多くのシューティングファンが集結
5pb.より、2014年4月24日発売予定のXbox 360用ソフト『バレットソウル -インフィニットバースト-』の体験イベント“キャラバン2014序&トークショー with わっしょい!”が、東京・秋葉原で開催された。会場には多くのシューティングファンが駆けつけ、ひと足早く同作を体験した。
このイベントでは、通常の体験プレイのほかに、“キャラバン2014序”と題したスコアアタック大会も開催された。同作に収録されている“キャラバンモード”を使用した2分間のスコアアタックを行うというもので、上位入賞者には“番長Tシャツ復刻版”が送られたほか、参加者には認定証がプレゼントされた。
復活“わっしょい!2014ミニ”
イベントでは、シューティング好きの、シューティング好きによる、シューティング好きのためのライブイベント“わっしょい!”ミニも開催された。“わっしょい!”とは、会場でスゴ腕シューターが実際に生でプレイしているのを、いっしょに楽しむライブイベント。この日は、『バレットソウル -インフィニットバースト-』の“バーストモード”を太菱氏が、アーケード版『ケツイ~絆地獄たち~』をSPS氏が実際にプレイ、Game In えびせんのえび店長が実況しながら、ふたりのプレイを堪能した。
太菱氏は、「1回しかプレイしていない」と言いつつ、スタートから画面上部に張り付いくなどなど、ゲームの特性を把握。道中も「いまの動きは、敵のパターンを知らないと無理でしょ?」というえび店長からの指摘がありつつも、軽快なプレイで見事にクリアーした。
一方のSPS氏は雪辱戦に挑む。というのも、SPS氏こと、本作のディレクター・鷺岡潮氏は、『ケツイ』の“全イチ”プレイヤーであり、そもそも5pb.が『ケツイ』をPS3に移植する際の特典映像“『ケツイ』ノーミスクリアー”を収録するためのプレイヤーとして呼ばれたという経歴の持ち主。結局特典映像では、残念ながらノーミスクリアーできなかったということで、その雪辱戦となったが、残念ながら達成できず。しかし、解説に回った太菱氏をはじめ、会場を唸らせるプレイを随所に披露し、最後は大きな拍手でゲームはクリアーしてみせた。
シューティングメーカー座談会LIVE
続いては、シューティングゲームを手掛けるキーパーソンによる公開生トークショー。このトークショーに参加したのは、米沢勇気氏(キュート/『エスカトス』、『ギンガフォース』など)、星野仁氏(モス/『雷電』、『カラドリウス』など)、藤野俊昭氏(トライアングルサービス/『ゲーセン。ラブ』、『トライジール』など)、堀井直樹氏(M2/シューティングゲームをはじめ、数々の移植作業に携わる)、そして司会の盛政樹氏(MAGES.)の5人。
※当初参加予定だった、エイティング・外山氏は体調不良のため、不参加
そもそものこの企画の発端は、かつてファミ通Xbox 360誌や本作の限定版に同梱される“ファミ通Xbox 360・バレットソウルスペシャル”での座談会(米沢氏・星野氏・藤野氏らが参加)。また、意外と接点がありそうでなかったことから企画されたそうだ。トークショーは、出されたお題に対してコメントする形式で行われ、まずは「ゲーム業界に入ったきっかけは?」から。5人に共通した意見としては、経緯はどうあれ「(勉強がキライで)ゲームを作りたくて、ゲーム業界に入った」という結論に。盛氏から「ゲーム専門学校の経験は役に立つか?」と聞かれ、専門学校を経由している藤野氏は「いや、役に立たないですよ(笑)。ゲームを作りたいと思うような人は、専門学校で習うようなことはひとりでできてしまうことが多いですし」と語ると、専門学校に会社説明会などで行くことがあるという星野氏は、「生徒の作品には熱意を感じるが、業界の志望者自体が減ってきている。広くではなく、密度が濃くなっているのでは?」と答えた。またゲームが好きであると同じくらい「あきらめが悪い」(藤野氏)という言葉には全員が納得していた。
「シューティングへの愛」というテーマでは、やはり世代的にゲームセンターでシューティングゲームが花形だったということで、とくにハイスコアに関する熱い思いが語られた。また、シューティングゲームの魅力のひとつとして、「体調がプレイに影響するというか、“昨日のオレよりうまい”というシンクロ感がいい」(堀井氏)という意見も上がった。
最後は「今後作ってみたいゲーム」という気になる質問。せっかくなので、それぞれのコメントを掲載して、このコーナーをまとめよう。
