこと。リスクの大きいギャンブル的な戦術を避けるDeToNatorとは対局の考えかただ。Astrickが強さをキープできる秘密は精神力の強さにあるのかもしれない。
勝利者インタビューで、優勝したAstrickのリーダーは「(ahq e-Sports Clubは)新しい戦略を見せてくれて楽しかった」と語った。負けて悔しいはずのahq e-Sports Clubの面々は、笑みを浮かべてAstrickのもとに行き、握手を求めた。きっと彼らは、勝ち負けの域を超えて、単純に『AVA』が楽しかったのだ。
『AVA』のように競技性の高いゲームは“e-Sports”と呼ばれる。貪欲に頂点を目指すのも、純粋に試合を楽しむのも、息を呑んで観客として試合展開を見守るのも、すべて正しいスポーツへの接し方であると、改めて教えられたイベントだった。