スペシャルゲストとしてZweiも参加！
2014年4月5日（土）、東京・渋谷のMtRAINIER HALL SHIBUYA PLESURE PLESUREにて、いとうかなこのワンマンライブ“いとうかなこLIVE 2014 ～Happy Spring Party!!～”が開催された。大阪から始まった今回のライブ。東京では昼夜の2部公演となっており、昼に行われた【sweet box】では全編アコースティックという構成のライブでファンを魅了。続く夜の部となる【hyper box】ではアガる楽曲を中心にした構成でファンをアツく盛り上げた。今回は、スペシャルゲストも登場した【hyper box】の様子をリポートする。
座席ありの会場ということで、開演前はゆったりと落ち着いた雰囲気を見せていた会場のファン。しかし、ライブが始まると、ステージに登場したいとうかなこが会場のファンに立つように促す。これにファンも即座に呼応し、全員が立ち上がりアツい開幕を予感させる。いとうのNewアルバム『RASTER』の収録曲を中心としたライブということで、もちろん1曲目は『RASTER』を披露。アコースティックギターをかき鳴らしながら、同曲を熱唱するいとう。拳を振り上げて盛り上がるファンに「“Happy Spring Party!!”へようこそー!!」と、いとうが声をかけると続けざまに『A.R.』へ。PC版『シュタインズ・ゲート』のイメージソングからPCゲーム『カオスヘッド』オープニングテーマ『Find the blue』、同作エンディングテーマ『Desire Blue sky』と、いとうが全シリーズ主題歌を務める科学アドベンチャーシリーズの楽曲で攻め立てると、会場も徐々に熱を帯びていく。そして会場の興奮を落ち着かせて披露したのは、『追想のディスペア』。いとうの声が力強く響くと、今度は生バンドの演奏が会場中に厚く被さり、赤いサイリュームが灯る会場を盛り上げた。
続けざまに5曲を披露したいとうは、「ようこそ、ようこそ、ようこそー！」と上機嫌。「昼公演はずっと座っていただいていたので、夜はちょっと元気よくいこうと」と語る。Newアルバム『RASTER』の発売記念的なワンマンライブであるという今回のライブについて「歌いたい曲がいっぱいあってね。ベストヒッツ的なラインアップになっています。懐かしいのから最近のまで歌います」とコメント。これまでに、さまざまなゲームやアニメの楽曲を歌ってきたいとうは、最近になって乙女ゲームの主題歌も歌っており、続いての曲はその乙女ゲーム『花咲くまにまに』のオープニング曲『悠久ノ空咲ク花』。同曲をゆったりと歌い上げるとXbox 360版『シュタインズ・ゲート』のエンディング曲『Another Heaven』をしっとりと聴かせ、会場のファンを魅了した。
『カオスヘッド ノア』、『シュタインズ・ゲート』、『ロボティクス・ノーツ』と科学アドベンチャーシリーズ3作品、すべて主題歌を歌っているいとう。Newアルバム『RASTER』では、3作品の歌が3種類とも収録されていることがいとうのアルバムとしては初のことということで、こちらも注目ポイントだ。そして、“科学アドベンチャーシリーズつながり”ということで、Zweiのふたりがスペシャルゲストとして登場。2014年4月30日にリリースされるNewシングル『Brave the sky』がZweiとのコラボ曲になっているとのことで、さらにTOKYO MXで放送中のテレビ番組『アニメTV』の4月のオープニング曲にもなっているのだとか。これにいとうは「どうしようねー。シングル売れちゃうねー」とうれしそうにコメントすると、Zweiのボーカリスト・Ayumuも「お願いねー。みんなわかるよねー（笑）」と呼応し、会場の笑いを誘った。もちろん、ここで披露されるのは『Brave the sky』。Zweiが加わり、よりパワフルになったステージに応えるように、ファンも拳を振り上げ、コールを入れて同曲で盛り上がった。
「あー、うるさかったね（笑）」とZweiとのコラボについてコメントしたいとうだったが「コラボって楽しいよねー。だって、ハモれるんだもん（笑）」と感想を伝える。そして、Zweiとの共通点である作品『ロボティクス・ノーツ』のエンディング曲『トポロジー』へ。やさしい歌声が会場に満ちると、ここからは“ダークネスコーナー”とみずから名付けた楽曲を披露。アコースティックギターを弾きながら『ガラスのくつ』を歌うと、『Tears』、『STILL』とさらに2曲を披露。会場からは拍手と感嘆の声が漏れた。続く『Lamento』では、会場中が何も言わずに立ち上がり大盛り上がりとなると、「ありがとう！ 何も言わなくても立ってくれて（笑）」といとうも喜びを露わにした。
