『俺屍』トークに新情報、見どころもりだくさんな“お披露目の儀”に! 

 2014年4月13日、東京・渋谷のセルリアンタワー 能楽堂にて、ソニー・コンピュータ
エンタテインメントジャパンアジアから発売されるプレイステーション Vitaタイトル
俺の屍を越えてゆけ2』のイベント“『俺の屍を越えてゆけ2』お披露目の儀”が開催
された。取材陣や関係者のほか、プレイステーションファンのための公式コミュニティ
ーサイト“プレコミュ”で当選したファン約80名を招待して行われたこのイベントの模
様を詳しくお届けする。
【2014年4月14日1時追記:イベント終了後の桝田省治氏、生田美和氏への質疑応答の内容を追記しました】

“『俺の屍を越えてゆけ2』お披露目の儀”開催、和の雰囲気の中、多数の情報が発表されたイベントをリポート_01
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オープニングは能の舞い

 “『俺の屍を越えてゆけ2』お披露目の儀”オープニングでは、能楽師の谷本健吾氏による“晴明”というオリジナルの能が披露された。この舞は『俺の屍を越えてゆけ2』で、主人公一族の仇敵として登場する阿倍晴明をイメージしたもので、後半からは、おどけた口調でしゃべる安倍晴明の相棒である鬼の面“鬼頭”(おにがしら)を持っての舞となった。そして舞の締めには、「不死身の私をどうやって殺しましょうね」(口調は平安中期に合わせてありました)という晴明の決めゼリフ! 観客は一気に『俺屍』ワールドへと引き込まれた。

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関係者による『俺屍』トーク

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 『俺の屍を越えてゆけ』のゲームデザイン・シナリオを担当した桝田省治氏の挨拶に続き、『俺屍』の歴史を振り返るというトークイベントが行われた。壇上には、桝田氏に加え、制作を担当したアルファ・システムの佐々木哲哉氏、音楽の樹原涼子さん、イツ花役の声優である吉田小南美さんが登場。
 『俺屍』独特のコンセプトやシステムについての紹介のほか、テーマ曲となった“花”やアフレコの模様など、当時の裏話も飛び出した。

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『俺屍2』のトークでは、新情報も続々!

 続いては、『俺屍2』のトークイベント。桝田氏、佐々木氏に加え、シナリオを担当している生田美和さん、音楽の樹原孝之介氏、コーちん役の声優である福圓美里さん(コーちんの耳つき!)が登壇。ここでは、『2』開発の経緯のほか、システムやグラフィック、音楽、ネットワーク要素など、おもに『2』で変わった部分を中心にトークが進められた。動画で新しい職業の“鬼頭”の戦闘シーンや夜鳥子(ヌエコ)の冒頭のムービーなどが公開されたほか、「神様の約3分の1が敵として出てくる」(桝田氏)といった新情報も飛び出した!

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『俺の屍を越えてゆけ2』製品情報発表

 『俺屍2』のトーク、最新映像のあとは、いよいよ製品情報の発表。発売日や初回限定版の内容とともに、前作を含む3種類の体験版の情報が公開された。また、阿倍晴明役の声優である平川大輔氏と、前作のテレビCMに続き、『俺屍2』のCM(映像は公式サイトで公開中)にも登場する岸部一徳氏からのビデオメッセージも放送された。

※関連情報:【速報】『俺の屍を越えてゆけ2』発売日は7月17日! 複数の体験版や初回限定版情報も公開
※関連情報:『俺の屍を越えてゆけ2』15年前の前作と同一キャストによる新WebCMが公開 メイキング映像、前作のCM映像も合わせて公開

新旧テーマ曲の共演!

 そしてイベントの最後を飾ったのが、音楽を手がける樹原涼子さん、樹原孝之介氏による、新旧テーマ曲の生演奏! 『俺の屍を越えてゆけ』のテーマ曲“花”は、樹原涼子さんがピアノとボーカルを弾き語りで披露。その後、初披露となる『俺の屍を越えてゆけ2』のテーマ曲“WILL”では、作曲した孝之介氏がピアノ、涼子さんがボーカルを務めるという豪華な布陣! 感動のあまり、涙を流す女性ファンもいたぞ。

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 イベント終了後には、イベント出演者とのフォトセッションが行われた。この場面は“プレコミュ”で招待されたファンの皆さんも撮影できるとあって、多くの人がカメラを向けていた。

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イベント終了後に桝田氏と生田氏を直撃!

