『スパIV』の闘いをテーマにしたパチンコがお披露目
2014年4月5日（土）、東京秋葉原のe-sports square AKIHABARAにて“『スーパーストリートファイターIV CRエディション』発売記念イベント”が開催された。その模様をリポートしよう。
このイベントは、2014年4月下旬から全国のパチンコ・パチスロホールで設置が始まるパチンコ機『スーパーストリートファイターIV CRエディション』（平和）のデビューを記念して催されたもの。この日はパチンコの試打・闘打イベントと、“ウメハラ”、“ふ～ど”など『スーパーストリートファイターIV』（以下『スパIV』）のトッププレイヤーたちが出演するゲームイベントの二部構成で進められた。会場には抽選で招待された100名近くのファンが集い、『スパIV』尽くしの夜を楽しんだ。
最後の頂点を目指す『スパIV』ファイナル決戦！
まずは“スーパーストリートファイターIV AE 最強頂上決戦”と題されたゲームイベントから開始。これは招待されたトッププレイヤー7名と、当日予選を通過した1名による、最強を決める『スーパーストリートファイターIV AE Ver.2012』（『スパIV』現行バージョン）アーケード版によるトーナメント戦を行うというものだ。
出場選手は、“ウメハラ”（リュウ）、“ふ～ど”（フェイロン）、“EBI@バキ勢”（ハカン）、“洋梨”（ジュリ）、“-R-”（バイソン）、“アミユ”（元）、“よっさん”（ジュリ／当日予選通過者）という、国内『スパIV』界のオールスターといっても過言ではない面々。世界で活躍するプロゲーマー、そして『スパIV』プレイヤーなら誰もが一目置く特定キャラクターの職人的プレイヤーが一同に会するのは全国大会クラスでもまず実現しないこととあって注目が集まった。
開戦前にはカプコンの杉山晃一プロデューサー、綾野智章アシスタントプロデューサーが登壇。シリーズ最新作のアーケードゲーム『ウルトラストリートファイターIV』（以下『ウルIV』）の稼働を今月に迎えることで、カプコン公認の『スパIV』大会としてはラストを飾ることとなるこの“最終決戦”への期待の言葉を寄せた。
大会最初の試合となる、第一回戦最初の試合で、いきなり『スパIV』界で最も有名な男“ウメハラ”が登場。全国トップクラスのジュリ使いプレイヤー“洋梨”との闘いが始まり、トーナメントの開幕から会場は一気に沸き上がる。一般的にもリュウが不利と言われる対ジュリ戦にもかかわらず“ウメハラ”は安定の勝利。「（普段はあまり対戦機会がない）ジュリ戦は今回かなり対策してきた」と語り、この大会に賭ける並々ならぬ熱意を伺わせた。
以降の試合も、前述のとおり、最高峰のプレイヤーが集まる大会とあって、一回戦から熾烈な闘いが随所で展開された。
特に注目が集まったのは、シリーズ屈指のパワフルな投げキャラであるハカンを使う“EBI@バキ勢”と、二つの流派を使い分けて空間をフルに使うトリッキーな技が持ち味のキャラクター、元を使う“アミユ”。いずれも『スパIV』では使用シェアが低いキャラクターを使いながらも、キャラクターの持つ可能性をフルに引き出して多くの“ジャイアントキリング”（大物食い）を見せているプレイヤー。この日見せた“EBI@バキ勢”のコマンド投げをバシバシと決める果敢な攻めは、長年の『スパIV』プレイヤーであっても「見たことがない」と思わせる独創的なもの。一回戦ではバイソン全国一位プレイヤー“-R-”を倒し、二回戦ではプロゲーマーの“ときど”に惜敗。結果こそ出なかったものの会場を沸かせたプレイヤーとして強く印象を残した。
準決勝まで終わり、決勝戦は“ウメハラ”と“ときど”の闘いとなることが決まった。ともに周辺機器メーカー“Mad Catz”のスポンサードを受ける、プロゲーマーの同門対決だ。
『ウルIV』が国内初お披露目。そして稼動日の正式発表も！
