説明会では“ひかりTV”の躍進的な事業展開が提示
2014年4月7日、NTTぷらら本社で“ひかりTV”事業説明会が開かれた。今回の説明会の焦点は、スマートTVの普及と拡大を目指した“ひかりTV”ならではの戦略だ。その内容は、単純なサービスの追加や拡充だけではない。総合的かつ躍進的な事業展開であった。
“ひかりTV”はインターネットを通じ、テレビやパソコン、スマートフォンからタブレットなどの機器で、ドラマや映画といった映像作品から、ゲームや音楽まで楽しめる総合的なエンターテイメント・サービスだ。2008年の開局以来サービスの発展を続け、現在では280万もの会員数を獲得するまでに至っている。
“ひかりTV”の目指す方向性のひとつが“サービス・コンテンツの多様化”だ。テレビの大きい画面でインターネットを楽しめるブラウザ機能はもちろん、野球中継をより詳細に楽しめるアプリ、外出先でも気軽に楽しめるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービス、放送番組を通信環境がない場所でも楽しめる録画視聴サービス、クラウドパーティプレイが可能なオンラインゲーム、時間や場所に縛られずに楽しめる音楽配信、映像とショッピングの連携など、サービスのさらなる拡大が図られているようだ。
多様化だけでなく“サービス・コンテンツの高度化”への取り組みもされている。今回の説明会の目玉のひとつが、フルハイビジョンよりもさらに高い解像度となった4K映像の配信サービスだ。単純に高画質になるだけでなく、激しい動きに対応するための秒間60フレームの映像にも対応している。4K映像の商用サービスの開始予定は10月とまだ先であるが、4月8日から全国の大手家電量販店や、NTTグループのショールーム、エントランスで順次配信のトライアルが行われている。最新鋭の映画館のスクリーンに匹敵する美麗な映像を、いち早く電気店で体験してみるのもよいだろう。
サービスの拡充・高度化だけでなく、多くのユーザーにサービスを提供するためのマルチネットワーク/マルチデバイスへの対応の推進も“ひかりTV”の目標だ。2014年度内には、フレッツ光以外の光・ADSL回線へ対応することや、キャリアフリー対応のチューナーの導入も予定されている。いままで“ひかりTV”を利用できなかった層にアピールをすることで、さらなる会員数の増加を目指しているようだ。
ウォルト・ディズニー・ジャパンのテレビジョンバイスプレジデント&ゼネラルマネージャーである児玉隆志氏は、日本初登場となるオンラインゲーム『プレーンズ』、『トイ・ストーリー3』『メリダとおそろしの森』、『ディズニーインフィニティ』を紹介した。児玉氏は進化を続ける“ひかりTV”のサービスに対して、自社もコンテンツを進化させていかなければならないと考え、配信されている映像コンテンツに加えてクラウド技術を駆使したオンラインゲームも提供することを考えたそうだ。氏は今後もスマートTVならではの特別な展開をつくっていくので“ひかりTV”とともにご期待をいただければと、コンテンツへのさらなる意気込みを語った。
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犬専用の番組配信も 各ブースの様子をお届け
説明会の後、会場内のブースにて各サービスを体験することができた。ブースの中でもとくにユニークだと感じたのは、6月から新たに配信されるコンテンツである“DOG TV”だ。これは科学的研究に基づき開発された犬専門のチャンネルであり、留守番をしている犬にリラックスしてもらうことを目的につくられている。仕事が忙しく、犬にかまってあげられない愛犬家はチェックしてみてはいかがだろうか。
ふたつめのブースでは、4K映像を大画面で観ることができた。映し出されているのは冬期オリンピックのボブスレーの映像だ。飛び散る雪のひとつひとつを観ることができるきめ細かさはもちろん、選手たちの素早い動きも毎秒60フレームのなめらかな映像で楽しむことができた。4K映像はスポーツ観戦にはもってこいだろう。東京オリンピックまでに配信を検討される方も多いかもしれない。
また、同ブースでは、“4Kフォーカス機能(仮称)”も参考出展されていた。これはタブレットで拡大の操作をすると、TVの画面も連動して拡大されるというサービスだ。導入するかはまだ未定であるが、実現すればコンサートやサッカー観戦には重宝できそうだ。
最後に紹介するのが、『プレーンズ』のゲーム版が楽しめるブースだ。“ひかりTV”では新規タイトルのゲームも続々と発表されており、中には『プレーンズ』をはじめとしたディズニー映画がゲーム化されたタイトルもある。“ひかりTV”では映画の配信もされているため、ディズニー映画を観てからすぐに同タイトルのゲームを遊ぶという楽しみかたもできるそうだ。
ブースの外では『ディズニーインフィニティ』も紹介されていた。これは購入した実物のフィギュアに付属しているコードを入力することで、そのフィギュアのキャラクターがゲームの世界にも登場するというまったく新しい楽しみかたができるゲームだ。映画・ゲーム・関連グッズの販売と、ディズニーのコンテンツをトータルで楽しむことができるのも、“ひかりTV”の強みと言えるだろう。
総じて感じたのは、“ひかりTV”のサービス向上への“貪欲さ”だ。ユーザーが不便だと感じたことを解決しようとするだけでなく、ユーザーにとって“あったらうれしい”サービスを追加し、ひとつひとつサービスそのものも充実させている。板東氏は「2015年3月末には320万人の会員数を目指す」と説明会を締めくくった。そう宣言できるのは、このサービスへの貪欲があるからなのだろう。
(取材・文 ライター/ヒナタカ)