米沢氏「シューティングは作り続けていきたいと思っています。シューティングがあまり発売されていない時代が続いていますが、そのあいだにハードスペックがどんどん上がってきました。シューティングなんだけど、違うスタイルのゲームを作れるのではないかと思っています」
星野氏「現在もシューティングを作っていますし、今後も作ります。また、裾野を広げたいと思っています。“難しそう”というイメージで敬遠される人が多いので、そこを払拭したい。シューティングの楽しさが伝えられ、アーケードや家庭用ゲームにつなげたいと思っています。もし、今後シューティングが作られなくなってしまうと、ノウハウも引き継げないし、切らさないように続けて行きたいです」
藤野氏「こういう状況だからこそ、いろいろと楽しくて。ミステリー小説が好きなのですが、そういうどんでん返しや驚きという感覚をゲームで再現できないか、ずっと考えています。体感として、昔のインカム至上主義時代のお金にうるさかった人たちがもういなくなったので(笑)、おもしろいことを受け入れる土壌ができていると思いますよ。あきらめが悪いといいことがあるよね(笑)」
堀井氏「僕は、皆さんが作ったすばらしいゲームを、10年、20年後に復刻しますよ!(笑) オチがついたので言うわけではないですが、ウチの会社もオリジナルタイトルを手掛けたいという意志はあるし、(移植ではなく)リメイクも出していきます。皆さんの話を聞いて、何かやりたいと思いました。ゆっくりと待っていてください」
『バレットソウル』開発者トークショー
イベントの最後は、同作の開発者トークショーとして、盛政樹プロディーサーと鷺岡潮ディレクターが登場した。ただ、ゲームについての内容はインタビュー等で目に触れる機会もあるということで、今回は、鷺岡Dが本作のディレクターになるまでのエピソードを中心としたトークショーになった。
前述の通り、鷺岡Dはアーケード版『ケツイ』の全イチプレイヤー。盛氏いわく「なぜ、ゲームしかしてなかった鷺岡Dがゲーム開発者になれたか」。まず、シューティングゲームを始めたのは、高校のころの『怒首領蜂』(1997年/アーケード)だが、『バトルガレッガ』(1996年/アーケード)の攻略ビデオを見て、「自分もこうしたことをやってみたい」と思ったのがきっかけとのこと。そのタイミングでちょうどアーケードに『怒首領蜂』が登場したそうだ。使っていた機体は“C-S”で、当時から「基本的に強い機体を使っている」そうだ。最初は、“切り返し”などのシューティング独特の理論を理解するのがタイヘンだったが、約2年後、最終的に目標スコアを超えたという。その後、のめり込むほどのゲームはなかったが、『怒首領蜂大往生』(2002年/アーケード)で復活し、その後『ケツイ~絆地獄たち~』(2003年/アーケード)をプレイするようになった。『ケツイ』にこれほどハマるとは思っていなかったそうで、その魅力は「自分の力量がそのままスコアに出る点」を上げた。決まったパターンで似たような点数が出るゲームとは一線を画していた、ということなのだ。
全イチプレイヤーとして名を馳せた鷺岡D。とくにゲーム開発をしたいと思っていなかったが、ある日、「『ケツイ』の攻略映像のテスターとして3ヵ月ほど来ないか」という連絡に即決。その後、『バレットソウル』のダウンロードコンテンツにディレクターとして参加することになった。盛Pと鷺岡Dは、ゲーム認識で共有している部分が多く、とても仕事がスムーズだったそうだ。本作の“バーストモード”も『弾銃フィーバロン』(1998年/アーケード)をオマージュした部分があるそうで、お互いの好きな部分を反映させている。攻めるシステムの進化系が「『フィーバロン』、いいよね!」という形から生まれた。
鷺岡Dは本作のセールスポイントとして、「前作で気になった部分にメスを入れました。たとえばボス戦でのタイムや“早回し”の実現です。また、前作の二周目仕様を止めて、一周目に特化した内容にしました」と語った。また、今回は残機制ではなく体力制にしたのも、「やられた時のストレスが大きいから」(盛P)で、隠しモードも用意されているとのことだ。こうして、約半日に及ぶイベントも無事終了した。
とにかく、まずは気軽に遊べるように設計されたという本作、「シューティングゲームだから」という理由だけでプレイしないのはもったいない内容になっていること請、け合いだ。