決勝の組み合わせが決定したあとには、注目の最新作『ウルトラストリートファイターIV』（以下、『ウルIV』）の紹介もあった。開発者の杉山氏と綾野氏が新たに参戦するロレント、エレナ、ポイズン、ヒューゴーの4キャラクターを使いながら、『ウルIV』の新システム“ウルトラコンボW”や“レッドセービングアタック”を実演解説。（制作途中版であるロケテストの機会を除いて）『ウルIV』の実機が日本のファンの目の前で披露されるのは、実はこれが初めて。来場者は初めて見るウワサの最新作の挙動ひとつひとつに注目をしていた。
そして、試合直前には、カプコンの小野義徳エグゼグティブプロデューサーが登壇。小野氏から、全国のゲームセンターで稼働が始まる日が2014年4月17日であることが発表された。「先日、（『ウルIV』の生産・販売を担当する）タイトーの工場で量産されているのを見たばかり」というコメントも。新たな闘いの開幕に胸が高鳴る！
※関連記事→『ウルトラストリートファイターIV』の稼動日が2014年4月17日に決定
パチンコ対決で熱き波動を起こす
第一部のゲームイベントはいったん終わり、パチンコ『スーパーストリートファイターIV CRエディション』をお披露目する第二部がスタート。『スパIV』の世界観やギミックをふんだんに取り入れて、このために制作された新規ムービーも収録されているというこの機種。内容の紹介も兼ねて、双子のお笑いタレント“ザ・たっち”とパチンコ好きのゲーマー“ヌキ”と“こくじん”による大当たり対決や、トーナメントにも出場している“ふ～ど”と“板橋ザンギエフ”による対戦格闘ゲーマー同士の対決といったユニークなステージが繰り広げられた。
また、会場には試打スペースも用意されており、多くの来場者がもうひとつの『スパIV』の世界にさっそく挑戦していた。
『スパIV』の4年が集約された決勝戦！
イベントは再び第一部へ。決勝戦の前には、ゲストにタレントの加藤夏希さんが登場。 「『スパIV』ファンで、兄と対戦して“フルボッコ”されたこともあるんですよ」、「好きなキャラクターはザンギエフ」と語った。そんな格ゲー好きの加藤さんが見守る中、最後の決戦に挑む“ウメハラ”と“ときど”が現れる。対戦格闘ゲームのプロゲーマーの先駆けでもあるふたり。対戦前には「一緒にがんばってきた仲間と、ひとつの区切りとなるイベントで戦えてうれしい」（ウメハラ）、「リュウ対策はバッチリ決めている。今日の対戦ではそれを見せたい」（ときど）と語った。
5戦先勝した勝利というルールで、いよいよ決勝戦が開始。序盤の牽制し合いながら相手の出方を伺う均衡状態を破るように、“ときど”が押しの強い攻めを初めて、先に2本先取。対する“ウメハラ”もエンジンが回ってきたかのように、勝負どころで果敢に近付き鳩尾砕き、アッパー、真空波動拳、滅・波動拳といった超絶コンボも決めるなど決勝戦にふさわしい熱いシーンが続出。技の特徴や動作フレームを熟知した者同士のハイレベルな駆け引きは、2010年4月のPS3／Xbox 360版発売から始まった『スパIV』の4年間が集約された、ラストにふさわしい闘いに思えた。地上戦を重視した“ウメハラ”に対して、登りのEX斬空波動拳などを起点に空中から多彩な攻めを見せた“ときど”が勝負を制して、見事優勝を果たした。先週、韓国で開催された“Id Global Tournament”で準優勝を果たした“ときど”。この週末もその勢いを維持した熱い闘いを見せてくれた。
■カプコン 小野義徳氏、杉山晃一氏、綾野智章氏ミニインタビュー
終演後、カプコンの小野氏、杉山氏、綾野氏からお話を伺うことができた。そのインタビューの様子をお届けしよう！
――今日の感想はいかがですか？
綾野智章氏（以下、綾野氏） いやぁ、熱いイベントでしたね！ パチンコについては当初お話をいただいたときに、軽い気持ちで「タイトルは『CRエディション』にしたら面白いですよね」といったら、それが正式題になり思わずビックリしました（笑）。でも、ゲームセンター用のゲームとしてデビューした『アーケードエディション』と並ぶ名前を冠することができて、シリーズの“新たなファミリー”という感じが出たのではないでしょうか？