 イベント終了後には、各メディアが参加し、桝田氏と生田氏の囲み取材が行われた。
この囲み取材のやりとりは以下の通りだ。

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<シナリオに関して>

――今回、シナリオに生田さんを起用されていますが、彼女を起用されたことで、シナリオのボリュームや厚みに変化はありましたか?
桝田 台本の厚みは前作の倍くらいになっていますが、それが厚みになっているかどうかは、あくまでユーザーさんが判断することですね。おもしろいとは思いますけれど。RPGは、ユーザーのシナリオに対する要求が高いですから、それに応えようと。それだけです。

――桝田さんから生田さんへはどのようなオーダーをされたのですか?
桝田 おおざっぱな流れと、それに必要なイベントはこういうものだと説明して、「登場する神様の中で、どの神様を使えばそのイベントを達成できるかというのは、好きに決めていいよ」と。それで上がってきたものを何度かやり取りして、最終的には僕のほうで統一を取りました。だけど、やっぱり女性がシナリオに入ると、視点が違っておもしろいかなと思います。

――生田さんがシナリオ製作中に苦労した部分などは?
生田 イベントの作りかたですね。キャラクターを風景ごと切り取って表現するのではなく、『俺屍』ではもっとキャラクターの中に入り込み、キャラクターの内面を引きずり出す。キャラクターが生きて動き出すようにならないと『俺屍』のものにはならない、と言われました。

――トークの中で、神様の中の3分の1が敵に回るという表現もありましたが、それぞれに物語があるということでしょうか?
桝田 そうですね。ユーザーさんの妄想として15年分の蓄積がありますから、ネタは豊富ですよ(笑)。
生田 それをある部分では裏切って、越えていかないといけないので、そこのさじ加減を桝田さんに監督していただきました。
桝田 人気のある神様は、だいたい敵として出ますよ。敵になっているということは、その人の過去の話も出てきたりする。そのあたりも楽しみにしていただければと思います。
生田 自分で見つけて、倒して改心させる。とくに恋愛感情を伴って妄想する方にはいいと思います(笑)。もちろん、そうじゃない方も新しい神様との出会いを楽しめるようになっています。

<テーマ曲に関する応答>

――テーマ曲に関して桝田さんからはどういったオーダーをされたのでしょうか?
桝田 途中途中の段階でコーラスがほしいとか、歌詞のイメージは季節の移り変わりを現したほうがいいんじゃないかといったくらいで、大きなところはとくにないですね。今回の作曲をした彼(樹原幸之介氏)は、おそらくここにいる誰よりも『俺屍』をやり込んでいるので、たとえば雑魚戦の曲って言ったら、彼の頭の中にあるから、とくに言う必要はなかったですね。

<体験版に関する応答>

――発売日が7月17日と発表されましたが、現在の完成度はどれくらいですか?
桝田 この時期だから、もうほとんどデータは入っています。あとは細かいバランス取りとか、細かいバグを探してつぶしているところです。ただ、ネットワークもありますから、ユーザーがどんな遊びかたをするのか想像がつかない部分もあるので、いろいろとデータを取っています。

――4月の体験版をプレイしたユーザーの声が本編にフィードバックされることもあるのでしょうか?
桝田 ええ。3月の体験会の声も、すでに反映しています。ものにもよりますが、必要なものがあれば反映します。ただ、我々も「これでいい」と思って作っているわけですから、そんなにないですよ、もう(笑)。ただ、このあいだ『1』の体験版ができたから、改めてプレイしたら、コマンドの並びかたとか、『1』のほうがいい部分もありました。もうそれは直しましたけど。

――4月に配信されるのはシステム編の体験版ということですが、システム面に関しては製品版とほぼ同じということでしょうか?
桝田 一部SNSへの投稿ができない以外は、製品版とほとんど同じです。