GameMaker:StudioおよびMonoGameを提供開始、“Early Access Version”は4月より

SCEがPS4のインディータイトル開発をさらにサポートすべく、開発ツール&ミドルウェア群の拡充、強化を発表_01

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、プレイステーション4専用インディータイトルの開発環境をさらに強化すべく、GameMaker:StudioおよびMonoGameの提供を新たに開始。また、Unityを活用したゲーム開発も拡大され、プレイステーション3およびプレイステーション Vita向けに加え、PS4用タイトルの開発が可能な“Early Access Version”を2014年4月より提供を開始する。

 以下、リリースより抜粋。

 SCEとミドルウェアメーカーのYoYo Games(ヨーヨーゲームス、本社:英国)は、戦略的提携について合意し、YoYo Gamesの開発するゲーム制作環境「GameMaker:Studio」をPS4開発者向けに提供開始いたします。またSCEは、ゲーム制作環境「MonoGame」をPS4開発者向けに提供いたします。これらの新たな取り組みによって世界中の開発者の皆様は、すでにご利用いただいているさまざまなツール群とともに「GameMaker:Studio」および「MonoGame」の開発環境を活用することで「プレイステーション」ならではの幅広いゲームタイトルの開発が可能になります。また、「プレイステーション 3」および「プレイステーション ヴィータ」向けのゲームタイトルの開発に最適化されたUnity Technologies (ユニティ・テクノロジーズ、本社:米国)が提供する「Unity」から、PS4向け「Unity」の“Early Access Version”が2014年4月より提供
開始されます。「Unity」、「GameMaker:Studio」、「MonoGame」は、多くの教育現場やインディーズ(独立系)開発者様から高い支持を得ており、試作品から本格的な作品まであらゆるゲームタイトルの開発が可能です。

 「SCEは、インディーズ(独立系)開発者の皆様の活動を強力にサポートしています。開発者様の皆様からのご意見をもとに、より効率的にゲームタイトルの開発を行っていただけるよう、ゲームタイトルの内容にあわせて「Unity」、「GameMaker:Studio」、「MonoGame」などをはじめとする幅広いツール&ミドルウェア群を開発者の皆様に自由にお選びいただける環境を実現しました。世界中の開発者の皆様にこれらのツール&ミドルウェア群をはじめ柔軟性をもった開発環境を提供することで、今後も数多くの独創的なタイトルをご提供いただき、「プレイステーション」ならではのエンタテインメントの世界をより一層拡大してまいります。」
(代表取締役 社長 兼 グループCEO アンドリュー・ハウス)

 SCEとライセンス契約を結んでいる開発者の皆様は、SCEおよびYoYo Gamesの共同開発によってPS4向けに最適化された「GameMaker:Studio」を無料でご利用いただけます。これにより、開発者の皆様が制作した2Dゲームを、600万人を超える全世界のPS4ユーザーの皆様に向けてより簡単にご提供いただけます。例えば、「GameMaker:Studio」の“Export(出力)機能”を利用することで、『Hyper Light Drifter』(Heart Machine)、『Samurai Gunn』(Teknopants)、『Risk of Rain』(Hopoo Games)、『Home』(Benjamin Rivers)、『Nuclear Throne』(Vlambeer)といった人気のPC向けゲームタイトルをより効率的にPS4に移植し、PS4向けゲームタイトルとしてユーザーの皆様にお楽しみいただけます。

 「MonoGame」は、C#をベースにしたオープンソースエンジンとして、SCEとライセンス契約を結んでいる開発者の皆様にご提供いたします。「MonoGame」が最初に活用されたPS4向けのインディーズタイトル『Towerfall: Ascension』(Matt makes Games)はユーザーの皆様から高く支持されており、さらに『Mercenary Kings』(Tribute Games)や『Transistor』(Supergiant Games)など、今後発売される期待のPS4向けタイトルの開発にも「MonoGame」が活用されています。

 またSCEは、ゲームタイトルの開発にご利用いただけるSCE ワールドワイド・スタジオ(SCE WWS)が開発したAuthoring Tools Framework (ATF)をGitHubのウェブサイト上にて無料で提供いたします。SCEの提供するATFはこれまで、『The Last of Us』や『Beyond: Two Souls』(ともにSCE WWS)などのヒットタイトルの開発にも使用されています(※1)。ATFは、「GameMaker:Studio」や「MonoGame」、さらに「プレイステーション」プラットフォーム向けグラフィック描画ツールとしてこれまで提供している「PhyreEngine」とあわせて、ゲームタイトルのツール&ミドルウェア群の一つとして開発者の皆様にご利用いただけます。なお「PhyreEngine」は、今後発売予定の『Secret Ponchos』(Switchblade Monkeys)などPS4向けタイトルにも利用されており、SCEが支援する開発ツールとして、ライセンス契約を結んでいる開発者の皆様にご提供いたします。

 SCEは引き続き、世界中の開発者の皆様と協力しながら「プレイステーション」ならではの革新的なゲームタイトルをお届けしてまいります。これまでに1000を超えるインディーズ開発者の皆様にPS4への参入表明をいただき、現在100タイトル以上が制作されています。2014年度も自社およびインディーズ開発者の皆様を含めたソフトウェアメーカー各社から豊富かつ魅力的なタイトルの発売が予定されています。SCEはこれらの取り組みを通じて、ゲームタイトル開発における複雑な作業プロセスの軽減、柔軟かつ充実した支援制度を設け、ゲームソフトウェア開発者の皆様の多様なニーズに合わせた開発環境を強力にサポートするとともに、開発者およびユーザーの皆様にPS4の魅力を訴求することで、PS4プラットフォームのさらなる普及を加速してまいります。

※1 SCE提供のATFは、PS4、PS3、PS VitaやPSP「プレイステーション・ポータブル」のタイトル開発に使用されています。