小野義徳氏（以下、小野氏） 『IV』のナンバリングシリーズも2008年『ストIV』、2010年『スパIV』、そして2014年『ウルIV』と7年目に突入。皆さんの応援のおかげでここまで続けることができました。この勢いで10年目まで続けられれば（笑）。そこまで到達すれば『ストリートファイター』シリーズだけではなくて、『サイバーボッツ2』や『パワーストーン3』も実現は夢じゃないかも!?（笑）
――ステージでもそのようなお話をされていて、観客は大爆笑でしたね（笑）。それはともかく、今日は『スパIV』の集大成と、『ウルIV』の始動というふたつのメモリアルがありましたね。
小野氏 『スパIV』では毎回「これで終わり」と言いつつも、バージョンアップを重ねていきましたが（笑）、『ウルIV』は従来から大幅に刷新した“新作”として登場するタイトルです。これまで以上の、皆さんの熱い戦いを期待しますよ！
――公式最後の『スパIV』大会についてはいかがでしたか？
綾野氏 これまでの締めくくりに本当にふさわしいバトルを見せていただきました。選手の皆さんがさらに高度な戦術を使いこなしていて、驚きました。プレイヤーの皆さんと一緒に歩んできた『スパIV』の4年間。その集大成が、決勝戦で戦ったふたりを通じて垣間見えたように思います。『スパIV』の闘いの歴史を象徴するものでしたよね。
――そして、新たな闘いの舞台『ウルIV』がついに始動しますね！
綾野氏 これまでの闘いの盛り上がりをそのまま『ウルIV』につなげていきたいですね。ゲームセンターでの対戦は、プレイヤー同士が限りなく等しい条件で競われるもの。真の実力を競うにはふさわしい環境であると思っています。ゲームセンターでデビューする『ウルIV』で、アーケードならではの“勝負”の熱さをぜひみなさんも感じていただければ、と思います。家庭用勢の方も、これからデビュー予定という“未来のトッププレイヤー”の方もぜひ4月17日以降にゲームセンターに足を運んでみてください！
杉山晃一氏（以下、杉山氏） 稼働直前という時期に、非常にタイミングよく今日のイベントで皆様にお披露目できたことをうれしく思います。稼働後はアーケード展開でご協力をいただいているタイトーさんとともに、『ウルIV』の対戦を楽しんでいただけるようなイベントを予定していますから楽しみにしてくださいね。
――『ウルIV』で“格ゲー”デビューする人が増えるといいですね。
綾野氏 『スパIV』、さらにその前作の『ストリートファイターIV』（以下、『ストIV』）から対戦格闘ゲームを始めて、メキメキと腕を上げて大会などで活躍している人も多くいらっしゃいます。ですから、これからも『ウルIV』でどんなすごいプレイヤーが誕生するかが本当に楽しみですね！
杉山氏 さまざまな分野とのコラボレーションなどを通じて、これまでアーケードゲームになじみがなかったような方も、気軽にゲームセンターで『ウルIV』が楽んでいただけるような企画や取り組みを積極的に展開していきますよ。
――稼働を心待ちにしているファンへのメッセージをお願いします。
綾野氏 私は『ストリートファイター』シリーズの最新作がゲームセンターに登場することを願ってカプコンに入社したようなものですから（笑）、『スパIV』に続いて『ウルIV』でもアーケード最新作デビューに携わることができたのは非常に光栄だと思っています。4月17日は、私もゲームセンターに行きますよ。ポイズンを使って参戦しますから、みなさんぜひお会いして戦いましょう！
杉山氏 対戦の“熱さ”や“面白さ”を、これまで以上に多くの方が感じてくださるとうれしいですね！ 私たちも『ウルIV』が多くの方々に楽しんでいただけるように頑張ります。ご期待ください！
取材・文：大瀬子ヤエ