ライブのクライマックスに向けてのMCでは、会場のファンが着ているTシャツについて言及。いつの時代のTシャツかがひと目でわかることがライブTシャツのいいところであると語るいとうは、2008年に行われた“GEORIDE presents いとうかなこスーパープレミアライブ 2008～いとうかなこNitroplus Song全曲披露！ 怒涛の5時間ライブ！～”のTシャツを着ているファンを見つけ、「ニトロプラスの曲を全部歌うっていうバカな企画だったんだよね。私、48曲歌ったもん。バカだねー（笑）。人も機械も壊れたもんね。機械から煙でちゃって（笑）」と想い出話に花を咲かせた。また、『シュタインズ・ゲート』だけでもかなりの数の楽曲が揃っていることから「『シュタインズ・ゲート』だけのコンサートとか皆さんどうですか？ いいよねー？（笑）」と新たな企画を提案するシーンもあった。
そんな『シュタインズ・ゲート』の劇場版作品主題歌となった『あなたの選んだこの時を』で会場中を盛り上げると、『Last Control』、『Hacking to the Gate』と畳み掛ける。『Hacking to the Gate』では、会場で配られたウルトラオレンジのサイリュームが会場中に咲き乱れ、いとうも笑顔を見せてライブを楽しんだ。ファンとの一体感を楽しんだいとうは、「ありがとうございましたー！ また会いましょう！」とひと言挨拶し、颯爽とステージを後にする。あっさりとステージから去ったいとうを惜しむように、会場からアンコールが沸き起こると、ライブTシャツを着たいとうとバンドメンバーが登場。「みんな（サイリュームが）揃ってるからびっくりしちゃったよー！」と会場のサイリュームに驚いたことを早速明かした。
今回のライブを開催するにあたり、特設サイトでアンケートを取るという企画が行われており、ここからはファンから人気のあった楽曲を発表して行くことに。今回の【hyper box】では、1位が同率で3曲という結果に。PCゲーム『塵骸魔京』のエンディングテーマ『陽炎』、PCゲーム『Lamento -BEYOND THE VOID-』オープニングテーマ『Lamento』、そしてXbox 360版『シュタインズ・ゲート』オープニングテーマ『スカイクラッドの観測者』だ。『陽炎』はライブ終演後の送り出しBGMとして流すことを約束し、『Lamento』はすでに歌ったということで、まだ歌っていない『スカイクラッドの観測者』を披露。コールも入りアツく盛り上がると、いとうも「初めてですね、サイリュームがこんなに振られるワンマンライブ（笑）」とうれしそうだった。
そしてアンコール最後の曲へ。「震災が起きてからは、ライブやイベントはいつもこの曲で締めくくっています。『虹がでるまで』っていう歌を震災復興の気持ちを込めて作りました。Tシャツを着てくれている子もいるよね。まだ終わってないしね。だからこの曲で締めくくりたくて。一昨年、大阪の心斎橋で起こった通り魔事件で私たちの仲間がひとり巻き込まれて亡くなりました。これもまだ終わっていないんです。まだ、裁判が始まっていなくて。だから皆さんにも応援してもらいたくて。私も、当時は悲しすぎて自分でもよくわからなかった。“辛い”っていうのはいつまで経ってもなくならないんだけど、でもいっしょにいられるようになるんだなっていうことがわかりました。それをね、“強さ”になったっていうことにして、これからもっと元気に歌っていこうと思いますので、皆さんこれからも応援よろしく！」と語ると、『虹がでるまで』を心を込めて歌い上げた。最後は、ありがとうございましたー！ またねー！ またすぐ会おうねー！」と会場中に声をかけ、ステージを端から端まで走り回り、ファンとの一体感を楽しんだ。
■いとうかなこLIVE 2014 ～Happy Spring Party!!～【hyper box】
セットリスト
01. RASTER
02. A.R.
03. Find the blue
04. Desire Blue sky
05. 追想のディスペア
06. 悠久ノ空咲ク花
07. Another Heaven
08. Brave the sky
09. トポロジー
10. ガラスのくつ
11. Tears
12. STILL
13. Lamento
14. あなたの選んだこの時を
15. Lost Control
16. Hacking to the Gate
En01. スカイクラッドの観測者
En02. 虹がでるまで
